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【医師コラム】子どもにガーデニングは必要か?ガーデニングがもたらす非認知能力

多くの親御さんが、自分の子どもは社会で活躍できる人になってほしいという願いを持っていると思います。社会に活躍できるようにするためにまずは勉強をたくさんして学力を上げるという方法が思い付きます。もちろん学力は大事なのですが学力以外にも大事な能力があります。その学力以外の能力を上げるために園芸に取り組むのが効果的であるという報告があるのです。今回は社会に出る上で必要な学力以外の能力について解説し、その能力を伸ばすために有効な園芸について解説します。

■認知能力と非認知能力


「能力」という言葉を聞くと多くの人が学力テストなどで測れる能力を思い浮かべるのではないでしょうか。このような知能検査で測定できるような能力のことを「認知能力」とよばれています。一方で今取り組むべきことに意欲を持ったり、自分の行動に自信を持ったり、辛いことを耐えたり、自制したり、他者に共感し強調するといった精神的な成熟度に関わるような能力のことを「非認知能力」と言います。コミュニケーションや自制心に代表されるこれら非認知能力は発達障害の子どもや大人にみられる偏りや特性ともなります。
(小塩真司. 「非認知能力」の諸問題. 教育心理学年報2023;62:165-183.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj/62/0/62_165/_pdf)
依然として就職に学歴がかなり重要な要素となっている我が国ですが近年、認知能力を追い求める教育への反省という意味も込めてこの非認知能力への注目が高まっています。たとえ認知能力が高くても非認知能力が低いと、周りの人と協力して仕事をしたり、難しい課題に挑戦する気持ちを失ってしまったりしてうまく活躍することができないのです。

■非認知能力を伸ばすために園芸が有効な理由とは

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