試用期間の女の話

バイトの遅番終わり、帰宅。
落ちかけ化粧も落とさず、ぼけっと動画を観ている夜。

ふと開いた動画のタイトルに「半年が過ぎた新卒」とあった。
あたしが知らぬ間に、日本の同期は新卒から半年がすぎたらしい。
なんとも素晴らしいことだ。あたしには成し遂げなかった偉業を同期諸君はこなしている。
あたしが辞めたあと、心療内科に行きながら別部署への異動を申し立てていたかつての同期は無事だろうか。

そして、あたしは7月からバイトを始めて、3ヶ月目に突入した。
日本の同期たちからは3ヶ月遅れている。

そして、明後日
バイトの正式採用が決まるテストがある

あたしが働いているバイト先は、バイトに対してかなり用心深いらしい。
バイトなのに最初の面接は接客の様子まで見られるし、4日間の研修の末にあるテストに受からなければバイトに受からない。
更に、1ヶ月間試用期間を働いた末に、本採用のテストがある。

が、
あたしはかつて、そのテストに1回落ちた。
先輩方から出ると言われていた部分をやり込んだらそんなに出なかった、むしろ、寝耳に水な箇所ばかり出たことと、緊張しいな性格のせいで実技のテストに惨敗したことが原因だった。
ありがたいことに、店長も先輩方もあたしが店に残ることを望んでくれたようで、お情けでもう1ヶ月試用期間を貰えることになった。

そしてそのテストが明後日である。
正直、めちゃくちゃ怖い。

テストの対策はできる限りしたけれど、また、全く対策していないところが出たらどうしよう。
実技のテストでまた失敗したらどうしよう。
そればかりが頭をよぎる。

そのせいもあってか、性根がポンコツのどうしようも無いやつだからか、今日のバイトではレジミスをし、レシートを渡し忘れ、領収書の書き方を間違え、消してはいけないデータを消してしまうという、取り返しのつかないミスをしてしまった。

もういっそ落ちてしまった方がいいのでは?というくらい仕事が出来ない。

心の中のばぶが
「もうおしごとやめて、おようふくつくるようせいさんになる」
と戯言をほざいている。
あたしとて妖精さんになれたらどれほどいいか。
石仮面被って究極生命体になれたらどれほどいいかと思う。

でも、この世界に妖精さんは居ないし、石仮面もなければ吸血鬼も居ない。居るかもしれないが。
今のあたしには、試用期間脱却を目指して、なんとかなるしかないのである。本当に辛いが。


今回は上手くオチが見つからないが、つまりはまあ、テストめっちゃ怖いというお話である。
本当に怖い。泣きそう。助けてください。

……頑張るので、試用期間明けたら、今やりたいことやっていいですか?

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