2021年 7月3日 いつもの待ち合わせ場所。 「結ごめんお待たせ、大丈夫?ちょっと先に薬局寄ってもいい?昨日飲みすぎて胃が痛くて」 「…。」 なにも言う気が起き…
2021年 7月2日 深夜1時前だっただろうか。トイレに行くと、念の為つけていた生理用ナプキンに血がついていた。少量の出血ならよくあること?必死に調べる。「流産 出血」「…
母が去り、沈黙。彼にエコー写真を見せる。でも、手放しに喜んでくれる状況じゃないのなんて、分かっている。ひとまず、子供を産み、育てるために必要なお金、二人が生活す…
2021年5月 仕事に適応できない日々が続きながらも、休みの日は彼に会い、支えられながらなんとか続けていた。彼も春から晴れて社会人となり、会える頻度は減ってもお互い…
2020年 9月2日 お昼を一緒に食べようと、初めて会ったのと同じ場所で待ち合わせ。まだ会うのは4回目、初めて会ってから1ヶ月も経っていないのにもうすっかり馴染んでいた…
2020年 8月 Yさん、22歳、大学生。私が早生まれだから、学年は彼の方がひとつ下。でもほとんど同い年。写真の雰囲気はちょっと中性的で柔らかく優しそう。保育士になる予…
恋人はいたことがなかった、22歳。 中学生の頃、一度だけ両思いになったことがあった。私から好きになって、手紙で告白をして、手紙で返事を貰って。でも、それだけだ…
結
2023年1月20日 14:33
2021年 7月3日 いつもの待ち合わせ場所。 「結ごめんお待たせ、大丈夫?ちょっと先に薬局寄ってもいい?昨日飲みすぎて胃が痛くて」 「…。」 なにも言う気が起きなかった。なに、それ。最初の一言がそれ?飲みすぎてって何…。 ゆっくり話が出来る場所に移る。そこで初めて私は口を開いた。明らかに何も話さない、様子のおかしい私に彼もやっと空気を察したようだった。冷静に、彼が悪いわけじゃないこ
2023年1月20日 14:31
2021年 7月2日深夜1時前だっただろうか。トイレに行くと、念の為つけていた生理用ナプキンに血がついていた。少量の出血ならよくあること?必死に調べる。「流産 出血」「妊娠継続 出血量」「妊娠初期 出血」。この出血量は、これは、流産の兆候に当てはまった。 彼に連絡する。「出血してて、流産したかも」つい数時間前に決めた覚悟も無意味なものだったのだろうか。そもそも母にも「気を大きく持たないで」と
2023年1月20日 14:28
母が去り、沈黙。彼にエコー写真を見せる。でも、手放しに喜んでくれる状況じゃないのなんて、分かっている。ひとまず、子供を産み、育てるために必要なお金、二人が生活するお金、給料、貯金、ありとあらゆる計算をした。二人していくら数字と向き合っても、到底、現実は変わらない。 わかってる、わかってる、みんなが考えてるのは 「じゃあ結果的に無理ってことでしょ」 私は言い捨ててその場を離れようとした。
2023年1月20日 14:26
2021年5月 仕事に適応できない日々が続きながらも、休みの日は彼に会い、支えられながらなんとか続けていた。彼も春から晴れて社会人となり、会える頻度は減ってもお互いに仕事終わりに時間を作ったり、関係は良好だった。この頃私は、都内の店舗にヘルプで借り出されることが増えた。接客数が多く忙しい店舗のため、勉強にもなるだろうということだった。ただ、これは失敗だった。主な仕事が一緒でも、少しずつ違う接客手
2023年1月20日 14:23
2020年 9月2日 お昼を一緒に食べようと、初めて会ったのと同じ場所で待ち合わせ。まだ会うのは4回目、初めて会ってから1ヶ月も経っていないのにもうすっかり馴染んでいた。 ごはんを食べ終え、海辺まで散歩しようということになった。自然と手を繋ぎ、「今日は泣かなかったね」なんて言われて昨日のことが申し訳なくなる。信号を待つ間、突然の告白だった。 「結さんのこと、好きなんですけど、付き合ってくれ
2023年1月20日 14:20
2020年 8月 Yさん、22歳、大学生。私が早生まれだから、学年は彼の方がひとつ下。でもほとんど同い年。写真の雰囲気はちょっと中性的で柔らかく優しそう。保育士になる予定、というプロフィールも納得だった。メッセージを続けて数週間、初めてアプリを通して電話をした。 緊張したのは一瞬。「はじめまして、結さん」安心する声で、「はじめまして、Yさん…と呼べばいいのかな、お名前、なんて言うんですか
2023年1月20日 14:17
恋人はいたことがなかった、22歳。 中学生の頃、一度だけ両思いになったことがあった。私から好きになって、手紙で告白をして、手紙で返事を貰って。でも、それだけだった。「ありがとう、おれも多分好きだと思う。友達のままでいいならそれでもいいし、付き合いたいとかそういうのだったら、おれもいいよ。」そんな曖昧だけど真剣に考えてくれたであろう返事を、読んだ瞬間は嬉しかった。確かに嬉しかったはずなのに、