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心うたれたnote

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言葉にできないほど好きな文だったり、ためになったり、助けられたり。そんなnoteを集めています。
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#眠れない夜に

私たちは機会を失ったまま大人になっていく。

私たちは機会を失ったまま大人になっていく。

これはただの恨み節になってしまうのだけれど、たまにこのまま大学生活を終えてしまうことに軽く絶望を覚えることがある。

何もできなかった。大学生活、なんでもできるはずだったのに、何もしようがなかった。せめて最後の年は、と足掻いてみたかったけれど、どうやら私たちは何も得られないまま“人生の夏休み”とやらを終えることになりそうだ。

人生の夏休みってなんだ。夏休みならもっと、暇なら暇なりにできる体験や学

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閉め忘れた蛇口のような深夜の独り言。

閉め忘れた蛇口のような深夜の独り言。

あたりまえに起きてごく一般的な職に就き
周囲に馴染んで1日を生きる。
学校ではそれが正しい大人だと習うという。
だがSNSでは人と違うことが良しとされる。

お金持ちになるには一万人で一番になる特技を磨けと心の師は言う。
占星術ではさまざまなことが大きく変わりゆく時代なんだと言う。
いったいどう生きればいいんだ。何が正解なのか。などと悩む日もあった。
だがそれだと身が持たない。
きみたちはどう生き

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喪失と銀色、

喪失と銀色、

金属製の食器を洗っているときの、銀色の匂いが苦手だ。

洗い物という作業は不思議なもので、溜まっているのを見ているときはとても手をつけたくならないくせに、いざ始めてみると鼻唄を歌いだしたくなるくらいには楽しい。

洗剤は割と躊躇なく使ってしまうので(SDGs的にはよろしくない、今風に言ってみた)たっぷりと泡に塗れた食器の一つひとつを、指先がうたうまで丁寧に磨く。そしてシンクが地道に洗われていくのを

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夜の香りで言語の限界を知る。

夜の香りで言語の限界を知る。

その日はなんとなく気持ちが塞ぎ込んでいて、生気のない目でスマホの画面を眺める時間を無為に過ごしていた。時刻は21時を回った頃。なんとなく小腹が空いてきたのはそのときだった。

外に出るのが面倒な理由はただ一つ、そのための準備が億劫だからだ。人に会える姿になるにはそれなりの手間と気苦労がいる。しかし幸い今は、大学から帰ってきたままの格好でベッドに横になっている。この時間から自炊をする気は起こらない。

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これで、いいのだ

これで、いいのだ

日々の暮らしの中で、今日は頑張れそうだと思える日と、今日は無理だと思ってしまう日がある。後者が頭に浮かんでしまったときは、もう何をやっても意味がない。頑張れそうなときは頑張るし、無理なときは「今日は無理だから明日の自分に託す」と明日の自分に期待してもいいんだと思う。

「ずっと頑張らなくちゃ」って思っている人も多いけれど、人生はマラソンみたいなものだから、無理なときは思い切って休むことも立派な務め

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