佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://ho…

佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 店主。 https://honkytonkguitars.com 楽器(ギター、トランペット)好きです。 ここでは、特に好きなカントリーミュージックの楽器についてを中心に書きたいと思います。

最近の記事

1965年製Gretschのネックリセット

昨日は月末だというのに一日暇で、仕方がないので私物の1965年製Gretsch 6117を店に持ってきてネックのリセット作業を行っていた。 そもそも、このGretschのネックは過去三回ぐらい外したりつけたりしているのだが、リセットしたところで半年もするとすぐに起きてきてしまいギターとして使えなくなってしまう。 今まではタイトボンドを使ってリセットをしていたのだけれど、タイトボンドよりも強力と謳っているゴリラボンドというのを手に入れたので、真偽の程は知らないが、ボンドの実

    • 楽器(ペダルスチールギター)のハードケースを製作した

      先日、ペダルスチールギターを仕入れたのだけれど、本体のみでハードケースが無かった。 ハードケースがなければ、販売することができないので、店オリジナルでペダルスチールのハードケースを製作した。 ちょうど、同じ型式のモデルを個人的に所有しているので、そのハードケースを採寸して製作した。これが、案外早く完成した。 まず、手持ちのハードケースを採寸し、その大きさになるように外側の枠の展開図を書いた。それをもとに、ホームセンターで売られているベニヤ板から切り出すためのラフな図面を書

      • 写真家の豊原康久氏に教わったこと

        先日、あるSNSを見ていたら、昨年に写真家の豊原康久氏が亡くなったとの情報が出ていた。本当なのかどうなのかはわからないけれど、本当だとしたら、とても残念なことだ。 豊原氏は写真集「Street」で木村伊兵衛賞を受賞した写真家である。一貫して道行く人々を撮影するストリート・スナップを撮っていて、その作品はどれも爽やかで、押し付けがましくなく、それでいて印象に残る写真群である。 私は、豊原氏の写真が好きで、出版されている写真集はどちらも持っている。何度か写真展を見に行ったこと

        • このアルバムで、Merle Travisが弾いているのはD-28だろうか。

          今日の東京は気温が26度にも上がって、少し暑いくらいであった。 つい先日まで暖房をつけていたぐらい寒かったのに、急にこんなに暖かくなるなんて、東京の気候もどうにかしてしまったのかもしれない。 そんなことを考えながら、例によって誰も来店客がいないので、独り店で音楽を聴いていた。 村治佳織さんのベスト盤を聴いていたのだけれど、それが終わってしまったので、その次にMerle Travisが1959年にボストンで行ったライブ盤を聴いていた。 このライブ盤でMerle Travis

        1965年製Gretschのネックリセット

          雨の午後に聴くアルバム

          今日は昼頃から一時間ぐらい雨が降った。 これは誰もがそうなのかもしれないけれど、雨が降ると気分が少し暗くなる。陰鬱な芸術というものもある通り、それは必ずしも悪いことではないけれど、気分が暗くなるというのはあまり良いことでもない。 雨が降ると店に人が来ない。 そもそもが滅多にお客様は来ない店であるのに、雨が降るとみんな外出しなくなるので、わざわざ楽器屋を訪ねてくる人は減るし、こういうふうに暗い気持ちになったら、生活必需品でもない大きな買い物はしない方が多いので、インターネット

          雨の午後に聴くアルバム

          「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

          知り合いがFacebookでFender Japanの中古の値段が30万円ぐらいになっていて驚いたという旨の投稿をされていた。 確かに、近年80年代の初期のFender Japanの価格は高騰している。曰く「フジゲン製」だとか、「JVシリアル」だとかのことで30万円を超える商品も出てきている。今、国産のエレキギターの新品が25万円〜ということを考えると、中古のギターとしてはとても高い価格であると思う。 昨今の為替の影響でギター、特に輸入物のギターの値段は上がっている。また、

          「ジャパン・ヴィンテージ」っていったい...?

          また、あの貧しい春が巡ってきた。

          世間では、今日が入学式のようで、近所の小学校の親御さんが真新しいランドセルを背負った子供を連れて店の前を歩いて行きます。 私のような楽器屋には特に目もくれずに歩いていきます。私の店のある地域は少子化が進んでいるためか、心なしか入学式の方らしき人の数はそれほど多くはありません。それでも、これから何か新しい生活が始まるわけで、春というのはなんだか不安とウキウキが混ざったような気持ちがします。 昨日は、店が始まる前に家族で近所の桜を見てきました。今年は開花が遅かったけれど、やは

          また、あの貧しい春が巡ってきた。

          かつては聴いていて疲れるぐらいの音楽が好きだった。Art BlakeyとGlenn Gould

          今日は午前中、グレン・グールドのCDを聴いて、今はアートブレーキーの”UGETSU”を聴いている。 ”UGETSU”のタイトルは「雨月」あの雨月物語をモチーフにしているということなのだけれど、特に和風というわけでもなく、ストレートアヘッドなハードバップに仕上がっている。 私は、実はウェイン・ショーターのサックスはそれほど好きなわけではないのだけれど(巨匠に向かってすみません)この彼が音楽監督をしていた頃のアートブレーキーのアルバムは好きなので、おそらく彼の音楽そのものは嫌い

          かつては聴いていて疲れるぐらいの音楽が好きだった。Art BlakeyとGlenn Gould

          年度始め早々、いきなり携帯に詐欺っぽい電話がかかってきた!!

          今日は世間じゃ年度始めとのことで色々大変なのだろう。 私は自営業なので年度始めは1月1日ということもあり、特に何もない平凡な月初の1日を過ごしています。 平凡、と言っても今朝は普段あまりないことがありました。詐欺の電話のようなものがかかってきたのです。 AM9:04頃、携帯電話に電話がかかってきまして、岡山県警ですというのです。ああそうですか、岡山県警がなんの用事ですか?と聞くと、この携帯は佐々木何某さんの電話で宜しいでしょうかと私のフルネームを聞くので、いかにもそうです

          年度始め早々、いきなり携帯に詐欺っぽい電話がかかってきた!!

          桜の季節になると吉田拓郎を聴きたくなる。

          今から二十数年前の3月の末ごろ、私は進学のために札幌から上京し国立の駅に降りた。スーツケース一つと、何故かヴァイオリンを背負って満開の桜の中を歩き新しく借りたアパートに向かった。 それまでに何度か国立の街にはきたことはあったけれど、桜の咲く国立を歩いたのはそれが初めてだった。 前年に東京の大学に進学し高幡不動に住んでいた友人が引っ越しの手伝いをしてくれるというので、車を出してくれてちゃぶ台やパソコンデスク等の家財道具を立川および八王子で購入し、初めてサイゼリヤに入り昼食を

          桜の季節になると吉田拓郎を聴きたくなる。

          完成された「不完全さ」YAMAHA CP-70讃!

          店にYamaha CP-70Mが入荷した。 CP-70、CP-80シリーズといえば一時代を築いたエレクトリック・グランドピアノだ。実際のグランドピアノのように水平にピアノ弦が張られており、ダブルエスケープメント・アクション(グランドピアノのアクション)の「ポータブル」エレピだ。 さらに、CP-70MはMIDIアウト端子がついており、MIDIコントローラーとしても使えるというもの。実際に現在でもステージでこのCPを使用しMIDIでシンセを鳴らしているアーティストもいる。 か

          完成された「不完全さ」YAMAHA CP-70讃!

          Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

          昨日お店にFreedom Custom Guitar Research製のギターの調整に持ってこられたお客様がいらっしゃった。数年前にオーダーして購入されたとのことであったが、オーナーの拘りが詰まった素敵なギターだった。 TLタイプだったのだが、オーナーはカントリーミュージックが好きとのことで、カントリーミュージックの話題で盛り上がった。うちのお店はカントリーミュージック関連の楽器を中心に取り扱っているので、そういうお客様が来てくれるのはとても嬉しい。もっとも、カントリーの

          Vince Gillが弾いているEMGの載っているストラトって、どんな感じなんだろう?

          フリードリッヒ・グルダの「お勉強臭くない」モーツァルト

          今朝はフリードリッヒ・グルダ、アバド、ウィーンフィルの演奏するモーツァルトのピアノコンチェルトのCDを聴いている。 このところ、時々クラシック音楽のCDを聴いたりしているのだけれど、今朝はその中でも、予備校時代からのお気に入りであった録音を聴いている。このCDを買ったのはごく最近なのだけれど、この録音自体は予備校時代から持っていて時々聴いていた。 その予備校時代から愛聴していたCDを父親に誕生日プレゼントで贈ってから、しばらく手元にモーツァルトのピアノコンチェルト20番の

          フリードリッヒ・グルダの「お勉強臭くない」モーツァルト

          こむづかしい事よりも、もっと面白く楽器について語らねば。

          最近書店に行ったところ、先日小澤征爾さんが亡くなったことを受けて、「追悼・小澤征爾」ということで小澤征爾と村上春樹の対談集「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という文庫本が売られていた。 私は小澤征爾さんの本は数冊読んだことはあるけれど(武満徹さんとの共著とか)、音楽そのものはそれほどじっくり聴いたことがなかったので、これも勉強だろうと思い購入した。本当は音楽を聴いた方が良いのだろうけれど、どれから聴けば良いかもわからないし、第一小澤征爾さんのCDやらレコードは数枚しか

          こむづかしい事よりも、もっと面白く楽器について語らねば。

          楽器ってどんな時にも頼れる存在じゃななければいかんよな、やっぱり。

          学生時代に購入したレコードで、今でも愛聴しているアルバムは何枚かあるけれど、Frank Sinatraの”L.A. is my Lady"もその一枚だ。 このアルバムはクインシー・ジョーンズがプロデューサーをつとめ、フィル・ラモーンがレコーディングエンジニアをやっている。クインシーが指揮をとるビッグバンドをバックにフランクシナトラが歌いまくるという内容も豪華なのだが、もっと凄いのはそのビッグバンドのメンバー、レイ・ブラウン、ボブ・ジェームズ、スティーブ・ガッド等のリズム隊、

          楽器ってどんな時にも頼れる存在じゃななければいかんよな、やっぱり。

          フュージョンブームを支えたBob Jamesのピアノサウンド。

          数日前にBob Jamesの近年のスタジオライブをYouTubeで観て、代表曲の多くをピアノトリオで演奏しているのを聴いた。 Bob Jamesの機材はヤマハのフルコンと、Rhodes Suitcase MK1。それと、小さなシンセのようなものをRhodesの上に置いて弾いていた。80年代〜90年代のBob Jamesのレコードを何枚か持っているけれど、彼のそのころの作品はアレンジも凝っていて、管楽器やエレキギターも入っている。だからというわけでもないのだが、なんとなく懐か

          フュージョンブームを支えたBob Jamesのピアノサウンド。