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#書評
スティーヴン・ホーキング「ビッグ・クエスチョン<人類の難問>に答えよう」
スティーヴン・ホーキングについてどれだけ知っているだろうか。
私が持っていた彼の印象は難病を抱えた天文学の天才ということぐらい。恥ずかしながら今まで「知ろう」としていなかったのだ。
今回、図書館で高校生向けの図書としておかれていた本書を手に取った。(周りに見られていないか少し恥ずかしかった)
本書の中では10個のビッグ・クエスチョンに対しての彼の見解が書かれている。
これらのうちのいくつ
ジョン・ボイル「ヒトラーと暮らした少年」★★★★☆
小説、ジョン・ボイルのヒトラーと暮らした少年を読んだ感想。
無垢な少年が迫害する側へと変貌する物語。
成長環境は子供の人格形成に大きく影響する。自分の中に判断基準を持たない子供は信頼できる大人を疑うことは難しい。また、権力を持つことや他人を威圧することで自己肯定感を増していき自身の考えを否定する者に耳を貸すことはますますできなくなる。
それでもこの物語には救いがある。若くして彼自身に気づきの
穂村弘「本当はちがうんだ日記」★★★★★
エッセイ集、穂村弘の本当はちがうんだ日記を読んだ感想。
面白い話をするのは難しい。特に「ちょっと面白いことがあったんだけど」などと話し始めたら最悪だ。ただでさえ難しいのにそのハードルを自ら上げてしまっているのだから。
自分の中では確かに面白いのだ。思い出し笑いをしてしまうほどに。しかし、言葉にして人に話してみると、どうもその面白さの十分の一も伝わった気がしない。最後には仕方なしに「っていうこ
榊原康 「NTT30年目の決断 脱「電話会社」への挑戦」★★☆☆☆
ビジネス書、榊原康のNTT30年目の決断 脱「電話会社」への挑戦を読んだ感想。
NTTグループの2010年代の動きが大まかにまとめられている。専門用語が多く、その分野に近い人にはお勧めできるが、興味のない人にはことごとくつまらないだろう。
単純な賞賛本ではなく、批判的な内容も多く、今後の課題を広く検証するなど批評としては良心的であるといえる。
通信業界に興味のある人は読んでみるといいだろう
ジェイン・オースティン「高慢と偏見」★★★☆☆
小説、ジェイン・オースティンの高慢と偏見を読んだ感想。
筆者の身近な世界を描いているからこそリアリティがあり、情景をつぶさに想像できる。ユーモアあふれる会話や知性を備えた主人公のエリザベスが魅力的。また、タイトルである高慢と偏見は読者にも少なからず身に覚えがある部分があるのではないだろうか。
次に、疑問に思った点。
まず活発で知性を備えたエリザベスに比べて彼女の家族があまりに愚鈍である点。これ