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そういうドラマはいらない。

こんなこと皆さんにお伝えすべきか悩んだんですけど、嫌われないかな、笑われないかなって想いが2、3分頭の中を駆け巡った結果、お伝えしようと思います。

股間におできができまして。

始めは自転車に乗っている時にちょっとした違和感があって、あれ?何か痛いぞとお風呂場で確認してみたところ、ほんの僅かな膨らみを発見。
でも、この時はニキビ的なものかなと思って気楽に考えていたわけです。それがあれよあれよという間に大きく立派に成長いたしまして、震える声で母親に電話を掛けました。
すると、案の定「オロナインを塗りなさい」という昭和の時代を生きた人なら誰でも言いそうな答えが返ってきまして、マツキヨに駆け込んでオロナインを購入。が、待てど暮らせど小さくならない。
それどころかまだ成長している気配すらあって、痛みも増して、毎日の自転車通勤も常時立ち漕ぎに。
私にここまでおできを育てあげるポテンシャルがあったなんて。
あたしゃ歩くより自転車で行動するほうが早いんだよなおばあちゃんを避けた時、うっかりサドルに腰をかけておばあちゃんより早く天竺が見えたよ。

これはいよいよ病院に行くしかないぞと思い始めるも、産婦人科の気軽に行けなさって異常なんですよ。
何度訪れたってあの椅子に慣れないし、超絶気が重い。
おできごときであの椅子か…。
そもそもおできなのかな?
おできと見せかけて、大変な何かだったらどうしようという不安が襲ってきて
「あいつは股間に出来たできもので人生の幕を閉じたんだ」って語られる深刻な妄想まで膨らんで、友人に連絡。
「いいから早く行け」というシンプルな回答に背中を押され、少し離れた口コミのいい小さな産婦人科を訪問。

受付で保険証を提示すると、受け取った看護師さんと目が合って、互いに息を飲んだ。
「Mちゃん?」
「ジェーンちゃん?」
「やだ!久しぶり!え、ここで働いてたの?」
「そうなの!看護師さんが産休の間、頼まれて働いてるんだ。今日はどうしたの?」
「恥ずかしいんだけど、何だかおできみたいのが出来ちゃって…」

ここまで話してハッとした。
もしかしてMちゃんに私の股間見られる?
そして大変な何かだった場合Mちゃんにバレるの?って。
Mちゃんは慣れた手つきで問診票を手渡して、順番まで掛けて待ってねと微笑んでいた。

神様、人生はドラマティックだなんていうけど、こういうドラマは全然いらない。
先週まで結構仕事のことで悩んでのに、今はそれそっちのけで100%股間のことで悩んでる。そこにMちゃんあてがうなんて、神様ちょっと意地悪だよって。誰だって股間のことで悩んでるなんてバレたくないの。

問診票のどうされましたかという質問に「おできのようなものが出来ました」いつからですか?「一週間前から」と書き込みながら悲しくなってくる。
以前、膀胱炎で訪れた泌尿器科でも、男性患者だらけの待合室で男性の事務員のような人に、現在妊娠の可能性があるか、授乳中か、などの質問をいくつもされて、小声で答えてるうちに泣きたくなってきたことを思い出す。なんていうか シモがツいてない。

悲しんだってもう逃げることも出来ないから、半分ヤケになってもう見たければ見ろ!の精神で診察に挑んだが、Mちゃんは立ち合わなかったし、診察もサラっと終わった。何だったら先生も見てないんじゃないかなくらいの呆気なさ。人生の幕開きっぱなし。

帰りがけ、Mちゃんは処方箋を渡しながら
「私も何回かできたことあるけど、これ塗ったらすぐ直るよぉ」と言ってくれた。Mちゃん、いい子!涙

薬のおかげで腫れもすぐに引いて、今は快適な自転車通勤ライフを送れている。サドルが愛おしい。
昭和の人に声を大にして言いたいけど、オロナインは股間の出来物には効きません。

近頃noteを書けていなくて、何か書かなきゃと奮い立つもこんなことしかなくて嫌になってしまいますが、私のしょうもない日常をどうぞお納め下さい。


週末に今年初の浴衣を着せてもらったよ。
悩んでた自分にさよなら。


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