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芸術の部屋

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芸術・創作に関してのまとめです。 有名作家の作品から無名の方々の作品まで、その実績に関わらず心に響いた作品&作家さんを集めてみました。 絵画も立体造形もハンドメイド作品も、あくま… もっと読む
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#アクリル画

細かな観察が行き届いた写実作品

細かな観察が行き届いた写実作品

自宅の庭先に生えていたコナラの木の1本が
木喰い虫に侵され
切り倒されてしまいました。
幹や枝葉は処分され切り株だけが残っています。
その切り株も日に日に朽ちて
やがて土に還るのだと思います。

この切り株の背後にもう一本幹が
描かれているのが見えます。
おそらく二本同時に芽生え共に成長し
天に向かって枝葉を伸ばし互いに
支え合って生きて来たのでしょう。

ところが或る日、片方の体の一部に病気が

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作者が願うのは只々 平和な社会です

作者が願うのは只々 平和な社会です

作品はS60号の画面全体に国連の旗が描かれています。
平和のシンボルである
しなやかで優しい木の葉に包まれた地球の姿です。
そのきれいな旗が誰かに依って刃物の様な物で切り裂かれ
荒れ果てた場所もダンボールを無造作に破り
それをコラージュして表現しています。
更に核兵器を保有する国やミサイルをたくさん所持する国も
描き込まれています。

21世紀に入った今でも世界各地で争い事が絶えません。
現在5

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縄文に今の自分を重ねて・・・

縄文に今の自分を重ねて・・・

屋久島を訪れたお嬢さんが撮った縄文杉のウィルソン株と
テレビで紹介された縄文時代の土偶が
作品のモチーフになっています。

この作品は紙ヤスリや段ボールを使った技法で
作業をしていますが 最初これらの素材をどう利用すれば
よいのかなかなか理解できずに居ました。
考えあぐねた末
次の世代に繋げる意味を込め縄文杉の古木と比べると
驚く程ひ弱な自分自身だったのでしょう。

描き進めていく内に
次第 次第

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現代的なアレンジでモダンな仕上がりに

現代的なアレンジでモダンな仕上がりに

ステップ⑦は マチエール(絵肌)創りを学習するコーナーです。
この画面から和紙に描かれた作品を
イメージするかも知れませんが
今回のマチエール創りはティッシュペーパーを利用しています。
支持体はキャンバスボードF4サイズを用いて
ティッシュペーパーをジェッソで貼り付けています。

まず最初に2重になっているティッシュを1枚に剥がし
巾3cm程度の短冊状にしておきます。
キャンバスボードにジェッソ

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複雑にからみ合って・・・

複雑にからみ合って・・・

画面を縦横に走る線は幾重にも重なり
複雑にからみ合っています。

作者は何をこの画面に織り込もうとしたのか?
からみ合う線をそれぞれにたどって行くと
その先に幾何学形態の円や三角形が現れて来ます。

それは世界の人種や国家かも知れません。
更にもう少し小さな単位で考えると
家族の中の人間関係を表しているのかもしれません。

それぞれに違った年齢や性別や思いを持って
ひとつの屋根の下に暮らす事は

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全てが静寂の中にある

全てが静寂の中にある

イギリス北西部の湖水地方を訪れた折
古い石橋が作る風景に魅了され
カメラのシャッターを押したひとコマなのでしょう。

人影もまばらな田舎町に清き小川が流れています。
全てが静寂の中にあるのでしょう。
石橋のたよりない手摺りも
歴史を感じさせてくれます。

遠景の山肌の明るい緑と青い空が川面に映り
ゆっくりと流れる川の様子を伝えてくれます。

誰もが無口になりこの空気の中に
じっと身を置きたくなる

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迫り来る自然の驚異に感動して

迫り来る自然の驚異に感動して

岩手県宮古市の陸中海岸国立公園内に
浄土ヶ浜が有ります。
リアス式海岸の代表的な陸中海岸は変化に富み
1955年に国立公園に指定されました。
浄土ヶ浜は岬の外海の荒波に削られた奇岩と
波静かな内海の浜辺が対照的な景勝地です。
作者はその地を訪ね 迫り来る自然の驚異を
感じ取ったのでしょう。

この作品はP30号(91.0×65.2)㎝の中型の作品ですが
掛かれている岩肌の様子や迫力が50号以上の大

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自然が自然である様に・・・

自然が自然である様に・・・

大画面に挑戦する時は
誰もがワクワクドキドキすると思います。
この高揚感が創作の原動力になっているのかも知れません。
作者は マリンスポーツが好きで自宅からすぐの
湘南の海へ出かけてサーフィンをしたり
仕事柄 水難救助で出動したりと
海との関りを日常的に持っています。

作者が 海へ行くたびに強く思う事は
最近 特に海水の汚れや砂浜の浸蝕
それに漂着物など海洋汚染が進んでいると言う現実。

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『ウォォ~』と老女の雄叫びが山あいに こだまします。

『ウォォ~』と老女の雄叫びが山あいに こだまします。

山あいの少し開けた土地に
昔ながらの宿場のおもかげを残して
小さな集落が有ります。

街道に沿って細い川が流れ
水は清く小魚の泳ぐ姿も透けて見えます。
山肌の緑は旅人の疲れを癒してくれます。

その街道の脇には何代も続く
歴史有る宿が軒を連ねています。

昔はこの道を大勢の人達が往きかい
おおいに賑わったのかも知れません。

家並みの一番はずれに ちいさなよろず屋が有って
すでに80才を過

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抱えきれない程の大空と大海原・・・

抱えきれない程の大空と大海原・・・

抜ける様な真夏の青空に白雲が沸き出でて
遠浅の海には家族連れが楽しそうに水遊びをしています。

どこまでも続く砂浜と浅瀬の潮溜まり
その水面に映る大空と空の中に立つ子供達
遠くからその様子を見守る親達の微笑と
子供らの歓声が聞こえてくるようです。

作者は孫の成長に目を細め
やがて訪れる進学や就職の事にも夢が広がります。
抱えきれない程の大空と大海原
無限の可能性を秘めた我が孫への期待は大きい

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想像を絶する程の活力を 感じて・・・

想像を絶する程の活力を 感じて・・・

NHK朝の連続ドラマ「らんまん」が放送される様になって
作者は是非本物を見たいと 高知県の植物園に足を運びました。
植物園から帰って来たら その様子を絵にするつもりで
出掛けられました。

植物と対面した作者は 植物が持つ強いエネルギーを
あらためて認識することになりました。
何億年も生き続けるシダの生命力に圧倒されたようです。
岩場に生えたシダの長く伸びた根はどこまでも長く力強く
大地の養分を

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天然海綿は 定かでない優しい柔らかな物を表現するのに最適です

天然海綿は 定かでない優しい柔らかな物を表現するのに最適です

水彩画やアクリル画で使用されるスポンジは
地中海産の天然海綿が使われています。
細目・中目・荒目の三種類があります。
筆では表現しにくいグラデーションなどには最適な画材です。

生徒作品1 掴み取ろうとして掴めない物 あるいは不確かな物を朦朧と
      した形で表現しています。

生徒作品2 月に掛かる群雲を曖昧な形で表しています。

生徒作品3・4 
遠景の白雲や作品4の夕焼け雲も同様で輪郭

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眠らない工場 眠らない街・・・

眠らない工場 眠らない街・・・

その昔太陽が西の空に沈んでも
この街は眠らずにいました
家々には暖かな明りが灯り
新しい家電製品に囲まれて便利さを謳歌し
人々の暮らしは潤っていきました。

街は次第に大きくなり
それを維持する為に
工場は更に巨大化する事になりました。

遠浅の海を埋め立てて工場地帯を造りました。
遠方から人々がたくさん集まって
大きな町がいくつも出来ました。

いろんな国の言葉が飛びかい
異邦人達のコミュニテ

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人生にフタ・・・?

人生にフタ・・・?

少しグレートーンのきれいな箱が空中に浮いています。
上昇する訳でも無く下降する訳でもありません。
漂う様で静止しているような静かな画面です。
各々の箱のほとんどがフタを開けていたり開きかけていたりします。
色んな形と色をした箱達は
作者の心のひとつひとつなのかもしれません。
作者の穏やかな言葉づかいと
物静かな行いが伝わってくる気がします。
何が有っても全てを受け入れ様とする
フレキシブルな人柄が

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