もしも「今スグ、高校生に戻れますよ!」と言われたら・・・?誕生日を迎えて思うこと
平成から令和になった。
そして今日、私はひとつ、歳を取った。
30代も半ばになる。
30代って、決して若くはないけれど、諸先輩方から「まだまだ若いねぇ」と言われたりもする年代だ。
でも私が普段接するような高校生から見たら、30代なんてきっとオバサン以外の何者でもない。
あの頃は確かに、20歳までの時間が途方もなく長く思えて、それより先なんて30だろうが50だろうが一緒くたにハイ大人、というイメージだった。
また逆に、私から高校生を見ると「若いなぁー」と思うことばかりだ。
誰しも若い時代があった。
その「若さ」をひたすら積み重ねて、「今」がある。
そんな彼らを見ながら、ふと思う。
「今なら、100万円あったら高校生に戻れますよ!」
と、言われたら。
果たして、私は戻るだろうか。
・・・
答えは、No!だ。
もう一回高校生をやって、受験生をやって、人間関係を新しく築き直すなんて、考えただけでも大変過ぎる。
もちろん「あのとき、もしかしてあの道を選んでいたら」という道がないわけではない。
文理選択を、別にしていたら。
あの日、あのとき、あの友人に声をかけていたら。
選ぶ大学を違う場所にしていたら。
「if」を考え出すときりが無い。
そして違う道を選ぶことで、今自分が置かれている状況がすべて消し飛んでしまうのなら、むしろこっちから願い下げだ。
でも・・・もしかしたら「100万円で戻れるなら、戻りたい」と思う人は、世の中にいるかもしれない。
「いやいや、1億円出すよ」って、アタッシュケースをばぁーんとテーブル上で開く大富豪もいるかもしれない。
もっと言うと、「20代に戻りたい」「30代に戻りたい」「40代に戻りたい」・・・と、「若さ」というのは人の数だけ、飽くなき欲望をモリモリ生み出す可能性をはらんでいる。
そう考えると。
「若さ」とは、ときに100万円・1億円、それ以上の価値になり得るほどの「お金に変えがたい価値」を持っているのだ。
そして誰かに「若いねぇー」と言われる限り、いつでも、誰もが、若さという名の価値を持っている。
30代から見た10代は若い。
50代から見た30代は若い。
70代から見た50代は若い。
90代から見た70代は若い。
もっと言うと、今は亡き沢山の方々から見たら、100歳だって「生きてるんだからいいじゃない」だろう。
この世の誰もが、眩しいほどに若い。
この世の誰もが今、鮮やかに生きている。
この「若さと生」の価値を、ややもすると忘れてしまう。
いつも覚えている必要はないのかもしれない。
でも、年齢を重ねる時、時代の変わり目、ふとしたときに思い出し、今あることの奇跡に感謝したい。
誕生日。
私はひとつ、若さを失ったけれど、生き続ける限りずっと若いのだ。
30代の私は、私にできることを、ただコツコツ成していきたいと思う。
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