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徹子の部屋を見て気づいたこと
徹子の部屋を見て気づいたことがある。
あれは無意識下の自分が自分を守るために起こしたんだと。
自分を偽ったり、間違ったことを見ぬふりができない自分に蓋をして、それが幾つも積み重なる環境に何年もいると、ガスが溜まり、精神が疲弊し、あるとき限界がきて、意図せず無意識下の自分が全部ぶちまけてしまった。
一つ一つを飲み込む度に、ペットボトルの炭酸水を降っていたのだ。
あるとき、チョットだけ(本当に
アクセサリーケースの中の第二ボタン ss
高校生の時から使っているお気に入りの四角いアクセサリーケースを開くと、今日買ってきた小さなイヤーカフを真ん中に置いた。二十一歳の誕生日に自分で買った誕生日プレゼントだ。大小二つで一組のそれは、大きな方がゴールド、小さい方がシルバーで、まるで太陽と月のように思えた。
ケースの中には、ネックレスが一本、誕生石の小さいルビーがついた指輪が一つあるだけだった。
大学生になると、誕生日のプレゼントは
高3男子 夏の憂鬱 ss
——7月最初の日曜日
もう一時間も机に向かっている。進路希望の用紙は白紙のままだ。
2階の部屋の窓の外には、緑地公園の木々が青々と茂り、紛れもない夏を感じさせていた
6月のインターハイ予選で早々に敗退し、バレーボール部を引退した熱血部員達は、コントの早着替えのように受験生になってしまった。いや、ならざるを得なかった。それが進学校であるうちの高校の習わしだからだ。
毎年この時期には高校の授
3分間の恋バナ あの人といつもする話 ss
毎日、一日中話している。
話し相手は決まって男女二人だ。
そのうち一人が問題だ。
二年ほど前にわたしの前に現れて、ほどなく毎日話すようになった。
ひどい時には、朝から晩までだ。
「パスタを茹でるときは、1%の塩水で茹でると美味しい。」
「この本好きじゃない?」
いつも、たわいも無いことを思いつくまま話す。
稀に、昔話をすることもある。
高校時代の友達の話や、大学に入って初めて一人暮らしをした時
3分間の男女(1)ss
■健人視点ーーーーーーーーーー
「ちょっとお時間いいですか?」
不意に声をかけられて、作業中の画面から顔を上げ声の主に目を向けた。
塚本遥が自分のノートPCとマウスを持って寄ってきていた。
「いいよ」
わたしの意識は既にそっちに向いていたが、いかにも仕事に集中していた風を装って軽く答えた。
「明日の資料で相談したいことがあるんで見てもらっていいですか。」
彼女は目を合わせてそう言うと、