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恥ずかしいだけのガチポエム

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素敵な写真とセンチなポエム。現実の厳しさに疲れた心を癒やされたいあなたに贈る、こつこつと積み上げていく世界。 心のどこかがほんのりとあたたかくなれば幸いです。 がんばって、だいた… もっと読む
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#写真好きな人と繋がりたい

風景

風景

都会を流れる川に、街が写る。普段見落としていて、写真で眺めて気がつくものもある。現実の風景は素晴らしいものだが、写真で気づく素晴らしさもある。

流れ去る風景

流れ去る風景

見慣れた風景にもかかわらず、飽きないのは、その場所がいつも高速で走り去るからだろうか。じっくりと眺めるよゆうのない、その場所は、だからこそ、もっと見たいと思うのかもしれない。

変わらないという価値

変わらないという価値

郊外都市を訪れる、代わり映えのしない風景に思えていたが、それはそれでいいのかもしれない。変わらないということはひとつの価値だ。なにもかもが目まぐるしく変化する時代に、変化しないでいられるということは、それはそういう価値なのだ。

幸福ノスタルジック

幸福ノスタルジック

夕日の町を歩いていると、ふと懐かしいような寂しいような気分になるときがある。そして、その状態はいつもじんわりとした幸福感に包まれている。湿度は90%くらいで,気温は19℃。緩い風が吹いていて、曇っている。
この感じがどこからくるのか。ぼくはそれを,探している。

オフビートなきみへ

オフビートなきみへ

きみが描く漫画はいつも大げさで現実離れした物語だった。ハリウッド映画だってそこまでやらないよってくらい大げさなんだ。地球はいつも危機に見舞われていたし、主人公は常に大声を張り上げている。敵だって、運動会みたいに張り切っている。
「願望の反映なんだと思う」
きみの自己分析が外れていることを願う。きみが描いている漫画のような世界が現実になったら困るんだ。好きな漫画のことを話したり、素晴らしい芸術品を見

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きみのせいだよ

きみのせいだよ

明治神宮へ行こうと葵を誘ったら、あそこは結婚する場所よ、と言われた。
その言い方がとてもあっさりとしていて、逆に新鮮だった。
ぼくたちは高校2年生で、多くの高校生がそうであるように、結婚は視野に入っていなかった。すくなくとも、そういう話にはなっていなかった。
ぼくは葵との結婚生活を妄想していた。まだセックスもしていなかったというのに。
じゃあ、やめようかとぼくが言うと、葵は大声で笑った。
「そんな

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手もつなげない

手もつなげない

好きな子を映画に誘うときは、その子が観たい映画にすべきだと考えて、選んだ映画が、その子はあまり好きじゃなかったことがある。話題の映画だったけれど、あまり面白くなくて、映画が終わったあとで、喫茶店に誘うつもりだったんだが、映画の話で盛り上がりそうになく、かと言って、他の話題を振るのも白々しい。結果、ぼくらはどちらから切り出すわけでもなく、駅で別れた。手をつなぐこともできなかった、中学生の話。

イメージと違う

イメージと違う

きみは私を見ているけれど、本当は自分を見てるだけなんだ。

彼女はそう言って、そっぽを向いた。ぼくは、反論できなかった。彼女を好きだったけれど、自分の好きな彼女のイメージを押しつけてた。髪の毛の色、スカートの長さ。ぼくのイメージにあわないと、すぐにわかると彼女は言った。
「文句を言わなければいい、ってもんじゃないんだよ。ううん、無言で文句を言ってるんだよ。きみは」
これも反論できない。
ぼくは、彼

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胸がいたむんだ

胸がいたむんだ

あの日きみと偶然出会った場所は変わらずにそこにあった。ぼくは異性に違和感を覚えはじめた中学生で、10年ぶりに会ったきみがまぶしくて、目をそらした。たいした挨拶もせずに立ち去った。あの日の後悔を拭い去りたくて、店の前にしばらく立っていたけれど、もちろん偶然きみが現れることはなかった。幼なじみのきみと、あの時きちんと言葉をかわし、仲良くなっていたら、人生はどうなっていただろうと考えると、胸が温かくなり

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