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わたしの好きな、おはな詩*おはな誌

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素敵なnoterさんたちが紡ぐ、大好きな「おはな詩」&「おはな誌」を集めさせていただきました。暗記するくらい‥好き♡笑
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#うた

Aqua

Aqua

記憶は
霧に紛れ乍らも
雨に還る

心を浸し
沁み入る

そんな

みずいろの
記憶

なにか
無くした日

或る猫のおはなし

或る猫のおはなし





棄てました

その気になれば




潰すことは容易いけど

そんなことで
自分の
綺麗な毛を
汚すことはありません

だって



他人の血を吸い

寄生を重ねても

所詮は

野垂れ死に
しかないのです

憐れなものです

そして



それを忘れて
気高く
在るのです

Blue topaz

Blue topaz

ずっと
なにかを探し続けて

それは

見つからぬことで
焦燥感を覚え

手にしたことで
失望し

手離すことで
諦念する

寸分違わぬとて
所詮
贋物

本物は
未だ
目にせぬもの也

今日も
其れを夢みる

雪

雪の白さに
嘘はない

雪の冷たさに
嘘はない

ただ
降る粉としての
命が
短すぎて

留めておくことが
できない

だから
懐いてゆくことは
できない

残依

残依

小指の爪を切るのは
容易いことなのに
深爪のあとは
ぐずるように
いつまでも痛む

切離してしまった
花は
いつか
また芽吹くだろうが

そうしてしまった行為こそが
自らの枷となり
大事なものを
枯らしてしまう

すき

すき

すき

って
嬉しいよね

言われたら
いろんなことを棚上げにして
そのひとのことを想うだろうから

すき

って
大事だよね

言われたら
自分よりも
そのひとのことが大事に思えてくるから

すき

って
凄いよね

絡まったものを解き
千切れかけたものを繋ぎ
もっと強くなるから

すき

って
言われなくなったら
悲しいよね

大切にしていた宝箱が
空っぽになってしまうのだから

そのときぼく

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Falke -隼-

Falke -隼-

雨を切って風に乗れ

誰よりも高く舞い上がり

雲を越え

薄い空気の支配する世界へ辿り着け

其処こそが約束の場所

お前に追いつくものなど居ない

空は美しい

其の上には星しかない

羽が燃え尽きるまで飛び続ければ
星をも其の手にできるやも

其の日のために羽を繕え
何時でも飛べるように

太陽に身を任すのではなく
月に啼き縋るでもなく

ましてや
塞がりかけた闇に侵されることなどないように

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