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何度も読み返したい素敵な文章の数々 vol.3

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2018年2月の記事一覧

失敗は成功の素というけれど

失敗は成功の素というけれど

失敗すること、ミスをすることが、わたしは怖い。

誰しもある程度の怖さはあると思うけれど、たぶん、わたしのそれは度を超えているのかもしれないな、と思うことがある。

これは今に始まったことではない。わたしは、かなり幼いころから失敗が怖かった。

「やってしまった」と気づいたときの体の冷えかたは尋常ではないし、食欲もなくなるし、呼吸も浅くなってしまう。

そうしたこともあって、わたしははじめての職場

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なにを言うか。誰が言うか。それをおれが言ってもいいのか。

なにを言うか。誰が言うか。それをおれが言ってもいいのか。

フェイスブックに、「過去のこの日」という機能がある。

去年のきょう、一昨年のきょう、三年前のきょう、あなたはこんなことを書いていましたよ。あなたはこんな記事をシェアしていましたよ。などを教えてくれる機能だ。これは大した発明というか、ぼくがいまでもフェイスブックになにかを書こうとする動機の半分以上は、この機能のおかげだったりする。来年や再来年の自分に「あのときのお前」を教えてあげたいのだ。

とい

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スパイスとしての理不尽。

スパイスとしての理不尽。

平昌オリンピック・パラリンピックがはじまって、きょうが5日目。

開会式のスタジアムが寒すぎるんじゃないかとか、ノロウィルスが発生したらしいとか、ボランティアが大量離脱したらしいとか、ホテルが足りないとか余っているとか、選手村の食事がまずそうだとか、大会前に語られた野次馬的な不安をよそに、いま最大の問題となっているのは「風」であるようだ。

報道ベースで聞きかじった浅い知識でしかないけれど、そもそ

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泣かずに生きるには長く生きすぎた

泣かずに生きるには長く生きすぎた

12日の深夜にしくしくと泣いていたら浮かんできたワード。年っていうのは誕生日に一気にとるのではなく、日々少しずつとってるもんなんだって、わかってるくせにどうしても誕生日前はぐっちゃぐちゃのどっちゃどちゃになる。

物書きになりたい。でなければ何者にもなりたくない

ヘッセみたいなことを言うようだけれど、突き詰めれば結局わたしは私以外の何者にもなりたくない、つまりどこにも染まりたくないってことなのか

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ちょうどよいあんばいが難しい

ちょうどよいあんばいが難しい

もうちょっとだけと、トースターのダイヤルをひねった。チンという音がして、すぐに取り出さなかった。

好きな焼き加減をこえてしまった食パンが出てきた。
ごめん、すぐに取り出さなかった私のせいだ。

もう少しだけと、なにかにつけて放っておいてしまう。
チケットの受け取り
ポイントカードの切り替え
メルマガの取り止め

このあいだ、ジブンのトリセツの一つを診断した。
体感覚とタイミングをなによりも大事に

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話して整理できること。

話して整理できること。

昨日は15人くらいの人と10時間くらい話した。

質問されたり、興味深い話に応えて話していると、それまで自分が言葉にしたことがなかった考えに思い至る。言葉は思考のチョイスだから「能力」「才能」「実力」などの中からできるだけ近いイメージを探すことになる。

それは「才能」と言ってしまうと語弊があるな、でも「実力」とも違うよね、と、選択の中で考えをソリッドにしていく作業。だからボキャブラリーが多い人ほ

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インターネット上に文章を書く理由みたいなもの

インターネット上に文章を書く理由みたいなもの

最近、文章を書くときに構えすぎている気がする。

かっこつけた文章を書きたいわけじゃないし、書いているつもりもないけれど、「これはほんとうに自分が思っていることなのか」を考えすぎてしまう。

書くときにそんなことばかり考えているから、同じテーマの文章を書くことができない。前に書いた内容との間に齟齬はないか? 自分ではなく他の誰かの言葉を自分の考えだと思い込んでいるんじゃないか? 前のときはどういう

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「秘密」の価値

「秘密」の価値

時々、「本当に秘密主義だよねぇ」と諦めたような口調で言われる。

いつもオープンに話しているように見えて、一番大切なことだけ巧みにかわして表に出さない私の癖は、わかる人にはわかってしまう。

それでも無理やり聞いてきたりしないのが、私のまわりはみんな大人だなあ、と思うところでもある。

***

昔は比較的あれこれ話す子だったような気がするのだけど、年を重ねるごとに自分の中だけで留めることが多くな

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まるで、地球の裏側からきたような。

まるで、地球の裏側からきたような。

恋愛体質な人と恋愛の話をするのが苦手なのは、哀れみの目で見られることが面倒だ、という理由が大きいように思う。

「(私みたいに)すごく好きになれる人が現れるといいね!きっといるよ!」

という励ましの言葉も、30年近く言われ慣れるともう反論する気も起きない。

恋愛体質であることは、そんなに偉いものなのだろうか。
人生において絶対的な正義だと、無邪気に信じるべきものなのだろうか。

「好き」より「

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写真と時間とは

写真と時間とは

昨日は春らしい天気で、ちょっと期待した気分だったのに今日になったらまた冬っぽい冷え込みで、起きてから1時間も布団から出られなかった。
春は、誰でもそうかもしれないけど、無性に写真が撮りたくなる。何か新しいことが始まる予感がして、外出している人たちが皆どこか浮き足立って見えるから見ていて面白いし、こちらもつられて気分がノってくる。

桜が咲いた、散ったで一気一憂するのも気持ちがいい。
起源を調べてみ

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晩婚家庭に生まれて

晩婚家庭に生まれて

働き方や生き方が多様になって、ある程度歳を重ねてから結婚する人も増えてきた。

実際、私はもういい年齢で、大学の同級生たちには「きみに結婚願望なんてあるの? 絶対ないでしょ」と笑われる。こういう選択肢を臆せず選べる時代になった恩恵に甘えて、徒らに日々を過ごしている。

人生訓を述べる資格はない。でも、「今後、子どもを持ちたいな」という人に向けて、ある記録を残しておこうと思う。

晩婚家

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話すのが苦手な人のためのプレゼンの裏技テクニック

僕のことを直接しっている人にはよく知られた話ですが、僕はなかなかどうして話すのがヘタでして、コミュニケーションをとるのが得意ではないのですね。

特に、大人数の前だとすごい緊張しちゃうので、落ち着いて話すこともできません。心臓がバクバクいい、足が震えます。10人以上いる会議で発言とかかなりキツイです。

で、そんな僕なんですが、プレゼンをしなさい、となる時もたまにあって、そういう時、結構困るのです

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普通の人間でも、よーく考えて緻密に動かせば、魔法もかけられるし呪いも簡単にかけられる。

三点で面になる

三点で面になる

SFです。

はじめ機械に社会的権利がなかった頃は、女性と男性の社会でのバランスが常に問題になっていた。とくに女性は社会的に男性に抑圧されていた時代があったそうで、あるときにカウンターのようなものが起こった。そこにはたくさんの憎しみもあふれ出てしまったようだ。

性について言及する文章やトピックは、すぐにどちらの味方か判断され、過剰に演出されてしまう。そんな日々が続いたそうだ。そのころは政治につい

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