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ちえのかたまり

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2021年4月の記事一覧

デンマーク紙の明るい訂正欄が羨ましい

デンマーク紙の明るい訂正欄が羨ましい

新聞記者の仕事をしていた時に、私が一番恐れていたこと。

それは、悲惨な災害現場に取材に行くことでも、何ヶ月間も追っていたネタをライバル社に一面で”抜かれる”(先に書かれること)ことでもなく。

「訂正を出すこと」だった。

訂正というのは、新聞の片隅に載っている

といった小さな記事である。

さらっと書いてあるので、読者の方にはそうは見えないかもしれないが、この記事が出るまでのプロセスというの

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ホームレスとデートの記事の残酷さ~貧困消費と感動ポルノ~

ホームレスとデートの記事の残酷さ~貧困消費と感動ポルノ~

先日こんな記事を目にした。

西成区、新今宮という土地でホームレスの方とデートするという内容。

読んだ感想は、残酷だな、これに尽きる。

「西成」と聞けば関西の人でなくても、多くの人はどのような土地であるかは想像できるだろう。少なくとも関西でその名を知らない人はいない。

その土地の特性の説明についてはほかに譲る。知らない人は調べることをお勧めする。(その前提があるかないかで、また印象がさらに変

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ひとりでいることが推奨される時代――「マイナーノートで #01〔不要不急〕」上野千鶴子

ひとりでいることが推奨される時代――「マイナーノートで #01〔不要不急〕」上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。

不要不急 コロナ禍の1年が過ぎた。春夏秋冬4つの季節を経て、また春になった。
 この1年が長かったのか、短かったのか……。「あっというまに過ぎた」というひともいる。だが、わたしにとっては、短かったとは思えない。コロナ

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声を上げることの大切さ

まず、お伝えしたいのが今回の僕のnoteが心理的に負担になってしまった当事者やご家族の方には大変申し訳なく思っています。
すみませんでした。
上記のことから、今後は文字にしていくときは気をつけないといけないなと感じています。
また、どうして心理的に負担に感じてしまうのかは後半部分に書きたいと思います。

そして、私が日頃から感謝していない人。
というコメントやリプがたくさんついていますが、そんなこ

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書籍『さよなら、俺たち』

書籍『さよなら、俺たち』

清田隆之 2020 スタンド・ブックス

こういう論を男性が語るようになってくれたのかと、新鮮な驚きと喜びがわいてきた。
男性自身が、どのようにホモソーシャルな社会を体験して、内面化しているのか、そこを自ら振り返りながら言葉にしたものに触れる機会は、私はまだ少ない。
男性がどのように男性性を体験しているのか、男性に語ってもらわないことには、私は一応、女であるのでよくわからない。
そういう男性が書い

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