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仕事などにおける「思考志向を奪う」デザイン

 『リスク回避』。昨日upした記事では、【安全志向が極端なものになれば(中長期的な目線では)副作用も生じかねないのでは?】という提起をしました。
 本稿はその延長/連想事例をさらに続けます📖

 

 『問題解決力』が大切であることは言うまでもありませんね。でも、込み入った障害を乗り越えていくような『突破力』の類を身に着けるのは至難の業です。なのでここではもっと前次元的な、《ちょっとした”やっかいな”仕事を要領よくこなす》程度の懸案だと捉えましょう。
 中でも、PCを使った事務仕事の例だと(当方を含めた)比較的多くの人にとって馴染みのある領域であるように思えるので、今回もそうさせてください。

 【DXの推進】や、より馴染みあるワードを用いれば【IT化】は、デスクワーク及びその周辺の仕事において切っても切れない最重要課題となっていることはご既承のところかと思います。
 また、そのような業界(というかむしろ職種)に携わる人にとって、つまり老若男女問わず、「時代についていかなければならない」「ロボットに仕事を奪われてしまう?」というお馴染みのフレーズが交わされるようになって久しいわけです。

 そこで多くの組織や職場において、必死に、つまり危機感を抱きつつ〔追求〕しているものは何か・・・ それは、【ソフトやデバイス等の機器を導入する】というカタチであったり、【それを扱う人材の育成】であったりする。その無我夢中さは否めません😵‍💫
 ことさら前者については、my note でも何度も採り上げている(一部例は稿末にリンクあり)ので、いくつかの記事が皆さんのご記憶にも残っているでしょう。が、本稿での提起内容:後者の方 の”迷走”具合が何かと気掛かりなのです。

 

 自らが事務仕事をされている方にとってはだいぶ周知されてきているIT用語。例えばRPA(Robotic Process Automation)ソフト等が「流行って」きています。つまりは”自動化”関連のことです💻
 それを扱える/プロシージャを組み上げられる 人材というものは、確かに、扱えない人よりは「仕事の腕が立ち」ます。
※RPA:プログラミング的知識がかなり薄くても似たような結果をもたらす編成ができる、という特性がある

 ただしそれは、「目新しいPCソフトの使い方を身に着ける」「道具を手にする」だけであって、「解析や思考をして、そもそもの業務適正化動線をデザインする」という本質は伴わずその要件が”置いてけぼり”にされがちです。いやむしろ、多くの場合に対極的な命題/向上を目指してしまいます。

◆本当にそのような志向/指向が、サステナブルな生産性upをもたらすのでしょうか

◆中長期的にみて、人材(財)の土台固めとして有意義な組織”装備”だと言えるのでしょうか

 

 便利な道具がもたらす副作用 --- それは《思考する機会の奪取》。『ヒトが、ITシステムやロボットによって仕事を奪われてしまう』のではなくて、憂える危機とはそこです。「購入・導入効果の妄信」や「使い手の重用ちょうよう」は一時的な安心感・満足感でしかないでしょう。
 小手先の〔カタチばかりの自動化追求〕によって肝心なことが見失われ、「道具を扱う」ことに長けているだけで何らcreativeではない「考えない」仕事ぶり(であることに気付かれない)労働者の育成に懸命になったり重宝したりするようなスタンスというのは、はたして、将来・・・

 【「あらぬ方向へ盲進」することこそがDX化の遅れなのだ】ということへの認知力の弱さこそが、真のDX化から遠ざかっている典型例なのだ、という論点への〔気付き〕がもしあれば、今ならまだ遅くはないように思います。

 

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