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『多様性』を『知る』マガジン “Accept”

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全ての人たちが『公平』な世界になるために、まずは『知る』ことから。 多様性関連のニュースや時事ネタをピックアップし、解説と考察をすることで、少しでも多くの人に現状を考えるきっか…
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#多様性

『きのう何食べた?』に見る「この時代の型」にはまれない人たちの人生観

『きのう何食べた?』に見る「この時代の型」にはまれない人たちの人生観

西島秀俊さんと内野聖陽さんがダブル出演されている『きのう何食べた?』

よしながふみさん原作の、いわゆるゲイカップルの日常を美味しい料理とともに送るドラマです。

今回シーズン2ということで、シーズン1をネトフリで鬼リピしていた私は毎週楽しく視聴してました。

最近は、いわゆる『BL(ボーイズラブ)』と呼ばれる、男性同性愛者の恋愛ドラマが多くありますが、これはそれの先駆けであり、また、それらと違っ

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社会は「女性優遇」なのか「女性蔑視」なのか

社会は「女性優遇」なのか「女性蔑視」なのか

先日、とあるイベントがあり、都電荒川線で「男性専用車両」を作ったところ、参加者は12人だったらしい。

最近では『弱者男性』という言葉も出てきている。
社会的に弱い人、例えば収入が低い、独身であるなど、社会的な『弱者』の男性を指すようだ。

ネットなどではよく見かけ、弱者男性と自認する人も多い。いまでは『男性専用車両』の設置を望む声も多いようだ。しかし、実際に弱者男性を優遇しようとすると、まだその

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自分の意志だけで性別変更可能?ドイツに学ぶ性別のあり方

自分の意志だけで性別変更可能?ドイツに学ぶ性別のあり方

先日、今後多様性の話をする上できっと歴史の一つとしてのこるであろう裁判所の判断がされました。

戸籍上の性別変更において性別適合手術を受けることが必須というのは憲法違反だと裁判所が認めたのです。

これは、歴史を動かす判例になります。
裁判の結果は、基本的に過去の判例に基づいて行われます。
くだけて言うと「実例がないからダメ」のパターンです。
今回この違憲の判例が出たことで、今後の裁判でも同様の違

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差別は消すのではなく越えるもの!過剰な多様性議論に一石を投じるトランス男性議員の一般質問

差別は消すのではなく越えるもの!過剰な多様性議論に一石を投じるトランス男性議員の一般質問

最近は、『芸能界の闇』といったニュースが目立ち、一時期に比べると、多様性関連のニュースが少なくなりました。(ブームにしたくないけど…)
その中で目立ったニュースといえば、アディダスの女性用水着広告ではないでしょうか?

広告が出た当初は「女性排除」といった否定的な声が多かったですが、『ABEMA Prime』でこのニュースを取り上げ、パックンことパトリック・ハーラン氏が
「このモデルが女性ではない

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『ミッドナイトスワン』ネタバレ考察&多様性感想 草彅氏には主演女優賞を贈りたい

『ミッドナイトスワン』ネタバレ考察&多様性感想 草彅氏には主演女優賞を贈りたい

2020年に上映前から話題になっており、その年の日本アカデミー賞では最優秀主演男優賞、最優秀作品賞を受賞した『ミッドナイトスワン』。
5月からNetflixでとうとう観れるようになりました。

公開当時は気にはなっていたものの、コロナ禍というのもあってなかなかいくきっかけがありませんでした。
今回の視聴までにいろんなところでレビューは見ていたので、内容はあらかじめわかっていたのですが、想像以上に素

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小学一年生の心温まるエッセイに学ぶ、多様性を受け入れるということ

小学一年生の心温まるエッセイに学ぶ、多様性を受け入れるということ

先日、北九州市主催の「第14回子どもノンフィクション文学賞」で、小学一年生のエッセイが大賞に選ばれ、話題となりました。

数あるネットニュースではASD(自閉症スペクトラム症)のお母様がことが書かれていることについて、多様性やSDGsと結び付けて報道するものが多くありました。しかし、実際に作品を読むと、私たち大人がつい見逃してしまう、大事なことが書かれており、心の奥をえぐられるような恥ずかしさと、

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吃音芸人の笑いが是か非かについての論争があまりにずれている理由と、隠された問題点を解説

吃音芸人の笑いが是か非かについての論争があまりにずれている理由と、隠された問題点を解説

毎週、多様性に関するニュースをピックアップし、我流に解釈&解説をすることで、多様性を考えるきっかけになり、人と違うのが当たり前の世の中になってほしいと奮闘中のマガジン『Accept』。
毎回一週間かけてネタになるニュースを、
「今週こそは見つからないんじゃないか」
とヒヤヒヤしながら探しているのですが、何だかんだで見つかってることに、記事ができることへの安心とともに
「なんだかなぁ」
という気持ち

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「バービーになりたい」から、多様性を表現する時代へ。世界のおもちゃメーカーが子供たちに向けたメッセージ。

「バービーになりたい」から、多様性を表現する時代へ。世界のおもちゃメーカーが子供たちに向けたメッセージ。

4月27日、BBCニュースで、このような記事が掲載されました。

バービー人形で有名な、アメリカのおもちゃ大手のマテルが、米国立ダウン症協会と協力し、ダウン症の女性をモデルにした人形を発売したとのことです。

こちらの人形、顔や体形を模しているだけでなく、ダウン症の子どもが足やかかとをサポートする器具にちなんだ装飾具もかかとにつけているとのこと。
当事者やマイノリティと言われている方々がこの人形の

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同性婚が合法化されることで広がる新しい選択肢~家族3.0~

同性婚が合法化されることで広がる新しい選択肢~家族3.0~

2023年に入って同性婚についての議論が多くみられるようになりました。
総理大臣秘書がLGBTQに対する差別的な発言をしたということで一気にみんなの興味が集まったかのように思います。

今回は、同性婚についていろいろと調べてみました。

■違憲?合憲?同性婚の解釈はなぜ分かれるのか

まず、同性婚が違憲だという理由は、憲法24条1項に記されています。
「婚姻は、両性の合意のみにもとづいて成立し…」

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とあるグループホームでおきたニュース。私たちはこの現実に目をそらしてはいけません。

とあるグループホームでおきたニュース。私たちはこの現実に目をそらしてはいけません。

2022年12月、大手新聞各紙に下記のニュースが取り上げられました。

北海道の社会福祉法人運営のグループホーム(以下GH)で、結婚や同棲を希望する知的障害の入居者に対して、不妊処置を促し、約20年で8組が処置をしたというニュースです。

ニュースでは、それが、優性思想に基づく障害者差別になるのではないかという疑問を投げかけるような内容の物が多くみられたのですが、GHの運営側は、「法律ではGH内で

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