田波ジェーン

読んだり書いたり迷ったり。

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この読書感想文を自己紹介として

川上弘美の作品を読んだのは半年ぶりくらいだろうか。 川上弘美の作品は日常と非日常を暖簾一枚の気軽さで行ったり来たりしていると誰かがレビューで書いていた。 私は行っ…

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昼休みの散文

見えない 少し前からメガネの度数が合わなくなってきている気がして、やっとメガネを調整しにいった。 悪かった右の視力が更に悪くなっていて、左右差がすごいことに。何な…

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最近のあれこれ

Rちゃんが一身上の都合で会社を辞めた。 それは本当に急なことで、上から聞かされた時は私の小粒の目ん玉もチュッパチャップスくらいのサイズになって飛び出した。 Rちゃん…

田波ジェーン
2週間前
26

言葉の擬人化

noteを書いていると、言葉に迷うことがある。 どの言葉を選んでどのように並べるかが、その人の文章の印象を決めるとも思っている。 思ってはいるが、私の場合、適当に思い…

田波ジェーン
1か月前
28

そういうドラマはいらない。

こんなこと皆さんにお伝えすべきか悩んだんですけど、嫌われないかな、笑われないかなって想いが2、3分頭の中を駆け巡った結果、お伝えしようと思います。 股間におでき…

田波ジェーン
2か月前
31

露に包まれて

GW後半が始まるというのに、心はどんよりとしていた。 任される仕事が増え、比例して責任も重くなり格闘する日々の中、パソコンをぶっ壊してしまうという失態。とりあえず…

田波ジェーン
2か月前
29

最近のあれこれ

仕事先から会社に戻っていると、学生服にランドセルを背負った子供たちがわらわらと歩いて来た。ちょうど近くの小学校の下校時刻だったらしい。子供たちのカラフルなランド…

田波ジェーン
2か月前
42

ブランコ

幼稚園の頃、ブランコから落ちたことがある。 家の近くの公園で幼馴染のマンチョと二人乗りをしていた。 私は座って、マンチョが向かい合う形で立ち漕ぎをして、ぐんぐんと…

田波ジェーン
2か月前
28

筍ご飯が炊けるまで

今年も筍をもらった。 天気予報で桜の話題が出る頃に、にょきにょきと顔を出し、毎年誰かしらが堀りに行って私のもとへも届いてくれる。 「どうぞ」と渡された2本の筍は、…

田波ジェーン
3か月前
34

さよならジーンズ

ジーンズがきつい。 履き心地の良さと、どんなトップスにでも合わせやすいという理由でヘビロテしているストレートジーンズがここのところぱっつんぱっつんで、気付かなか…

田波ジェーン
3か月前
27

今年も綺麗だねぇ。

田波ジェーン
3か月前
20

いつかの韓国旅行記

現実逃避か、旅に出たい欲がすごい。 しかし今は新年度でそうそう旅に行く時間もとれない。 仕方がないので、何年か前に行った韓国旅行のことでも書きながら、思い出に浸り…

田波ジェーン
3か月前
39

バスボムをくれる人たち (春のひとりごと)

自転車に跨った私はハッとしていた。 "春がやって来ている" 交差点で信号待ちをしていると、角にある焼肉屋から炭の上で肉が焼ける香ばしい匂いがふんわり漂ってきて「あぁ…

田波ジェーン
3か月前
27

束の間リフレッシュ (長い日記)

仕事で遅くなった金曜。送ってもらう車の中で聴いたのは昭和名曲メドレーであった。 少し前の記事で、中島みゆきの悪女という曲について書いた時、登場人物のマリコについ…

田波ジェーン
4か月前
30

きゅうりが美味しく感じるとき

パスタランチにセットで付いてきた、ミニサラダのきゅうりを食べた私は驚いていた。 メインのボロネーゼより、コンソメスープより、そのきゅうりが群を抜いて美味しかった…

田波ジェーン
4か月前
23

夢にじいさん

おじいちゃんに会ったことがない。 私が生まれた頃には、どちらのおじいちゃんもいなかったから。 父方の祖父は早くに亡くなり、母方の祖父は蒸発したらしい。このことにつ…

田波ジェーン
4か月前
24
この読書感想文を自己紹介として

この読書感想文を自己紹介として

川上弘美の作品を読んだのは半年ぶりくらいだろうか。
川上弘美の作品は日常と非日常を暖簾一枚の気軽さで行ったり来たりしていると誰かがレビューで書いていた。
私は行ったり来たりというよりは常にそこにあって、それを不思議と思うこともなく共存しているというように思う。

神様やパワースポット、パワーストーンや心霊現象、そういったスピリチュアルな話は人が作り上げたような、信じる力とかとても人間らしさを感じる

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昼休みの散文

昼休みの散文

見えない
少し前からメガネの度数が合わなくなってきている気がして、やっとメガネを調整しにいった。
悪かった右の視力が更に悪くなっていて、左右差がすごいことに。何なら左は普通より見えてる。何でも私の利き目が右らしく、右ばかり使っているからこういうことになってしまうというような説明をされたので、それならいっそ右目を眼帯で封印したらどうなんでしょうか?と提案したら、ちょっと何言ってるかわからないみたいな

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最近のあれこれ

最近のあれこれ

Rちゃんが一身上の都合で会社を辞めた。
それは本当に急なことで、上から聞かされた時は私の小粒の目ん玉もチュッパチャップスくらいのサイズになって飛び出した。
Rちゃんといえば、この小さな事務所の殆どの経理を担当していた縁の下の力持ち的な存在で、微力ながら私も少しの経理を担当していたけれど、Rちゃんの仕事に比べれば子供のお使い程度のこと。だから引き継ぐ時間もなしにRちゃんが退社することは事務所全体が青

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言葉の擬人化

言葉の擬人化

noteを書いていると、言葉に迷うことがある。
どの言葉を選んでどのように並べるかが、その人の文章の印象を決めるとも思っている。
思ってはいるが、私の場合、適当に思いついたことを打ち込んでいる。
そもそもボキャブラリーがないタイプなので、そういう悩み方をするというよりは、意味を間違えてはいないか、不快にはさせないかという面で迷うことがあるという話である。

前回書いた「股間におできができまして」と

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そういうドラマはいらない。

そういうドラマはいらない。

こんなこと皆さんにお伝えすべきか悩んだんですけど、嫌われないかな、笑われないかなって想いが2、3分頭の中を駆け巡った結果、お伝えしようと思います。

股間におできができまして。

始めは自転車に乗っている時にちょっとした違和感があって、あれ?何か痛いぞとお風呂場で確認してみたところ、ほんの僅かな膨らみを発見。
でも、この時はニキビ的なものかなと思って気楽に考えていたわけです。それがあれよあれよとい

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露に包まれて

露に包まれて

GW後半が始まるというのに、心はどんよりとしていた。
任される仕事が増え、比例して責任も重くなり格闘する日々の中、パソコンをぶっ壊してしまうという失態。とりあえず別のパソコンで作業するも勝手が悪くて捗らない。何とか仕事が片付いた頃には、ほとほと疲れ果ててしまった。
重い目をこすりながら机の上を片付けていると、T子からスマホに連絡が入る。
「明日、2時に迎えに行くね」とある。
明日といっても、これは

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最近のあれこれ

最近のあれこれ

仕事先から会社に戻っていると、学生服にランドセルを背負った子供たちがわらわらと歩いて来た。ちょうど近くの小学校の下校時刻だったらしい。子供たちのカラフルなランドセルに時代を感じていると、信号待ちで後ろからやって来た男の子と女の子の会話が耳に飛び込んできて、つい振り返ってしまった。女の子が男の子に向かって「お前は犬みたいだな。ほら、ワンて鳴いてみろ」と言ったのだ。男の子は怒るわけでもなく、笑顔で「ワ

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ブランコ

ブランコ

幼稚園の頃、ブランコから落ちたことがある。
家の近くの公園で幼馴染のマンチョと二人乗りをしていた。
私は座って、マンチョが向かい合う形で立ち漕ぎをして、ぐんぐんと高さを上げて前後に揺れるブランコがその高さの頂点に到達した時、なぜだかパッと手を放してしまった。
気が付いた時にはブランコの下に敷いてある、長方形のクッション材の上に横たわって、空の方を見ていた。
マンチョは焦って「大丈夫?」と繰り返し聞

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筍ご飯が炊けるまで

筍ご飯が炊けるまで

今年も筍をもらった。
天気予報で桜の話題が出る頃に、にょきにょきと顔を出し、毎年誰かしらが堀りに行って私のもとへも届いてくれる。
「どうぞ」と渡された2本の筍は、程よい大きさで、程よくずっしりとしていて、京都からやって来たのだという。
京都からやって来たと聞くと、筍とはいえ、確かに少し品がいいような、ツンとしているような気がしてくるから不思議だ。

私は食べ物をよく貰う人だと思う。
食べ物といって

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さよならジーンズ

さよならジーンズ

ジーンズがきつい。
履き心地の良さと、どんなトップスにでも合わせやすいという理由でヘビロテしているストレートジーンズがここのところぱっつんぱっつんで、気付かなかっただけでひょっとしてスキニーだったりした?って、このジーンズのそもそもを疑ってみたりしたけれど、この子が紛れもないストレートジーンズだということは私が一番に知っている事実だった。
だってこの子はスキニーが流行った頃、私は中村アンちゃんみた

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いつかの韓国旅行記

いつかの韓国旅行記

現実逃避か、旅に出たい欲がすごい。
しかし今は新年度でそうそう旅に行く時間もとれない。
仕方がないので、何年か前に行った韓国旅行のことでも書きながら、思い出に浸りたいと思う。

しっかり者2人と癒しキャラ1人とポンコツな私、女4人で韓国へ飛んだ。
ことの発端は、4人で飲んでいる時に先輩Yさんが言った「韓国に行かない?」という発言にある。みんな酔っぱらっているものだから、行こう行こうと盛り上がってい

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バスボムをくれる人たち (春のひとりごと)

バスボムをくれる人たち (春のひとりごと)

自転車に跨った私はハッとしていた。
"春がやって来ている"
交差点で信号待ちをしていると、角にある焼肉屋から炭の上で肉が焼ける香ばしい匂いがふんわり漂ってきて「あぁ、お腹すいちゃうなぁ」とぼんやり思ったのだ。
毎日のようにこの場所で信号待ちをしているのに、そんな風に思うことがなかったのは、寒さで感じる余裕がなかったからだ。「早く青になれ」と呪文のように唱えた日々は終わり、ただぼんやりと青になること

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束の間リフレッシュ (長い日記)

束の間リフレッシュ (長い日記)

仕事で遅くなった金曜。送ってもらう車の中で聴いたのは昭和名曲メドレーであった。
少し前の記事で、中島みゆきの悪女という曲について書いた時、登場人物のマリコについて職場でも話し過ぎてしまったのか、Sさんには私が古い曲が好きな人としてインプットされたようで
「昭和名曲メドレーとか聴いちゃう?」と気を回してくれたのだった。
この時は疲れていて、なぜに昭和名曲?と疑問だったのだけれど、よくよく考えてみれば

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きゅうりが美味しく感じるとき

きゅうりが美味しく感じるとき

パスタランチにセットで付いてきた、ミニサラダのきゅうりを食べた私は驚いていた。
メインのボロネーゼより、コンソメスープより、そのきゅうりが群を抜いて美味しかったのだ。

「きゅうり、美味しい!」
興奮して同僚に伝えると、同僚もスライスされたきゅうりを口に入れ、考えるように咀嚼した。
「これは、普通に美味しいきゅうりだね」
「うそっ」

私は生野菜を好んで食べない。
夏場はトマトにきゅうり、レタスを

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夢にじいさん

夢にじいさん

おじいちゃんに会ったことがない。
私が生まれた頃には、どちらのおじいちゃんもいなかったから。
父方の祖父は早くに亡くなり、母方の祖父は蒸発したらしい。このことについて母は語らなかったし、私自身も全く気にならなかったのだけど、一度だけ母がダイニングテーブルで遅い昼食をとっている時に
「そういえばおじいちゃんてどんな人だったの?」と聞いたことがある。
母は一瞬、焼魚をほぐす箸を止めて
「おじいちゃんは

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