マガジンのカバー画像

メンタルヘルス全般

17
対人関係、毒親問題、フェミニズム、共依存、箱庭療法、食い尽くし系、その他諸々について書いています。
運営しているクリエイター

#発達障害

「食い尽くし系」は無意識のマウント!?

「食い尽くし系」は無意識のマウント!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3分で読めます。

先月、講談社さまから「食い尽くし系」について書いてほしいとご依頼をいただき「現代ビジネス」に執筆させていただきました。

「食い尽くし系」とは、家族などとの会食の場で、他人の分まで無遠慮にたくさん食べてしまう人たちのことを指します。

私の過去記事(食い尽くし系が気になりすぎて〜精神科医が考察してみた)や現代ビジネスに、詳しく書かせていた

もっとみる
相手の言動を被害的に捉えてしまう〜認知のゆがみとその改善策

相手の言動を被害的に捉えてしまう〜認知のゆがみとその改善策

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※4分で読めます。

今回は主に対人場面において、相手の言動を被害的に捉えてしまう方の認知の特徴とその改善策をお伝えしていきたいと思います。

相手の言動を被害的に捉えてしまう方は、表情や身振り、言葉などを通して得た情報をゆがめて捉えてしまう、いわゆる「認知のゆがみ」が原因と考えられています(社会的認知障害とも言います)。

認知のゆがみに関して、具体的には結

もっとみる
つらい過去を乗り越える〜自分自身を認めてあげるということ

つらい過去を乗り越える〜自分自身を認めてあげるということ

※この記事は3分で読めます。最後までお読みいただけたら嬉しいです。
※ご自身のつらい体験を想起してしまう可能性のある表現を含みます。今現在治療中の方、症状がすぐれない方は読むのをお控えください。

「自分に自信が持てない」

先日とある20代の男性患者さん(Aさん)がそう言って来院されました。

聞けば、幼少期より父親から繰り返し暴言・暴力を受け続け、10歳頃に兄妹含め、みな保護のため別々の家に預

もっとみる
毒親からは離れるしかない

毒親からは離れるしかない

最初に前回記事の補足です(フォロワー様からご指摘いただきました)。

前回は毒親に関して価値観の違い、主に世代間ギャップによる観点から「毒親は変わらない」という話をさせていただきました。

加えて毒親の問題には神経発達症(ASD,ADHD)の問題が絡んでいる場合が少なくありません。それも親子双方に発達の問題が絡んでいるケースです。

そうなると親による価値観の押し付けに、より拍車がかかり(ASDの

もっとみる
毒親は変わらない

毒親は変わらない

今回は毒親について書いていこうと思います。

「毒親」という言葉は、1999年に刊行されたスーザン・フォワード著の「毒になる親」という本から生まれました。その後2012年頃からテレビなどで一気に広まりました。

響きが強い分この言葉を使うこと自体に賛否両論はあるかと思います。親を非難したところで憎しみを表現するだけで事態は変わらない、といった専門家の意見もよく聞かれますが、

個人的には「毒親」と

もっとみる
8050問題〜発達障害や毒親も背景に!?

8050問題〜発達障害や毒親も背景に!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3.4分で読めます。ざっと要点だけでもお読みいただけたら嬉しいです。

8050(はちまるごーまる)問題、ご存知の方も多いかと思います。80代の高齢の親が、長年引きこもる50代の子供を経済的にも精神的にも支えて生活している、という社会問題です。

調べてみると2015年頃から提唱された問題で、親は年齢的に団塊の世代、子供は団塊ジュニア~就職氷河期世代に該当し

もっとみる
食い尽くし系が気になりすぎて〜精神科医が考察してみた

食い尽くし系が気になりすぎて〜精神科医が考察してみた

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※この投稿は3分で読めます。最後までご覧いただけたら嬉しいです。

最近また「食い尽くし系」という言葉がSNSでよく聞かれるようになりました。何だかワードチョイスが絶妙で、リアルな様子をよく表していて頭から離れなくなってしまったので、せっかくなので色々と考察してみました。

どういう人たちのことを言うかと言うと、中華料理などを取り分けて食べる際に人数分以上に度

もっとみる
アウトプットのススメ~メタ認知を鍛える

アウトプットのススメ~メタ認知を鍛える

こんにちは、精神科医のはぐりんです。

最近よく耳にしますが、アウトプットって大事ですよね。何か自分の知っていることや学んだことを相手に伝えること、言葉でも文章でもいいです。下手なことを書けないので時には自分で調べたりもしますし、記憶の定着につながります。

誰にでもオススメできるアウトプットなのですが、特にASDの方にお勧めしたいです。ASDの方はその場にそぐわない発言だったり失言だったりをして

もっとみる
共感するって難しい

共感するって難しい

こんにちは、精神科医のはぐりんです。

共感する、共感できている、と良く言ったりしますが、実際に患者さんの診察をしていると、共感することって難しいな、と思う場面が多々あります。

今回は私(ロスジェネ世代♂精神科医師)が思う共感することが難しいと感じる患者さん達を挙げていきたいと思います。

一番難しいと感じているのが、御高齢の方、精神科医として診察している立場上申し上げにくいのですが、断トツと言

もっとみる