マガジンのカバー画像

初恋相手は結婚相手かもしれない

11
一途になったり振り回されたり、振られたり、裏切られたり。でも結局好きで離れられない、運命共同体の英語とこれまでの私の人生のお話
運営しているクリエイター

記事一覧

初恋相手は結婚相手かもしれない11

初恋相手は結婚相手かもしれない11

留学先に着いてからの一週間はあっという間で、その後の1ヶ月もあっという間に過ぎていった。夢を叶える事は大変だったけれど、叶ってしまうとあっけないのだと同時に感じていた。夢が叶ってしまったわたしは目標を見失いつつあった。

通っていたESLにはサウジアラビアからの留学生が7割を占め、その他はタームによって日本人、韓国人、中国人、ベネズエラ人、タイ人、マリ人などが入れ替わりで勉強をしていた。
最初の3

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない10

初恋相手は結婚相手かもしれない10

初めて留学を意識した14歳から7年後の2014年3月、私は日本を飛び出し、10ヶ月の留学が始まった。

留学先はアメリカ合衆国テネシー州にあるThe University of Tennessee at Martin(通称UTM)、テネシー大学の地方校であった。大学のあるMartinという町は、いわゆるcollage townで週末になると遠方出身で寮生活を送っている一部の学生を除きみんな実家に帰

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない9

初恋相手は結婚相手かもしれない9

英語力の次に大変だったのは費用の準備。
交換留学なので自己負担は語学学校の費用、教科書代と寮費を含めた生活費のみ。ものすごく高い学部の授業料が免除されているので費用はかなり抑えられたと思う。
それでも航空券や保険料、VISAの申請料金や細々した費用を考えると150万円は必要だったので、一旦足りない50万円は奨学金を借りて帰国後半年間で返済しようと考えていた。
プランはできたので、1年の夏休みからア

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない8

初恋相手は結婚相手かもしれない8

留学をする上で一番の問題はお金ではなく、TOEFLのスコアだった。

協定校の留学には一定のスコアを必ず満たす必要があり、満たさなければ留学の選考には入れてすらもらえなかった。
私の目指していた大学は校内で使われていたスコア換算で470点を超える必要があり、留学の申し込み期限までに5回受けるチャンスがあった。

英語を話す事、聞く事に関しては一般的な日本人より苦手意識がなく、むしろ日本語で話す時よ

もっとみる

初恋相手は結婚相手かもしれない 1



「英語」

それはまるで初恋の様に私を燃え上がらせた。

知ろうとすればするほどわからなくなり、近づいたと思えば遠ざかる。

必死になって掴んだバイリンガルのスキル。

これからの事を考える為に、自分の為に振り返る。

英語をちゃんと勉強し始めてそろそろ14年になる。

初めてアメリカに行ったのは16歳。

1週間のホームステイで私の人生の目標ができた。

「ネイティヴのように英語を話せるよう

もっとみる

初恋相手は結婚相手かもしれない 2



私を英語の世界に連れ出したのは中学1年の時の英語の先生。
授業中に洋楽を聞かせてくれるような、ちょっと変わった先生だった。

その先生の持ってくるCD、カッコいい音楽がどっぷり英語好きになるきっかけであった。
ちなみに初めてハマったのはback street boys
the oneを歌えるようになりたいと思い、歌詞カードを穴が開くくらい読んで、口ずさんで、初めて歌えるようになったのもこの曲だ

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない 3

初恋相手は結婚相手かもしれない 3

英語と恋に落ちた私は、市内で英語教育に力を入れているという公立高校に入学した。

ものすごくワクワクしたのを覚えている。私がバカにされてきた原因の英語が好きな人が集まってると思うと、どんなに楽しい高校生活だろうと。

しかしそれは木っ端微塵に消え去った。
実はこの高校、普通科と人文科があり英語に力を入れている人文科は普通科よりも低い偏差値で入学できる…
つまり、人文科は英語好きの集まりではなく成績

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない 4

初恋相手は結婚相手かもしれない 4

夏休み前のある日、校内の掲示板に姉妹都市への10日間の研修事業の案内が貼られた。毎年あるらしく、名ばかりではあるが人文科の生徒が優先的に参加できると聞いていた。

そうはいっても、県の事業であるため選考がきちんとあり申し込んだ生徒が全員参加できる訳ではないとの記述があった。

アメリカに行ける!

英語に囲まれる体験ができる!

私はすぐに書類をもらい両親の説得にかかった。

手強い相手だった。

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない5

初恋相手は結婚相手かもしれない5

正直なところ、ホームステイの記憶は断片的で、アメリカに入国した時の記憶は全くない。どこ乗り換えだったのか、着いたのはおそらくボストンだった事、ホテルに真夜中に着いて疲れ果てて寝た事は覚えている。

その研修には県内各地から15名の男女が参加し、進学校の人も工業・商業高校の人もいて、私にとっては様々なバックグラウンドをもつ同年代の人と一緒に旅をする初めての経験だった。

ホームステイ自体は確か3泊4

もっとみる
初恋相手は結婚相手かもしれない6

初恋相手は結婚相手かもしれない6

初めての海外体験が終わり、私はより一層大学で留学する事を念頭に勉強をした。家庭の事情から、小学生の頃から母親に「大学に行きたいなら○○高校に行って○○大学よ。」と刷り込まれていたので、高校に進学した時から私の進路は一つに決まっていた。

しかし、高校側も進学の実績をあげたいから、合格の可能性のある生徒には県外の国立大学や有名私立大学を勧めてくる。私も例外なくターゲットにされ、進路にはかなり悩んだ。

もっとみる

初恋相手は結婚相手かもしれない 7

私の通っ私の通っていた大学では英語圏ならばアメリカ、カナダ、ニュージーランドに協定校があり、学部の正規生として授業を受ければ授業料は全額免除の上、日本で単位の交換ができるいわゆる交換留学のパターンと、大学付属の語学学校に自費で通うパターンの二つがあった。私は卒論に関わる授業を学部で受ける事を考えていたのと、費用の面で前者を取る事を決めていた。

「あなたは留学する為にどんな努力をしてきましたか。何

もっとみる