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COQUU NIKKI

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月波のうたかた 日々の花、燃えて 召しませ 周く虚白の果実
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2020年7月の記事一覧

OKINAWA CACAO

OKINAWA CACAO



土潤溽暑
7月某日。曇時々雨。もうすぐ8月というのに梅雨明けはまだ。暖冬、コロナ禍、冷夏、今年はずっとペースが乱れてしまっています。

夏に思いを馳せつつ、昨晩はnakanojo kraftのみんなと沖縄からやってきたチョコレート4種類たちの食べ比べをしました。パッケージを開けると今まで見たことがない薄さのタブレットが数枚重なっています。それを適当に割って口に含むと、それぞれのフレーバー

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okinogami blue cacao's

okinogami blue cacao's



大雨時行8月某日。降ったり止んだりの雨。

チョコレートは温湿度の影響を受けやすいので、銀紙で包むのが一般的です。製菓用のグラシン紙やOPPで包むところもあるけれど、やはり鮮度のことを考えると銀紙がベストなのかと思います。

先日取り寄せたokinogami blue cacao'sのチョコレートは、銀紙、和紙、OPP袋の三重に、丁寧に梱包されていたにも関わらずブルームしていました。ブルームと

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MILTOS

MILTOS



魚上氷2月某日。クラフトチョコレート作りの会議です。パッケージの検討が続けられ、決着が付きません。シンプルでモダンな、それでいて手作り感や田舎っぽさも合わせ持ちたい。費用と実用も大事なポイント。

この日、参考にしたいと開けたのは愛媛の山奥で作られているMILTOS CHOCOLATE でした。サロンドゥショコラで初めて出会ったとき、田舎で作っていること、コーヒー焙煎の技術を応用していること、

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Åkesson's

Åkesson's



紅花栄5月某日。カカオで布は染まりにくかったので、試しにコーヒー染めをしてみました。こちらはよく染まって面白いです。でもあまり私の生活に馴染まない色かもしれません。

7月からはレジ袋有料化、脱プラ化。サスティナブルな取り組みを推奨する世の中になりつつあります。只、古いものを残すヨーロッパの文化と新しく作り直す文化の日本では同じ取り組みでも同じ方法を取らなくてもいいんじゃないかと思ったりします

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Bossa Nova

Bossa Nova



蓮始開7月某日。朝起きて天気を確認、晴れているような曇っているような、梅雨の中休みでしょうか。仕事へ行かなくちゃ、何か食べたいのに(食べておきたいのに)何を食べたら良いのか分からない(食べたい気持ちが出てこない)、私もどっちつかずなコンディションです。とりあえずチョコレートを飲みます。

モーツァルトによるオペラ「コシ ファン トゥッテ」(1790)では、侍女が愚痴を言いながら朝食用にホットチ

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Zaabär

Zaabär



閉塞成冬12月某日。今年最初の雪が降りました。いただいているのはザバール(発音が分からない)。ベルギーのブリュッセルにあるショコラティエ。真空パックされたパッケージが珍しいです。「雑貨屋さんに知らないチョコがあったよ~」と椿さんに教えてもらって出会いました。

*****

FILM

チョコレートの起源を辿れば、紀元前2000年頃の中央アメリカ、アステカ帝国まで遡ります。それがヨーロッパに伝

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bistro Yuiga

bistro Yuiga



朔風払葉11月。金沢市にある21世紀美術館の展示を見るため、金沢へひとり旅です。今回は、なにかとお世話になっている自然派ワインの伝道師、萩野さん(atelier oppe主宰)に事前におすすめのレストランを何件か教えてもらいました。金沢は「カナザヴァン」という自然派ワインのイベントを開催したり、国立工芸館が東京から移転したりと、いいなぁ。もう少し近ければもっと頻繁に通いたい街です。

萩野さん

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Xocol

Xocol



蟋蟀在戸10月。一番好きなアーティストは?と聞かれることと同様に、一番好きなチョコレートは?と質問される時ほど困ることはないです。でも今日の気分ではこう答えたいです。東京にあるxocol。

石臼でひいたカカオに砂糖を加えただけのシンプルな製法ですが、ushio Chocolatlとは違い、軽やかな美しさを備えます。香料、乳化剤、油分の追加、コンチング なし。古代アステカ族はカカオを通貨にして

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Willie's Cacao

Willie's Cacao



葭始生4月某日。コロナ禍による自粛を受けて勤務先の美術館は休館を決めました。残業時間が減って、さて何をしましょう。この非日常に日常を装うことは疲弊するばかりでしょうから、非日常が日常になってゆく過程を楽しむほうが健全、ならば今までとは違うことを行いたい、と思ってこの日記、COQUU NIKKIを書き始めました。

昔から好きな漫画家に、現在はロンドンにお住まいの楠本まきさんがいます。何かひとま

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Vanillabeans

Vanillabeans



黄鴬見睨2月。横浜、みなとみらい駅にほど近い横浜美術館へ石内都さんの個展を見に行きました。石内さんは桐生市生まれ、横須賀育ちの写真家。皮膚や衣服と時間のかかわりに迫る作品を多く制作しています。今回の展示では、桐生と横浜がかつて絹産業で結ばれていたことをリンクさせつつも、私的な記憶をトレースするような作品を発表されていて、どれも印象に残るものでした。

この展示期間中、ミュージアムショップでは、

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USHIO CHOCOLATL

USHIO CHOCOLATL



熊蟄穴12月。クリスマスの数日前。キッチンで洗い物をしている私の近くで、その日遊びに来ていた西岳さんが、そわそわと所在無くチョコレートのストック棚を眺めていました。

「いっぱいあるね」
「食べたいのある?」
「いや、そういうわけでは…」
「どれか開けてみようか」
「食べかけのがまだたくさんあるでしょ」

西岳さんは食後にも午後3時にもおやつを食べる習慣がなく、チョコレートに対してはこんなに種

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THE Chocolate

THE Chocolate



竹笋生5月。夏も近づく八十八夜を過ぎて、日本のおやつ業界の大手、明治製菓のチョコレートセミナーに参加してきました。お茶とのペアリングを探る会。

これまで明治が主催するセミナーにいくつか参加してきたのですが、特に日本茶とのペアリングを探る回は面白かったです。チョコレートと組み合わせる飲み物として、ワインやコーヒーを選ぶのはありがちなのですが(私もいくつも参加してきました)、こうして緑茶と合わせ

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Salagadoola chocolatle

Salagadoola chocolatle



山茶始開11月。東京都神宮前にあるセゾンアートギャラリーと、併設されているカフェ、サラガドゥーラへ寄りました。サラガドゥーラは東京発のbean to bar。この少し覚えづらい名前は、シンデレラにかけられた魔法の言葉「サラガドゥーラ メチカブーラ ビビディバビディブー」にちなみます。

(今はもうギャラリーの閉廊と同時に実店舗は無くなってしまったようです。オンラインショップはまだあるのかな?)

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rit.

rit.



菖蒲華6月。雨の一日。広島のrit.(リタルダント)を開けました。これは「次第に遅く」を意味する音楽記号。熟れた果実のように甘く気怠い室内に沈みたい気分です。

rit.では、レコードの形だったり、カセットテープの形だったりと、音楽にちなんだチョコレートが数多く作られます。このタブレットはピアノの形です。可愛い。

*****

FILM

そういえば学生の頃、楽譜を読むのを手伝っていただいた

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