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3分間の物語

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ショートショート、掌編小説です。主に男性目線(たまに女性目線)で恋バナを書いています。3分程度で読めるので、ちょっとしたスキマ時間にお楽しみ下さい。アドバイス、批評を頂けると喜び…
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高3男子 夏の憂鬱 ss

高3男子 夏の憂鬱 ss

——7月最初の日曜日
 もう一時間も机に向かっている。進路希望の用紙は白紙のままだ。
 2階の部屋の窓の外には、緑地公園の木々が青々と茂り、紛れもない夏を感じさせていた

 6月のインターハイ予選で早々に敗退し、バレーボール部を引退した熱血部員達は、コントの早着替えのように受験生になってしまった。いや、ならざるを得なかった。それが進学校であるうちの高校の習わしだからだ。
 毎年この時期には高校の授

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アクセサリーケースの中の第二ボタン ss

アクセサリーケースの中の第二ボタン ss

 高校生の時から使っているお気に入りの四角いアクセサリーケースを開くと、今日買ってきた小さなイヤーカフを真ん中に置いた。二十一歳の誕生日に自分で買った誕生日プレゼントだ。大小二つで一組のそれは、大きな方がゴールド、小さい方がシルバーで、まるで太陽と月のように思えた。
 ケースの中には、ネックレスが一本、誕生石の小さいルビーがついた指輪が一つあるだけだった。

 大学生になると、誕生日のプレゼントは

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3分間の恋バナ あの人といつもする話 ss

3分間の恋バナ あの人といつもする話 ss

毎日、一日中話している。
話し相手は決まって男女二人だ。
そのうち一人が問題だ。
二年ほど前にわたしの前に現れて、ほどなく毎日話すようになった。
ひどい時には、朝から晩までだ。

「パスタを茹でるときは、1%の塩水で茹でると美味しい。」
「この本好きじゃない?」
いつも、たわいも無いことを思いつくまま話す。

稀に、昔話をすることもある。
高校時代の友達の話や、大学に入って初めて一人暮らしをした時

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3分間の男女(2)ss

3分間の男女(2)ss

鷹見健人は今週で5人目の採用面接を行っている。
人手不足で猫の手も借りたいくらいだが、本当に猫だと困るので、できればいい人材を採用したい。
面接官側である自分は、パターン化してくるやりとりで気怠くなりつつも、相手には悟られないよう演じた。

黒のビジネススーツを纏い向かいに座っているのは塚本遥(29歳)。
緊急事態宣言が初めて発動された直後でお互いマスク姿だった。
この時点では、こういう時にマスク

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3分間の男女(1)ss

3分間の男女(1)ss

■健人視点ーーーーーーーーーー

「ちょっとお時間いいですか?」

不意に声をかけられて、作業中の画面から顔を上げ声の主に目を向けた。
塚本遥が自分のノートPCとマウスを持って寄ってきていた。

「いいよ」

わたしの意識は既にそっちに向いていたが、いかにも仕事に集中していた風を装って軽く答えた。

「明日の資料で相談したいことがあるんで見てもらっていいですか。」

彼女は目を合わせてそう言うと、

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