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迫り来る自然の驚異に感動して

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生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。           若林 薫



清らかなる地    P30(91.0×65.2)㎝   アクリル画  FOさん


岩手県宮古市の陸中海岸国立公園内に
浄土ヶ浜が有ります。
リアス式海岸の代表的な陸中海岸は変化に富み
1955年に国立公園に指定されました。
浄土ヶ浜は岬の外海の荒波に削られた奇岩と
波静かな内海の浜辺が対照的な景勝地です。
作者はその地を訪ね 迫り来る自然の驚異を
感じ取ったのでしょう。

この作品はP30号(91.0×65.2)㎝の中型の作品ですが
掛かれている岩肌の様子や迫力が50号以上の大きさに見えます。
岩肌の表現にはライトモデリングペーストを
ペンティングナイフで塗り
ゴツゴツとした様子を創り出しています。
又波打ち際の荒い落石には寒冷紗を下地に貼り
その上にグラスビーズを塗る事で
ザラザラ感を演出しています。
画面下部に僅かにのぞく
海面の白波と透き通ったブルーグリーンが
海の深さと水の冷たさを見事に描き出しています。

この作品は2023年第71回平塚市文化祭に出品し
平塚市教育委員会賞を受賞しました。

                絵画講師 若林薫 評






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