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ある桜から教わった話
それは何の前触れもなく突然訪れた。
これまでも日本だけでなく世界中の聖地を調査していたので、不思議なことは何度もあった。だが今回は明らかに偶然ではないのだろうと確信している。宇宙まで突き抜ける青空が広がる暖かい春の昼下がりに、僕はその桜に呼びかけられたのだ。
仏陀の誕生日にあたるその日、僕は昼過ぎまで吉野で存分に千本桜を堪能して、近くにある龍鎮の滝へと車で向かっていた。その道中で路傍に立てられた
近代でのまなざしの大転換
ヨーロッパが中世から近代を迎えようとする頃、人々が世界に向けるまなざし、つまり世界観に大きな転換点が訪れた。最も大きな衝撃を与えたのは16世紀にコペルニクスの唱えた地動説であったのは言うまでもない。しかし、世界にとってより切実な問題であったのは、創造主である神はこの世を善なるものとして生み落としたのか、それとも悪なるものとして生み落としたのかという問いであった。
この世が善なるものであれば問
神聖幾何学の系譜01:ピタゴラスの遺産
神秘学というのは学問であるのか。英語ではオカルティズム、つまり俗にいう「オカルト」と言われるものだ。学問は一般的にオカルトを嫌うし相手にしない。だから日本語訳で神秘“学”とすると少々違和感があるかもしれない。しかし学問とオカルトの境界線というのは実はかなり曖昧なものである。神聖幾何学を考える上で、神秘学の系譜として並行して探っていかねばならないと考えている。
神秘学、つまりオカルティズムとは、