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小説・イラスト

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湖霧どどめが書いた小説とイラスト(たまに犬飼しじま名義もあるかも)。 湖霧どどめ作品については、最後あたりはnoteで購入かアルファポリスものなら飛べば読めます。 アルファポリス…
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記事一覧

【小説】閃光を作った手、閃光で潰れた目

【小説】閃光を作った手、閃光で潰れた目

 あなたは私の光、って胸を張って言える。それだけあなたは輝いていた。
 別に私を照らしてほしいなんて思わなかったけれど、その光を見つめていたいとは思った。あわよくば、その光で目を灼いてほしいとも。
「ん、いい感じ。明らかに前見た時よりレベル上がってる」
「……一応、依頼されて作ったわけだから」
 美しい顔はそのまま、ただ作品を見ていた。私のことなんて、一切見ていない。それでいい、いいんだ。私は横顔

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【エッセイ4コマ】深夜に過去作読み返して思い知った「ヘキ」の歪み。

【エッセイ4コマ】深夜に過去作読み返して思い知った「ヘキ」の歪み。

↑ゴリゴリ性描写、胸糞表現あり。

↑屈折した彼氏から好きな女を奪うために頑張るイケメンの話。性描写あり。

↑性悪男なご主人様と薄幸女使用人の恋愛話。

↑隣国の俺様偉い人と自分の使用人に性的に狙われるエクソシストっ娘の恋愛話。

↑妻子持ちエクソシスト男と墓守美女の恋愛話。

全部完結済ですので、もしよろしければ暇つぶしにぜひ。
アレな感じの男が好きな人には刺さるはず。刺さって!!

匿名コメ

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星の光で傷を灼く。【短編小説】

星の光で傷を灼く。【短編小説】

 1.

 ここを選んだのに、とくに理由なんて無かった。強いていうなら、ただ有名だったというだけ。

「本当だ、きつねいっぱいいる!」

 地元の特性ゆえか関西弁なら空気のように馴染んで聞こえてくるのに、観光客らしき人間の放つ標準語は妙に目立っていた。当の私も、出は関東なんだけど。実家に帰れなくなって、もう6年。それなのに、この想いはくすぶったままだ。
 平日だというのに、この伏見稲荷大社はなかな

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イラストまとめ②(ssメーカー含む)

イラストまとめ②(ssメーカー含む)

匿名コメントでも、「こんなお題で書いてよ」的なリクエストでも、人生相談でも、なんでも募集中。
基本的にはつぶやきで返信します。よろぴこちゃん!

セルフコミカライズ1

セルフコミカライズ1

「どうか僕のいないところで幸せになりませんように。」
というタイトルの誰もかも不幸になるタイプのオリジナル小説を出したんですけど、深夜テンションでどうしても描きたくなって。
実はこの作品ゴリゴリの叙述トリックもので、このシーンなんかバチクソネタバレなんですよね。

それでもあえて言いますね。

次の文フリ(受かれば香川、落ちれば大阪)でも売るからぜひ買ってくれよな!!

水と怪物 第三部・後

水と怪物 第三部・後

 そうだ、まだ二日しか経っていないのだ。それなのにどこか冷静にはなっていて、少し不気味にすら感じる。これも、二日とはいえ時間が経ったからなのか。
 三宅さんは新しく届いた生春巻きに箸を伸ばした。それを、僕の小皿に乗せる。
「彼氏? は、どんな男なんよ。会ったことは?」
「無いです。写真は見た事あるんですけど、結構若そうな……多分僕の方が歳は近いんじゃないかなって」
 二つ目の生春巻きを僕の皿によそ

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水と怪物 第三部・前

水と怪物 第三部・前

第三部

 暗闇の中で、音が鳴り響いている。大きなその音は、どこか懐かしい気すらした。嫌な響きのはずなのに、鼓膜からそこへと引き込まれるようだった。引き込まれる、というより音に呑まれる、という方が正しいか、
「胎内記憶の一種やろね、それ」
 僕の感傷じみてすらいた吐露に、彼女は応えるかのように呟いた。その声はどこか掠れているけれど、比較的高めな……どこか、金属音のような印象だった。
「どういう事で

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水と怪物 第二部

水と怪物 第二部

第二部

 しんと静まり返っている、けれど清潔な部屋に通された。防音なのか、窓すら無い。
「いやあ、暑いですね。七月にもなると」
「ええ、ほんまに」
 椅子をすすめられ、腰かける。それを確認して、紳士はボイスレコーダーを起動させた。その辺りに関しては、事前に説明を受けていたのでさして気にもしない。
「この度はご足労頂きありがとうございます。ああ、お飲み物はどうしましょう。紅茶か、コーヒーか」
「じ

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水と怪物 第一部

水と怪物 第一部

第一部

 恋をはじめました。狂う程、本当の意味で狂ってしまう程の熱い恋を。そして何がすごいって、私の恋人は神様なのです。
「ほら、もっと崇めろよ鳩ども」
 そう、鳩の。でも彼は、何も無かった私からすれば神様同然だと思う。つまり鳩と私の神様。
 彼の本当の名前はまだ知らない。聞いてもいない。聞かれてもいない。けれど、私達が繋がりだしたきっかけの名前さえあればそんなの些末な問題に過ぎない。彼は常にポ

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告白(暗めBL短編小説)

告白(暗めBL短編小説)

 かつては何度も訪れた彼の家の縁側でしたが、今となっては僕と彼だけが知る抜け道を使ってしか入れてもらえなくなっていました。手紙も出せる状況では勿論ありませんでしたから、彼はいつも昼下がりに抜け出してくる僕を待ってくれていました。
『ああ、今日もいらしたのですか』
『……敬語やめろよな、いつも言ってるけどさあ』
 僕より10も歳上なのに、と付け足すとまた彼は困ったように笑いました。おかしな事です。僕

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反転アキラさん

反転アキラさん

この描き方楽しい。
ざかざか描けるからストレス発散にもってこいね。

近未来日本の異能力バトルファンタジー小説です。
会員も会員でなくても無料なのでぜひ。完結済みなのでノンストレスで読めます。
クーデレ女教官や獣人男性や下半身メカのロリも出るよ。

真珠の見る夢(暗め短編小説)

真珠の見る夢(暗め短編小説)

君と出会えた夏

「そうそう、もう出来上がってたんだ。二年かかったよ。いやー別に? 賄えた賄えた。本当あんたのおかげ。ありがとね。まあ巡り巡ってあんたの得になるか。ところで今日最強に暑いね、やんなっちゃうよ。ああ大丈夫、クーラーはある。電気も気合いでどうにかしたし。え、ああ。そっか、じゃあまた連絡する」

 電話を切った。今日の奴は報告内容のおかげか上機嫌だった。
 今日は、もはや脳味噌まで茹であ

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