それもまた、悪くない。


(動画を拝借します。)


とにかく、荷物の多いダンサーだった。

「いつでも踊れるように」と

いつも大きなカバンを持ち

ラジカセ、楽曲の数々、着替え、スニーカー、バレエシューズ、タオル

いつも持ち歩いていた。

満員電車では、いつも嫌な顔をされた。

重さ5キロ

「デートの時ぐらいそんな重いモノ置いてきたらいいのに」

いつも彼氏にそう言われていた。

「キャリーケースにすればいいじゃん」

同世代のダンサーにいつも笑われていたけど

自分でこの重いモノを持っていないと、

不安で仕方がなかった。








パーマがトレードマークだった。

思い起こすと

そこそこ注目される時は、いつもパーマだった。

それもあってか?

「パーマちゃん」とかあだ名をつけられたこともあった。

なんだそりゃ?と思ったけど

あだ名をつけられるのは、

悪くない。








「無国籍な雰囲気」がするらしい。

自分は純日本人だけど

いつもそう、言われていた。

顔は、特別綺麗でも可愛いわけでもないけど

スタイルは悪くないほうだった。

悪くない

ただ、女性にしては、かなり筋肉質で

タンクトップなんか着ると、上腕二頭筋がよく目立つ。

かと言って、

ジムでトレーニングというのは積極的にはしなかった。

時期的に集中してやったときもあったけど

基本的には、日々の鍛錬で鍛え上げたモノ。

その違和感のない自然な筋肉が

また「無国籍な雰囲気」を醸し出していたのかもしれない。









公園が好きだった。

たった一人で創作するときは、いつも公園だったような気がする。

結局、ダンスは身体での表現

いくら紙に書いたって、頭の中でいくら考えたって

身体で表現出来なきゃ、意味がない。

スタジオに入ると、時間に追われる

それも嫌で

自然の中で、自然に踊って創作するのが

自分のスタイルだった。

それを観た子供がしょっちゅう近寄ってきて

一緒に踊っていたりした。

そうなると創作どころじゃなくなるけど

それもまた、悪くない。

母親はいつも最初警戒する。

「無国籍な雰囲気のするパーマの女」

一体誰なのか?日本語は通じるのか?大丈夫なのか?

でも、普通に会話すると、いつも安心してくれた。

面白いものだと思った。

「バイバイ!またねー!」

そう言ってハイタッチしてお別れ

底抜けに自由に子供と戯れるのも

ひとつの創作だったのかもしれない。








作品にひとつも統一感のないダンサーだった。

観るたびに毎回ガラっと印象が変わる。

そりゃそうだ。

自分は「音楽が最優先」

音楽が変われば、踊りも変わり、印象も変わる。

それを表現するために

技術を磨きまくる

自分はそういうダンサー

常に変化し、進化して

ひとつとして同じ時がない。

それもまた、悪くない。







底抜けの自由さと 変化し続ける勇気と 得体の知れない不安を

大きなカバンにめいっぱい詰め込んで闊歩する

無国籍な雰囲気がするパーマの女

こんなダンサーが一人ぐらいいたっていい。

それもまた、悪くない。



拙い文章お読みいただきありがとうございました。





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