やり直せない女の話

面白いテレビがやっていない夜
録画溜りの中から、随分前に録画していた「はじめてのおつかい」を選んで観た。

かつては、小さい子が頑張ってるの可愛いねぇ、偉いねぇとしか思っていなかった。

今見たら、初めて親の手を離れて、1人で訪れるいつもの街を、堪えられない涙と共に必死で歩く手足。
健やかに、見るもの全てを吸い上げて成長していく子供たちが、美しく見えて、そして自分の醜さに泣けてきた。

最近よく思う
“あの頃”に戻れたら、と。

あたしは、“あの頃”という名の漠然とした過去に戻っても、常にどん底の闇の中にいた。
それでもやり直しを願わずにはいられない。
どこに戻ったって、あたしはどうせうまく生きられない。
小も中も高も大も、上手くやれたとて、どの道心を病んで死を選びたくなるのだろう。
いっそ胎児に戻れればいい。

ずっと羊水の中を漂って、そのまま死んでしまえたらいい。

不謹慎だけど、過去に消えられていたらとそう思う。


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