2021年5月の記事一覧
✱ ネモフィラが刻む時間 〜 Renaissance Fleur bleue ルネサンス フルール ブルー ✱
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蒼穹を流れる高く真白い雲が陽光を遮り
滅びた王国の跡に濃く影を投げかける。
古(いにしえ)の文明に絶えず響いた
回る歯車の音もいつしか潰えて、
遥か昔の栄華の記憶は遠く彼方、
幽かな寂寥を伴いただ静かに佇む。
かつて焼き尽くされた命は、
されど時を経て今また芽吹いた。
晴天の空を映すような青い草原は
巡る命の軌跡を描き始めた。
そよ風に合わせ絡む草花に引かれて
再び歯
❦恋に墜ちる悪魔 〜 L'amour du Diable ラムール デュ ディアブル 〜
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私達は善なる者の敵。
私達にとってニンゲンは楽しいオモチャで
弄んで堕落させ、飽きたら棄てるモノ。
オモチャに恋をするなんて、
とても馬鹿らしいわ。そうでしょう？
どうしてかなんて、分からない。
いつもニンゲンにそうしてきたように
貴方に話しかけて誘惑して……
なのに、欲しくて堪らなくなっていたのは
気がつけば私のほう。
他のモノなんて見ないで。
誰より私が1番美しいで
雨雫のかんざし◎紫陽花と霞草 〜 Hortensia et Gypsophile オルタンシア エト ジプソフィル 〜
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しとしとサラサラ、柔らかな音を立てて
細い銀鎖のような雨のカーテンがかかり、
今日はお日様の休日です。
パタパタと降りしきる
たくさんの雨雫をお出迎えして、
カスミソウはほんのりお辞儀しているの。
大きな葉っぱに雨を集めたアジサイは、
キラキラゆらゆらと光の波紋を描く
水溜まりの手鏡でお色直し。
透き通る銀紗の水が映す雨間の一幕。
今日はとっても素敵な雨日和ですね♪
淑女の花飾り ♡ いつか愛に巡り逢う日 J'en ai Rêvé (ジャン ネイ レーヴ) バレッタ
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いつか恋を知る日を夢にみている。
それがどんな気持ちなのか、
私にはまだ想像もつかないの。
皆の噂では、恋をすると
薔薇の香りのように甘く胸がときめき、
イバラの棘に触れるように苦しいのだって。
他にもたくさん聞いたけれども、
色々ありすぎて正直ちょっと分からないわ。
いつか愛する人に巡り逢う日を、
ずっと夢にみている。
それはきっと素敵な人なのだと想い描いて。
どん
✽藤の君に恋をして 〜 J'aime la Glycine ジェム ラ グリシン 〜 ブローチ
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馥郁(ふくいく)たる香りに包まれて
その甘やかさが君を想わせる。
芳醇な香りを運ぶ風に揺られる藤の花に、
僕の心も合わせて踊る。
優しく陽射しを遮る藤棚の下で君を待ち、
きらめく木漏れ日に寄り添う
優雅でたおやかな風情の景色を楽しむ。
君が好きで愛おしくて、
君に会えるまでの時間すらも
僕には心地良い。
巻き付くのびやかな藤の蔓のように、
僕はきっと君への恋に絡め取ら
✢ 雨だれの追憶 ✢ Prélude de la Goutte de Pluie (プレリュード ドゥ ラ グット ドゥ プリュイ)
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優しく耳を打つ雨音に誘われて
仄かな明かりの中でそっと目を開ける
戸を窓を、壁を伝って響く
子守唄を歌い子供の背をあやすように
指先で優しく叩くような雨だれ
束の間、嵐のごとく強まった雨が
甘やかな香りの花を散らしながら過ぎ去り
柔らかな陽射しが雲間から射し込むと
窓の雫が淡く輝きだした
夢のように穏やかなひととき
そこは記憶の中 美しい追想の景色
美しく優しい曲想