【医療コラム】【子育てコラム】【48歳からのコラムニスト】子育て小児科医そして児童精神科医

現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しておりま…

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現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しております。

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【児童精神科コラム】 神経性やせ症の女の子

■これだけは譲れないもの、自分にとって大事なもの 人が人としているためにはこれだけは譲れない、守るべきものがあると思います。例えば、家族であったり、大事なものであったり。家族のためなら全部を捨ててもいいと思っていても、ぼろぼろになった時、最後まで残るのは「プライド」なんだと思います。 私は医学生のときに大病となり、主治医から、「医師となるのは難しいだろう。少なくとも外科系は自分だけでなく患者さんのためにもダメだ」と言われ、同級生には「医学部なのに医師になれないなんて、俺無

    • 【医療コラム】国産初の新型コロナワクチン  遅きに失したワクチン研究開発費 米の1割 67億円

       COVID-19の名称の通り、2019年から世界中で感染拡大を繰り返し、医療界のみならず経済界にも大きな影響を与えた新型コロナ感染症。その後、早くも2021年2月14日にファイザー製の新型コロナワクチン(以下、ワクチン)が製造販売承認され、2月17日 から医療従事者等を対象に予防接種法に基づく臨時接種が始まりました。 それからおよそ2年10か月たった2023年12月。満を持して国産初の新型コロナワクチンがついに使用開始されました。 しかし、この約3年間。海外で開発された

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      • 【小児医療コラム】血液検査 CRPと小児科医

        ■血液検査のCRP(C-reactive protein)の重要さ 小児科医であれば血液検査のCRPの重要さは十分に知っているでしょう。もちろん医師であればCRPの重要さはルーチン血液検査項目に入れることで証明されることでしょう。 しかし、私が研修医となった25年前はその認識は、そこまでではなったのかもしれません。何しろ医学生のとき、CRPの大切さはそこまでとは教わっていなかったからです。今では、小数点下2桁で表される値が以前は、施設によっては-、±、+、++、+++の定

        • 【医療コラム】「仕事が覚えられない…」「すぐ忘れる」のは発達障害?

          どうしても仕事を覚えられない。自分がそのような状況になったり、同僚や部下がこのような状態になって悩んでいるのを見たことがある人は多いのではないでしょうか。 仕事を覚えるのが遅かったり、物忘れが多かったりするのにはいくつかの原因があります。「もともと覚えるのが苦手なんだ、、、」と諦める前に仕事が覚えられない、物忘れをしてしまう原因について知り、対策することは重要です。 ■仕事が覚えられない原因 ①生活習慣 「仕事を覚えられない、、もしかして記憶力が落ちてしまう病気?」そんな

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        • 医療とお金
          2本

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          【医療コラム】仕事でミスを連発・・・これって発達障害?

          ■仕事でミスばかりする人は発達障害の可能性があるのか。  仕事でミスを重ねる人が発達障害の可能性があるとは一概には言えません。確かに発達障害は注意力や集中力の低下を招いたり、コミュニケーション能力や社会的スキルが乏しくなる傾向がありますがその程度は様々です。また一言に発達障害と言っても様々な種類があるのです。  また、ミスばかりする原因としてはストレス、過労、学習の機会不足など様々な要因が関連しており、それらの要素がないかを精査する必要があります。仕事ができないからと言って

          【医療コラム】「家族がストレスでしかない…」 原因と対処法について児童精神科医が解説 セルフチェック エゴグラム

          普通に暮らしていれば、毎日顔を合わせコミュニケーションを取らなければならないのが「家族」です。 どんな親や兄弟だったとしても「血のつながり」はなかなか断ち切ることが出来ません。 また、家族はお互いに深く影響しあうことが言われています。 特に、家族関係が円満かどうかで人生に大きく関わってくるのは子どもです。例えば、家族内関係が上手くいかずコミュニケーションや愛情不足が顕著だった場合、トラウマ後ストレス障害やうつ病などの精神的な健康が悪くなりやすいことがわかっているのです。

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          【医師のお金コラム】【医療コラム】 初期臨床研修医 平均年収435万円 研修医の平均年収と医師の働き方改革2024

          最近、医師の働き方について注目が集まっているのをご存じですか? 医師の世界も2024年4月から厚生労働省による「働き方改革」が施行されたのです。 医師の「働き方改革」とは長時間労働で支えられていた医療機関に対して様々な「見直し」をしなければならないという制度です。 医師の長期間労働を規制し、医師がスムーズにキャリアアップできるための環境を整えようと、医療機関はさまざまな「工夫」をしなければいけなくなります。 特に注目されているのは「研修医」。 「勉強のため」「若いから

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          【小児医療コラム】【子育てコラム】 子どもは静かにおぼれます。子どもから目を離さないで! (溺水反応)

          夏になると川や海で起きる「水の事故」の報道を見聞きする機会があるでしょう。 何で事故が起こらないように注意しなかったのか? 溺れたときにすぐに助けられなかったのか? みなさん当然そう思うでしょう。 「子どもが溺れた」と聞いた時、皆さんはどのような状況を想像するでしょうか? 多くの人が川や海などで「助けてー!」ともがきながら溺れている子どもを想像するのではないでしょうか。しかし、子どもは静かに溺れるのです。 実は多くの溺水は家庭内で、しかも近くにいる親が気づかないうちに起きて

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          【医療コラム】尊敬する指導医との出会い。そして小児科へ・・。

          ■完璧…尊敬できる指導医との出会い  私は産婦人科開業医の長男です。ですから、医師の道を考えるうえで、産婦人科医になることが選択肢に入っていました。ただ、産婦人科は不眠不休の仕事なうえに、体力も必要とします。私は大病を患ったことがあり、体力の面で産婦人科は難しいのではないかと不安がありました。そこで肉体的な負担が少ないであろう老年病科を選ぶことにしたのです。  大学を卒業した当時は、スーパーローテート方式が採用されていました。私は老年病科を希望していましたが、人数の関係か

          【医療コラム】尊敬する指導医との出会い。そして小児科へ・・。

          【医療コラム】破天荒! 新人看護師

           ある新人看護師のお話です。新人看護師と言っても、年齢は40歳。彼女には2人の子どもがいて、下の子が小学生になったタイミングで看護学校に通い始め、看護師になったとのことでした。 ■小児病棟に配属された年上の新人看護師  彼女は新人ではあるものの、年齢的に指導も難しく、当初は皆が接し方に困っているようでした。  この時私は、小児科医4年目で30歳でした。新人で40歳。ややこしい関係になりそう?  彼女に対しての評価は分かれていましたが、彼女のことが好きな人も少なくありま

          【ショートショート】小児科医の考える遊園地

          コロナ禍で病院の受診離れが起き、子どもの予防接種率が下がっている。これは由々しき事態だ。そんな時、一緒に有給休暇を取り遊園地に行っていた小児科医の先輩が、こんな事を言い出した。 「乗り物の順番待ちの時や食事の合間に遊園地で予防接種をするのはどうだろう?」 そしてすぐさま医局に電話をかけ、自分のアイデアを伝えた。電話に出たのは医局長ではなく、お堅い小児科教授。小児科教授は先輩の話を聞くなり、「休みの日ぐらい仕事を忘れろ!」と言い、さらに私と先輩の二人を有休明けに教授室に来るよう

          【医療コラム】休暇という名の小児科医左遷

          これは、私が若かった頃、大学病院の小児科助手として働いていた時のお話です。  当時、夜間小児科のコンビニ受診が広がり、業界内でも問題になっていました。教授からは「緊急性があるかは親の判断だが、重症かどうかの判断は医師にある」と言われていました。  今は、大学病院を受診する際には紹介状がなければ、選定療養費を請求できますが、当時は、そういった制度はありませんでした。  病院は小児科医が2交代で当直しなければならないほどハードにもかかわらず、患者を診れば診るほど紹介患者率を

          【小児医療コラム】愛嬌ある 小児科医の友人

          ■小児科病棟への入院 大人でさえ日常生活から切り離されたり、先の見えない不安な状態だったりすれば、心身ともに負担がかかるものです。それがましてや小児科に入院する子どもとなれば、どれほどの負担がかかっているかは想像に難くないでしょう。コロナ禍で家族の付き添いばかりか面会さえもできない状況では、入院した子どもたちの疾患から回復まで時間のかかることかかること。 もちろん、小児科は入院へのハードルを上げ、極力、外来経過観察するように心がけています。ですが、それでも入院が必要になっ

          【医療コラム】医師の当直革命 PHS前/PHS後

          ■PHSが支給される前と支給された後 医師の当直エピソードを語る上で、PHSのことは外せないでしょう。そんなPHSも2023年3月31日は終了。もしかすると若い先生はPHS自体を知らないのかもしれません。寂しい限りです。 私が研修医となった25年前、すでに電子カルテの時代でした。しかし、通信手段はポケベル。それすらも自分で購入しなければなりません。病棟、外来や医局から医師を呼び出そうとしても、ひたすら自宅に電話をかけるか、いきそうなお店に電話をかけるしかなったのです。だから

          【児童精神科コラム】【子育てコラム】日本の児童相談所 若手半数 その内情

          日本の子どもの未来を守るため、幅広い相談に対応している「児童相談所」。 児童相談所は虐待だけの相談だけでなく、健康や障害に対する相談・非行相談や育成相談に至るまでさまざまな相談を受け入れています。 そして、弁護士やカウンセラーである児童心理司・医師・保健師といったプロフェッショナルなチームと共に「児童福祉司」が中心となって、問題の分析や解決を図っていくのです。 このように全ての児童の問題の受け皿になっている児童相談所。 実は、その現状は衝撃的なものだったのです。 今回

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          【児童精神科コラム】子どものための児童相談所 その仕事と職種

          2020年 4 月現在、全国に 219 か所ある児童相談所ですが、みなさんはどのようなイメージを持ちますか?子育てをしていない人は児童相談所について知らない方も多いでしょうし、 ● 虐待とかの相談を受け付けているところ ● 親子の関係でトラブルが生じたときに駆けつける「避難所」のようなところ みたいに考えている方も多いでしょう。 もちろん、児童相談所には虐待に対して相談される例もありますが、もっと非常に幅広い児童に関する相談を取り扱っています。まさに「児童」のことを「相

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