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ITエンジニアで濃い経験を積んでから望む仕事に就くという選択肢もありだと思う

いい年して未だに仕事でモヤモヤしています。ITの仕事をやっていますが、望んで選んだ仕事ではなく、選択肢がなくてしょうがなく選んだ仕事でした。

そして自分には合わず、興味関心も持てなくて勉強もこれと言ってせず、他のエンジニアとは人種の違いを関じて疎外感を感じながら続けてきました。

それでもITエンジニアには問題がある業界だからこそのメリットがありました。

現実はやりたい仕事に就けるわけじゃない

そもそも私は高校すら行けない落ちこぼれですし、30手前まで就職浪人していました。

そんなわけで介護かIT、今時なら運送など離職率が高くて人手不足の仕事しか選べませんでした。

ちゃんと働き始めるに当たって、仕事について色々調べてみたところ、自分がやりたい、面白そうと思えた仕事は経営コンサルとクリエイターでした。

高校すら行けず30手前まで就職浪人してた人間が選べる仕事じゃないですね。こんなヤツが選べる仕事は先に挙げた通り介護かITだったのです。

でもよくよく考えてみると、ITエンジニアは元請けで発注先企業と直で仕事できれば(業界的にはプライム案件と呼びます)、経営コンサルっぽい仕事がきるなと考えました。ただしITの範囲に限りますけどね。

それに介護はハードすぎてやっていける気がしませんでした。

離職率が高くて成長している仕事にはチャンスがある

ITエンジニアという仕事はとてもハードです。誤字脱字1文字でシステムは動かなくなりますが、そんなミスが多々起きます。

ハードウェアと違ってソフトウェアは実体感が解りづらいです。それゆえ意外なところで不具合が起きてシステムが動かなくなったりします。

業界の体質にも沢山問題があります。最近のIT業界は働き方改革の影響もあってか、だいぶ残業を減らしていますが、ちょっと前までは炎上とかデスマーチという言葉が使われるほど、終電や徹夜、休日出勤がありました。

長時間労働が常態化している上に、ITエンジニアの売上は時間で決まりますので、残業が多ければ多いほど偉いと言われていました。残業が多ければ多いほど売上が高くなってしまいますので。

更にはいわゆる偉いおじさんたちが根性論が大好きで根性論を押し通すというありがちな問題もありました。このせいで残業時間が多くなっていました。

実際にそこそこの規模の会社の役員が、ペナルティを厳しくして不具合が1個見つかったらテストを全部やり直しにしても不具合がなくならないから不思議だと言っていました。根性論で不具合はなくなりません。残業が無駄に増え、モチベーションが下がります。

こういう業界なので、心身ともに潰れてしまう人が多く、離職率が高かったです。またこういう体質に加えて技術者派遣がほとんどを占めています。派遣をやるには小さな会社でもできます。そのため小さい会社が多くて給与水準も低かったのです。

こんな問題だらけで離職率の高いIT業界ですが、離職率が高いがゆえチャンスも多く得られます。辞める人が多いということは、経験が浅くても、能力がなくても、自分がやらなければいけない状況がやってきやすいのです。

詳細はこちらに書いています。

ITエンジニアが自分に合わない

ITしか選択肢のなかった私ですが、IT業界で順風満帆にやってきたわけではありません。

この業界でずっと元請けでエンドユーザー直の仕事をやり、数年でプロジェクトマネジメントを任せてもらえるようになり、ずっと定時帰りしてきました。これだけ書くと、とても恵まれていて、チャンスを得た人に見えると思います。

たしかにそれは間違いありません。ときにはお客さんの担当者から厳しいお叱りをいただいたこともありました。様々な顧客企業の複数部門や他のシステム会社の責任者と一緒に仕事を進める経験は、他の仕事では得難いものでしょう。

こういう経験を通して自分の仕事のスタイルが確立されていきました。

一方でIT自体に関してあまり興味関心が持てませんでした。私が興味関心があるのは経営やデザイン、クリエイティブであって、技術にあまり関心が持てなかったのです。

新しいものは好きです。でも新しいマネジメント手法とか、新しい製品が好きなのであって、新しいIT技術はまぁ便利だから使いたいけど、好きだから使うではないです。

技術書も長期休みに買ってやってみるくらいで、積極的にやりたいとは思えません。そんな時間があるなら、経営とかマネジメント、デザインの勉強をしたいのが本音です。読書は常に毎月数冊はしていますが、IT系の本は年数冊です。

たしかに新しい技術は面白いと思います。今時で言うとコンテナとかマイクロサービス、サーバーレスは面白いと思います。でも自分がやりたいのはこれじゃないと感じる自分がいます。

私にとってITの仕事はオーセンティックじゃないのです。実はエンジニアと言われるのが違和感やあってすごく嫌なのです。エンジニアと言われたくないのです。でも他にできる職業はあるのかというと、ない。だから未だに何者でもないです。

ITエンジニアで積んだ経験を活かして転職できる可能性がある

ここまで書いたように、私は本当は経営コンサルがやりたかったけど、なれないからITエンジニアの仕事で似たようなことを志向してきました。しかし結果的に顧客企業の問題・課題と向き合う経験や、プロジェクトマネジメントの経験を積むことができました。

経営の勉強をしているからこそ顧客の事業や組織の理解で他のエンジニアと差別化でき、マネジメントの勉強をしているからこそ顧客の期待に応えつつ定時帰りを繰り返してきました。

つまり望む仕事ではないけど、やりたいスタイルで仕事できたのです。そしてやりたいことに必要な経験も積めたのです。

それではこれから定年までITエンジニアをやっていくのでしょうか?正直言って嫌です。やりたくてやってるわけではなく、選択肢がないからしょうがなくやっているのです。

でも顧客企業の問題・課題を解決する力やプロジェクトマネジメントはどこでも使えるのではないでしょうか?

私はどこへ行っても役立つスキルが3つあると考えています。マネジメント、IT、デザインです。これはどの企業でも必要なものです。20世紀は特に考えなくてよかったかもしれませんが、近年は3つともどんな会社でも必要性が増していると考えています。

マネジメントとITを身に付けた今、実は選択肢ができたんじゃないかと思うのです。

実際にITエンジニアから士業を取ってITを活用した経営コンサルとして独立するとか、発注側企業に転職してシステム企画をするという人は少なからずいます。

だから私も経営、プロジェクトマネジメント、IT、それから趣味でやっているクリエイティブも組み合わせて、IT企業ではなく事業会社で何かできないかなと考えています。

こうやって広く知識・スキルを捉えると、もっと違うオリジナリティのようなものが見えてくると期待しています。「仕事ができるとはどういうことか」という本ではセンスとかアートという言葉が使われています。

こういう広さで勝負するなら、最近の流行でいくとDXは活用できるかなと考えています。

流行だから、偉い人が言ったから、同業他社もやっているからという理由でIT投資を行うと痛い目を見ます。こんな例がきっとあるんだろうなと読んでいます。ここに切り込んで正しいIT投資を推進するのもいいかなと。ITの知識・スキルだけでは立ち行かないでしょう。

この辺り、IT企業にいてなおかつ経営やプロジェクトマネジメントが解れば解決できないかなと。

IT業界で得られる経験・スキルに加えて、自分で経営とか会計、組織、あるいはデザインやクリエイティブなどを学べば、これらの組み合わせで選択肢が作れるのではないかと思うのです。

そしてLIFE SHIFTで言うような人生100年時代をオリジナリティある仕事で生きて行けないかなと。

終わりに

今回は自分の悩みやモヤモヤを書き出してみたのですが、言いたいこともあります。

人生100年時代、80歳くらいまで働かなければいけなくなるご時世ですから、自分が持っているものに目を向けて、自分の可能性を広く捉えてみるのもいいと思ったのです。

もう一つの会社や一つの業種・職種で一生食っていけるかは解りません。自分の強みを明確にするとはキャリア論でよく言われますが、そこからさらに一歩進んで自分のオリジナリティを明確にしていくと何かが見えてくるかもしれません。

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