佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://ho…

佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://honkytonkguitars.com 楽器(ギター、トランペット)好きです。 ここでは、特に好きなカントリーミュージックの楽器についてを中心に書きたいと思います。

記事一覧

楽器の練習と楽器道楽の狭間で

最近久しぶりにトランペットを練習している。 私は、年に三回ぐらい急に思い立って楽器の練習を始めたりするのだが、大抵は1月も続かない。それではいけないと思い、楽器の…

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楽器の見た目は重要!! King Dizzy Gillespieモデル

私は趣味でトランペットを吹いたりしているのだけれど、どちらかといえば吹いているというよりは、トランペットを収集していると言ったほうが近いかもしれない。 それでも…

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さよならDuane Eddy

Duane Eddyの訃報が飛び込んできた。 彼の音楽が好きな私としてはとても残念なニュースである。Duane Eddyのようにギターを鳴らすことができるギタリストは他にいなかった…

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ポール・オースターが亡くなってしまった

昨日妻と一緒に上野を散歩し、帰りに上野駅の駅ナカの書店に立ち寄りなんの気無しにポール・オースターの文庫本を購入した。なんとなくポール・オースターの小説が懐かしく…

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1965年製Gretschのネックリセット

昨日は月末だというのに一日暇で、仕方がないので私物の1965年製Gretsch 6117を店に持ってきてネックのリセット作業を行っていた。 そもそも、このGretschのネックは過去…

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楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

先日、ペダルスチールギターを仕入れたのだけれど、本体のみでハードケースが無かった。 ハードケースがなければ、販売することができないので、店オリジナルでペダルスチ…

佐々木陵史郎
2週間前
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写真家の豊原康久氏に教わったこと

先日、あるSNSを見ていたら、昨年に写真家の豊原康久氏が亡くなったとの情報が出ていた。本当なのかどうなのかはわからないけれど、本当だとしたら、とても残念なことだ。 …

佐々木陵史郎
2週間前
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このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

今日の東京は気温が26度にも上がって、少し暑いくらいであった。 つい先日まで暖房をつけていたぐらい寒かったのに、急にこんなに暖かくなるなんて、東京の気候もどうにか…

佐々木陵史郎
3週間前
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雨の午後に聴くアルバム

今日は昼頃から一時間ぐらい雨が降った。 これは誰もがそうなのかもしれないけれど、雨が降ると気分が少し暗くなる。陰鬱な芸術というものもある通り、それは必ずしも悪い…

佐々木陵史郎
4週間前
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「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

知り合いがFacebookでFender Japanの中古の値段が30万円ぐらいになっていて驚いたという旨の投稿をされていた。 確かに、近年80年代の初期のFender Japanの価格は高騰して…

佐々木陵史郎
1か月前
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また、あの貧しい春が巡ってきた。

世間では、今日が入学式のようで、近所の小学校の親御さんが真新しいランドセルを背負った子供を連れて店の前を歩いて行きます。 私のような楽器屋には特に目もくれずに歩…

佐々木陵史郎
1か月前
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かつては聴いていて疲れるぐらいの音楽が好きだった。Art BlakeyとGlenn Gould

今日は午前中、グレン・グールドのCDを聴いて、今はアートブレーキーの”UGETSU”を聴いている。 ”UGETSU”のタイトルは「雨月」あの雨月物語をモチーフにしているという…

佐々木陵史郎
1か月前
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年度始め早々、いきなり携帯に詐欺っぽい電話がかかってきた!!

今日は世間じゃ年度始めとのことで色々大変なのだろう。 私は自営業なので年度始めは1月1日ということもあり、特に何もない平凡な月初の1日を過ごしています。 平凡、と言…

佐々木陵史郎
1か月前
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桜の季節になると吉田拓郎を聴きたくなる。

今から二十数年前の3月の末ごろ、私は進学のために札幌から上京し国立の駅に降りた。スーツケース一つと、何故かヴァイオリンを背負って満開の桜の中を歩き新しく借りたア…

佐々木陵史郎
1か月前
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完成された「不完全さ」YAMAHA CP-70讃!

店にYamaha CP-70Mが入荷した。 CP-70、CP-80シリーズといえば一時代を築いたエレクトリック・グランドピアノだ。実際のグランドピアノのように水平にピアノ弦が張られてお…

佐々木陵史郎
1か月前
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Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

昨日お店にFreedom Custom Guitar Research製のギターの調整に持ってこられたお客様がいらっしゃった。数年前にオーダーして購入されたとのことであったが、オーナーの拘り…

佐々木陵史郎
1か月前
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楽器の練習と楽器道楽の狭間で

楽器の練習と楽器道楽の狭間で

最近久しぶりにトランペットを練習している。
私は、年に三回ぐらい急に思い立って楽器の練習を始めたりするのだが、大抵は1月も続かない。それではいけないと思い、楽器の手入れも兼ねて楽器を引っ張り出してきて練習するようにはしているのだが、それでもなかなか上達しない。

先日書いた通り、最近はKingのDizzy Gillespieモデルで練習しているのだが、楽器の方は十分気分が出る代物なのだが、自分の方

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楽器の見た目は重要!! King Dizzy Gillespieモデル

楽器の見た目は重要!! King Dizzy Gillespieモデル

私は趣味でトランペットを吹いたりしているのだけれど、どちらかといえば吹いているというよりは、トランペットを収集していると言ったほうが近いかもしれない。

それでも、楽器の中ではトランペットという楽器が一番好きで、次いでエレキギター、ローズピアノという順番である。と思う。
実のところ、付き合いの長いエレキギターのほうが好きなのかもしれないけれど、エレキギターは上手くないと目立てないのに対して、トラン

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さよならDuane Eddy

さよならDuane Eddy

Duane Eddyの訃報が飛び込んできた。
彼の音楽が好きな私としてはとても残念なニュースである。Duane Eddyのようにギターを鳴らすことができるギタリストは他にいなかった。

彼はシンプルなフレーズを弾くだけで、エレキギターというものがいかにかっこいいものかを証明したギタリストであった。Gretschを弾いていても、Guildを弾いていても、常に彼の音がアンプから飛び出してきていた。テク

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ポール・オースターが亡くなってしまった

ポール・オースターが亡くなってしまった

昨日妻と一緒に上野を散歩し、帰りに上野駅の駅ナカの書店に立ち寄りなんの気無しにポール・オースターの文庫本を購入した。なんとなくポール・オースターの小説が懐かしくもあり、久しぶりに読んでみたくなったのだ。

その本は今読み進めている最中なので、まだ感想を書けるような段階ではないのだが、今のところポール・オースターらしいストーリーテリングの妙味があり、楽しく読み進めている。

ポール・オースターという

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1965年製Gretschのネックリセット

1965年製Gretschのネックリセット

昨日は月末だというのに一日暇で、仕方がないので私物の1965年製Gretsch 6117を店に持ってきてネックのリセット作業を行っていた。

そもそも、このGretschのネックは過去三回ぐらい外したりつけたりしているのだが、リセットしたところで半年もするとすぐに起きてきてしまいギターとして使えなくなってしまう。

今まではタイトボンドを使ってリセットをしていたのだけれど、タイトボンドよりも強力と

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楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

先日、ペダルスチールギターを仕入れたのだけれど、本体のみでハードケースが無かった。
ハードケースがなければ、販売することができないので、店オリジナルでペダルスチールのハードケースを製作した。

ちょうど、同じ型式のモデルを個人的に所有しているので、そのハードケースを採寸して製作した。これが、案外早く完成した。

まず、手持ちのハードケースを採寸し、その大きさになるように外側の枠の展開図を書いた。そ

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写真家の豊原康久氏に教わったこと

写真家の豊原康久氏に教わったこと

先日、あるSNSを見ていたら、昨年に写真家の豊原康久氏が亡くなったとの情報が出ていた。本当なのかどうなのかはわからないけれど、本当だとしたら、とても残念なことだ。

豊原氏は写真集「Street」で木村伊兵衛賞を受賞した写真家である。一貫して道行く人々を撮影するストリート・スナップを撮っていて、その作品はどれも爽やかで、押し付けがましくなく、それでいて印象に残る写真群である。

私は、豊原氏の写真

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このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

今日の東京は気温が26度にも上がって、少し暑いくらいであった。
つい先日まで暖房をつけていたぐらい寒かったのに、急にこんなに暖かくなるなんて、東京の気候もどうにかしてしまったのかもしれない。

そんなことを考えながら、例によって誰も来店客がいないので、独り店で音楽を聴いていた。
村治佳織さんのベスト盤を聴いていたのだけれど、それが終わってしまったので、その次にMerle Travisが1959年に

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雨の午後に聴くアルバム

雨の午後に聴くアルバム

今日は昼頃から一時間ぐらい雨が降った。
これは誰もがそうなのかもしれないけれど、雨が降ると気分が少し暗くなる。陰鬱な芸術というものもある通り、それは必ずしも悪いことではないけれど、気分が暗くなるというのはあまり良いことでもない。

雨が降ると店に人が来ない。
そもそもが滅多にお客様は来ない店であるのに、雨が降るとみんな外出しなくなるので、わざわざ楽器屋を訪ねてくる人は減るし、こういうふうに暗い気持

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「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

知り合いがFacebookでFender Japanの中古の値段が30万円ぐらいになっていて驚いたという旨の投稿をされていた。
確かに、近年80年代の初期のFender Japanの価格は高騰している。曰く「フジゲン製」だとか、「JVシリアル」だとかのことで30万円を超える商品も出てきている。今、国産のエレキギターの新品が25万円〜ということを考えると、中古のギターとしてはとても高い価格であると思

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また、あの貧しい春が巡ってきた。

また、あの貧しい春が巡ってきた。

世間では、今日が入学式のようで、近所の小学校の親御さんが真新しいランドセルを背負った子供を連れて店の前を歩いて行きます。

私のような楽器屋には特に目もくれずに歩いていきます。私の店のある地域は少子化が進んでいるためか、心なしか入学式の方らしき人の数はそれほど多くはありません。それでも、これから何か新しい生活が始まるわけで、春というのはなんだか不安とウキウキが混ざったような気持ちがします。

昨日

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かつては聴いていて疲れるぐらいの音楽が好きだった。Art BlakeyとGlenn Gould

かつては聴いていて疲れるぐらいの音楽が好きだった。Art BlakeyとGlenn Gould

今日は午前中、グレン・グールドのCDを聴いて、今はアートブレーキーの”UGETSU”を聴いている。
”UGETSU”のタイトルは「雨月」あの雨月物語をモチーフにしているということなのだけれど、特に和風というわけでもなく、ストレートアヘッドなハードバップに仕上がっている。

私は、実はウェイン・ショーターのサックスはそれほど好きなわけではないのだけれど(巨匠に向かってすみません)この彼が音楽監督をし

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年度始め早々、いきなり携帯に詐欺っぽい電話がかかってきた!!

年度始め早々、いきなり携帯に詐欺っぽい電話がかかってきた!!

今日は世間じゃ年度始めとのことで色々大変なのだろう。
私は自営業なので年度始めは1月1日ということもあり、特に何もない平凡な月初の1日を過ごしています。

平凡、と言っても今朝は普段あまりないことがありました。詐欺の電話のようなものがかかってきたのです。

AM9:04頃、携帯電話に電話がかかってきまして、岡山県警ですというのです。ああそうですか、岡山県警がなんの用事ですか?と聞くと、この携帯は佐

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桜の季節になると吉田拓郎を聴きたくなる。

桜の季節になると吉田拓郎を聴きたくなる。

今から二十数年前の3月の末ごろ、私は進学のために札幌から上京し国立の駅に降りた。スーツケース一つと、何故かヴァイオリンを背負って満開の桜の中を歩き新しく借りたアパートに向かった。

それまでに何度か国立の街にはきたことはあったけれど、桜の咲く国立を歩いたのはそれが初めてだった。

前年に東京の大学に進学し高幡不動に住んでいた友人が引っ越しの手伝いをしてくれるというので、車を出してくれてちゃぶ台やパ

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完成された「不完全さ」YAMAHA CP-70讃!

完成された「不完全さ」YAMAHA CP-70讃!

店にYamaha CP-70Mが入荷した。
CP-70、CP-80シリーズといえば一時代を築いたエレクトリック・グランドピアノだ。実際のグランドピアノのように水平にピアノ弦が張られており、ダブルエスケープメント・アクション(グランドピアノのアクション)の「ポータブル」エレピだ。

さらに、CP-70MはMIDIアウト端子がついており、MIDIコントローラーとしても使えるというもの。実際に現在でもス

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Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

昨日お店にFreedom Custom Guitar Research製のギターの調整に持ってこられたお客様がいらっしゃった。数年前にオーダーして購入されたとのことであったが、オーナーの拘りが詰まった素敵なギターだった。

TLタイプだったのだが、オーナーはカントリーミュージックが好きとのことで、カントリーミュージックの話題で盛り上がった。うちのお店はカントリーミュージック関連の楽器を中心に取り扱

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