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    ミャンマーの内戦についてです。

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記事一覧

難民申請を却下された”ロヒンギャ”青年

彼はロヒンギャなのか?入管法改正反対運動で、たびたびメディアに登場していたロヒンギャ青年M氏……しかし2022年の記事で、彼は2歳の時に、ラカイン州のロヒンギャの村…

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3日前
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ロヒンギャはラカイン州の先住民である。

日本語で読めるロヒンギャに関する論考は驚くほど少ないが、ロヒンギャのルーツに関しては、根本敬氏が簡潔にまとめてくれている。 根本氏はロヒンギャを次の4つの層に分…

myanmartaro
4日前
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ミャンマー内戦⑫揺らぐ連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)

連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)とは?連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)とは、ワ州連合軍(UWSA)が主導する少数民族武装勢力(以下、EAO)の同盟である。加盟組織は、UW…

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10日前
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ミャンマー内戦⑪国際危機グループ「クーデター後のミャンマーにおける民族自治とその影響」(意訳)

国軍の劣勢ミャンマーの内戦は2021年2月1日のクーデターを機に始まったのではない。 ミャンマーでは、約20の少数民族武装勢力(以下、EAO)が、民族の権利と自治権拡大を…

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3週間前
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ミャンマー内戦⑩ロヒンギャはアラカンで存続の危機に直面している

ロヒンギャ各団体、緊急の国際人道支援を要請する。 共同声明2016年から2017年にかけての大量虐殺的攻撃の後、アラカン州またはラカイン州に残された60万人のロヒンギャ…

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1か月前
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ミャンマー内戦⑨ミャンマー内戦の勢力図

実態を反映していない内戦の勢力図クーデター以降、様々な機関が国軍と少数民族武装勢力の領土支配の変遷を示すとする図を公開していますが、その信頼性は低く、読者をミス…

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1か月前
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ミャンマー内戦⑧アラカ軍(AA)によるロヒンギャ小虐殺

国軍によるロヒンギャに対する人権侵害現在、ミャンマーのラカイン州では、国軍とアラカ軍(AA)(最近、アラカン軍から改名)が激しい戦闘を行っています。 その際、国…

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1か月前
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ミャンマー内戦⑦国軍派民兵の役割

シャン州南部 パオ民族軍(PNA)が、パオ民族解放軍(PNLA)などの反政府武装組織に占領されたシセン郡区の奪還作戦を主導した。PNAは、シャン州南部で勢力を強めつつあ…

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1か月前
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Hothouse Flowers / Liam Ó Maonlaí (リアム・オ・メンリィ)

活動期間:1985年~ 出身地:ダブリン メンバー(結成時): Liam Ó Maonlaí、Fiachna Ó Braonáin、Peter O'Toole、Leo Barnes 、Jerry Fehily Hothouse Flowers。U…

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1か月前
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The Pogues【アイリッシュパンクの元祖】

活動期間:1982年~1996年、2001年~ 結成:ロンドン メンバー:Shane MacGowan、Spider Stacy、Jem Finer、James Fearnley、Andrew Ranken、Darryl Hunt、Terry Woods …

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1か月前
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The Alarm【ウェールズのU2】

活動期間:1981年~1991年、2004年~ 出身地:リル、ウェールズ メンバー(結成時):Mike Peters(V&G)、Dave Sharp(G)、Eddie MacDonald(B)、Nigel Twist(Dr) ウェール…

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1か月前
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ミャンマー内戦⑥ミャワディ紛争後の国境管理と越境貿易(ISP-Myanmar)

各国境ゲートの支配状況 まず図の見方だが、各国境ゲート名に入っている色が、どの国との国境かを示している。🟦が中国、🟫がラオス、🟪がタイ、🟩がバングラデシュ、🟧…

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1か月前
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シネイド・オコナー

アイルランドの歌姫の称号が相応しい女性シンガーは誰か? と質問されたら真っ先に挙がるのはこの人……と言いたいところですが、人によってはドロレス・ケーンやメアリー…

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1か月前
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The Frames/グレン・ハンサード

The Frames。グレン・ハンサード率いるアイルランドでU2に次いで2番目に人気があると呼ばれるバンドです(が、そういわれているバンドは他にもあります《笑》)。 グレン・…

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1か月前
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ミャンマー内戦⑤Krackhauer氏による1027作戦以降のミャンマー内戦考

ミャワディの戦いをめぐる情勢変化は、ミャンマーの民主派支持者の多くを落胆させている。その一方で、この状況を意図的に利用し、歪曲され操作された報道を流布すること…

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1か月前
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The Boomtown Rats / ボブ・ゲルドフ

The Boomtown Ratsボブ・ゲルドフは、1951年10月5日、ダブリン近郊の町ダンレアリーに生まれました。ボノより9歳年上で、ボノと同じく青年期に母親を亡くしています。サ…

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1か月前
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難民申請を却下された”ロヒンギャ”青年

難民申請を却下された”ロヒンギャ”青年


彼はロヒンギャなのか?入管法改正反対運動で、たびたびメディアに登場していたロヒンギャ青年M氏……しかし2022年の記事で、彼は2歳の時に、ラカイン州のロヒンギャの村からヤンゴンに移り住み、2006年、20歳の時に来日するまでそこにいたと証言しています。

となると、彼はミャンマーの法律下ではロヒンギャではない可能性が高いです。というのもラカイン州に住むロヒンギャには、厳しい移動の制限が課せられて

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ロヒンギャはラカイン州の先住民である。

ロヒンギャはラカイン州の先住民である。


日本語で読めるロヒンギャに関する論考は驚くほど少ないが、ロヒンギャのルーツに関しては、根本敬氏が簡潔にまとめてくれている。

根本氏はロヒンギャを次の4つの層に分類している。

アラカン王国時代の「ムスリム住民」(1430年~1784年)

英植民地期に流入・定住した「ベンガル人」(1826年~1942年)

独立前後の混乱期に流入してきた「東パキスタン人」(1948年~)

第3次印パ戦争期に

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ミャンマー内戦⑫揺らぐ連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)

ミャンマー内戦⑫揺らぐ連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)


連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)とは?連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)とは、ワ州連合軍(UWSA)が主導する少数民族武装勢力(以下、EAO)の同盟である。加盟組織は、UWSAの他、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、民族民主同盟軍(NDAA)、カチン独立軍(KIA)、シャン州進歩党/シャン州軍北部(SSPP/SSA-N)、タアン民族解放軍(TNLA)、アラカ軍(AA)の7つ。

この

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ミャンマー内戦⑪国際危機グループ「クーデター後のミャンマーにおける民族自治とその影響」(意訳)

ミャンマー内戦⑪国際危機グループ「クーデター後のミャンマーにおける民族自治とその影響」(意訳)


国軍の劣勢ミャンマーの内戦は2021年2月1日のクーデターを機に始まったのではない。
ミャンマーでは、約20の少数民族武装勢力(以下、EAO)が、民族の権利と自治権拡大を求めて、長年、歴代の中央政府と戦ってきた。ミャンマー最古のEAOと呼ばれるカレン民族同盟(KNU)/カレン民族解放軍(KNLA)が反乱を起こしたのは1948年、KNU/KNLAと並ぶ有力EAO、カチン独立機構(KIA)/カチン独

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ミャンマー内戦⑩ロヒンギャはアラカンで存続の危機に直面している

ミャンマー内戦⑩ロヒンギャはアラカンで存続の危機に直面している


ロヒンギャ各団体、緊急の国際人道支援を要請する。

共同声明2016年から2017年にかけての大量虐殺的攻撃の後、アラカン州またはラカイン州に残された60万人のロヒンギャのうち、元の家に残っているのは3分の1に過ぎないとわれわれは推定している。

何万人ものロヒンギャがブティダウンとマウンドーの町で国内避難民となっている。

ブティダウンのダウンタウンに住むロヒンギャは、アラカ軍(AA)により5

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ミャンマー内戦⑨ミャンマー内戦の勢力図

ミャンマー内戦⑨ミャンマー内戦の勢力図

実態を反映していない内戦の勢力図クーデター以降、様々な機関が国軍と少数民族武装勢力の領土支配の変遷を示すとする図を公開していますが、その信頼性は低く、読者をミスリードするものが多い。その典型がニューヨーク・タイムズ紙が4月20日に公開した地図で、これはまったく実態を反映しておらず、各所で批判を浴びました。

この手の図の最大の問題点は、様々な少数民族武装勢力(EAO)を「反政府武装勢力」の一言でま

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ミャンマー内戦⑧アラカ軍(AA)によるロヒンギャ小虐殺

ミャンマー内戦⑧アラカ軍(AA)によるロヒンギャ小虐殺


国軍によるロヒンギャに対する人権侵害現在、ミャンマーのラカイン州では、国軍とアラカ軍(AA)(最近、アラカン軍から改名)が激しい戦闘を行っています。

その際、国軍がロヒンギャを強制徴兵して、「人間の盾」に利用していると各所から非難の声が上がっています。

実際、3月中旬には、国軍に徴兵されたロヒンギャの若者97名が戦死したという報道がありました。もっともこれは人間の盾として利用したというより、

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ミャンマー内戦⑦国軍派民兵の役割

ミャンマー内戦⑦国軍派民兵の役割


シャン州南部

パオ民族軍(PNA)が、パオ民族解放軍(PNLA)などの反政府武装組織に占領されたシセン郡区の奪還作戦を主導した。PNAは、シャン州南部で勢力を強めつつあるカレンニー民族防衛軍(KNDF)などのカレンニー族の武装組織に対する重要な緩衝地帯としても機能している。

ミャンマー中部

2023年11月、PDFが1027作戦後初めて制圧した町として注目を浴びたサガイン管区のコーリン市は

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Hothouse Flowers / Liam Ó Maonlaí (リアム・オ・メンリィ)

Hothouse Flowers / Liam Ó Maonlaí (リアム・オ・メンリィ)

活動期間:1985年~

出身地:ダブリン

メンバー(結成時): Liam Ó Maonlaí、Fiachna Ó Braonáin、Peter O'Toole、Leo Barnes 、Jerry Fehily

Hothouse Flowers。U2のマザーレコードからデビューしたバンドです。ボーカルのリアム・オ・メンリィは1964年11月7日生まれ。ボノより4つ年下です。リアムは幼い頃からケ

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The Pogues【アイリッシュパンクの元祖】

The Pogues【アイリッシュパンクの元祖】

活動期間:1982年~1996年、2001年~

結成:ロンドン

メンバー:Shane MacGowan、Spider Stacy、Jem Finer、James Fearnley、Andrew Ranken、Darryl Hunt、Terry Woods

元メンバー: Cait O'Riordan、Phil Chevron、Joe Strummer、Dave Coulter、James Mc

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The Alarm【ウェールズのU2】

The Alarm【ウェールズのU2】

活動期間:1981年~1991年、2004年~

出身地:リル、ウェールズ

メンバー(結成時):Mike Peters(V&G)、Dave Sharp(G)、Eddie MacDonald(B)、Nigel Twist(Dr)

ウェールズのU2……と言ったら、バンドのファンに殴られてしまいそうですが、そう形容しようがないほど、The Alarmは常にU2と比較され続けたバンドでした。両者の間に

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ミャンマー内戦⑥ミャワディ紛争後の国境管理と越境貿易(ISP-Myanmar)

ミャンマー内戦⑥ミャワディ紛争後の国境管理と越境貿易(ISP-Myanmar)


各国境ゲートの支配状況

まず図の見方だが、各国境ゲート名に入っている色が、どの国との国境かを示している。🟦が中国、🟫がラオス、🟪がタイ、🟩がバングラデシュ、🟧がインド。

次に国境ゲート名から伸びている線の先の点の色が、どの勢力が支配しているかを示している。🟢が国軍支配下のゲート、🔵が国軍支配下であるものの停止中のゲート、🟠が少数民族武装勢力(EAO)、国境警備隊(BGF)など

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シネイド・オコナー

シネイド・オコナー

アイルランドの歌姫の称号が相応しい女性シンガーは誰か? と質問されたら真っ先に挙がるのはこの人……と言いたいところですが、人によってはドロレス・ケーンやメアリー・ブラックやドロレス・オルダーンを挙げる人がいるかもしれません。が、我々硬派(?)にとってはなんといってもこの人シネイド・オコナーこそがアイルランドの歌姫なのです。ちなみに中田英寿さんは彼女のファンだそうです。

シネイドは5人兄弟姉妹の

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The Frames/グレン・ハンサード

The Frames/グレン・ハンサード

The Frames。グレン・ハンサード率いるアイルランドでU2に次いで2番目に人気があると呼ばれるバンドです(が、そういわれているバンドは他にもあります《笑》)。
グレン・ハンザードは1970年4月21日生まれ。ボノより10歳年下です。影響を受けたミュージシャンはレナード・コーエン、ボブ・ディラン、ヴァン・モリソン。好きなギタリストはデイブ・ギルモア、ピーター・グリーン、J・J・ケイル。初めて行

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ミャンマー内戦⑤Krackhauer氏による1027作戦以降のミャンマー内戦考

ミャンマー内戦⑤Krackhauer氏による1027作戦以降のミャンマー内戦考


ミャワディの戦いをめぐる情勢変化は、ミャンマーの民主派支持者の多くを落胆させている。その一方で、この状況を意図的に利用し、歪曲され操作された報道を流布することで、自己主張と他者への誤解を与えようとする者もおり、より広範な視点からの公正な判断を提供できていない。
ミャワディの戦いは極めて重要な瞬間だったが、それが内戦全体の結果を表しているわけではない。ミャワディの状況を踏まえ、ビルマ内戦を評価し、

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The Boomtown Rats / ボブ・ゲルドフ

The Boomtown Rats / ボブ・ゲルドフ


The Boomtown Ratsボブ・ゲルドフは、1951年10月5日、ダブリン近郊の町ダンレアリーに生まれました。ボノより9歳年上で、ボノと同じく青年期に母親を亡くしています。サクスフォンを弾き、ラグビーに興じるごくごく普通の若者だったボブは、大学卒業後、しばらく肉体労働に従事した後、カナダに渡って、独立系の音楽雑誌でジャーナリストとして働きます。そして1975年、アイルランドに帰国するとメ

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