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仕事を辞めたい女の話3
あたしは小さい頃から、滅多なことで体調を崩さない女だった。
いじめを受けてた小学校の時でも、読みたい本があるからと、1度も不登校にはならなかった。
中学、高校と、6年間皆勤賞を取って、卒業式ではいつも表彰された。
高校のワンダーフォーゲル部の合宿中、20kgのザックを背負った状態で鼻から斜面を転げ落ちても骨折ひとつしなかった。
大学時代、コロナのワクチンを打った時、それこそ10数年ぶりくらいに熱が
仕事を辞めたい女の話2
大学時代、それはそれは行き先を焦って決めたあたしは、人材派遣会社に拾われた。
業務内容は家電量販店に派遣されてスマホとネット環境を売ること。
やっと自分が人の役に立てると、やっと自分が必要とされたと、それはそれは嬉しかった。
雲行きが先ず怪しくなったのは3月末。
新居も決まり、後は勤務先の内示を待つばかり。
初めての1人の部屋で、寂しさと孤独と、独り占めの嬉しさと、これからの不安を抱えて過ごした
言い返せなかった女の話
小学校時代、あたしは本の虫だった。
何も、はじめから本の虫だった訳では無い。
きっかけは、クラスの中で起きたいじめだった。
あたしは自分で言うのも何だけれど、ドがつくほどの素直な人間で、思った事をそのまま口に出したり行動したりしてしまうタイプだ。
幼少期はそれがかなり顕著だった。
あまり良くない行動をしてるクラスメイトがいたら怒って注意するし、これは良くないなと思ったことはすぐに先生に報告した
小さく生まれた女の話
ある年の1月、その女は生まれた。
あまりにも小さく生まれたその女は、未熟児ではないものの2000gにギリギリ足りるか足りないか程度の重さで、これはヤバいと保育器に入れられた。
担当の看護師は笑いながら「この子時々呼吸やめちゃうのよォ」と言っていたらしい。
笑い事ではない。
あまりにも小さく生まれたその女は、呼吸もままならなかったくせにそれはそれは元気に育っていった。
食べることが大好きで、最初に