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エッセイ

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日々感じたことや面白かったことなどを書いていきます。 (駄)多発注意報が 常に発令されています。くだらなくても怒らないでくださいね。
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#ロスト・イン・トランスレーション

エッセイ306.おうちでロスト・イン・トランスレーション(23) ジョークでロスト

エッセイ306.おうちでロスト・イン・トランスレーション(23) ジョークでロスト

あるとき、生徒から聞いた話です。

息子さんが10歳の誕生日を迎えるそうです。
とても嬉しそうに話してくれて、つけ加えました。

「今までは くさい(9歳)だったけど、
明日から てんさい(ten歳)になりますね!」

私、ぽかんとして、

「え〜・・・・・と?」

と返しましたら、嬉しそうに教えてくれました。

「くさい、だった子が、てんさい(天才)になりますね」

わかる・・・

わかりますが

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エッセイ302.おうちでロスト・イン・トランスレーション(22)ふとんでロスト(補遺)

エッセイ302.おうちでロスト・イン・トランスレーション(22)ふとんでロスト(補遺)

続きを書こうと思っていたら、ふと思い出したので、
布団について、ちょっとだけ書きます。

なかなか日本では見られない名作

House of Bamboo
(邦題:「東京暗黒街・竹の家」)

は、私が数回にもわたって連続投稿をしてしまったほどに、完膚なきまでにボコボコに日本が誤解された、ロストに満ちた映画です。

アメリカのセットで撮影されたという、とんでもない日本家屋に、日本のお風呂、日本の食事

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エッセイ301.おうちでロスト・イン・トランスレーション(21)ふとんでロスト

エッセイ301.おうちでロスト・イン・トランスレーション(21)ふとんでロスト

リビングとの境の引き戸を開けると6畳の部屋です。箪笥と、開けていない段ボールが部屋の3分の1ほどを占めていますので、実質3畳に布団を敷いて、ぎっちぎちで二人の者が寝ています。

ある朝、夫が言いにきました。

「アイム・ソーリー、
今は私はこのマットレスを、
押し入れに入れることは できません」

「あっ、やっぱり腰?」

「そうなんです。
もうちょっとだとは思うんですがね」

私は100%在宅仕

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エッセイ280.おうちでロスト・イン・トランスレーション(20)説明マニア

エッセイ280.おうちでロスト・イン・トランスレーション(20)説明マニア

夫婦で話していて私が、
(どうしてもこれは日本語で言いたい)
と思うことがあり、一生懸命それを「英語で」説明することがあります。

でもそれをすると、「その冗談のどこが面白いのか」を説明し終わったときのように、むしろ虚しくなります。
難儀なものです。

例えば。

ここ3週間ほど、私は面倒だけれども、しないわけにいかない用事をしていて、
そのためにいつも、頭の隅に気がかりと心配を抱えていました。

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エッセイ242.おうちでロスト・イン・トランスレーション(18)急に丁寧になると

エッセイ242.おうちでロスト・イン・トランスレーション(18)急に丁寧になると

昔のドラマで、妻が夫を「あなた」と呼んでいたのは、リアルであったのでしょうか。

よく考えると、昔は多くの家庭で、

夫から妻への呼びかけ=おい・お前

妻から夫への呼びかけ=ねえ・あなた

だったような気がします。

あなた、おまえ、がそのうちに、新婚家庭に子供さんができれば、自然に各々の役割名を呼ぶようになる。
それは今でもきっとそうですよね。

これは外国の方からは「不思議です!」と思われる

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エッセイ229.おうちでロスト・イン・トランスレーション(14)評価って

エッセイ229.おうちでロスト・イン・トランスレーション(14)評価って

昨日の続きです。

今日は、 evaluation と 評価 のずれについてです。

英語人の夫の中には、会社用語の「評価=evaluation」には、
年に一度、上司と面談して、自分のこの年に成し遂げられたことを披瀝し、評価されるっていうあれ、会社の文脈だと、それしかないのですって。

なので、

「頑張った社員は評価されるが、そうでない社員は評価されない」

という一文を、米国の本社向けに

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エッセイ228. おうちでロスト・イン・トランスレーション(13)期待って

エッセイ228. おうちでロスト・イン・トランスレーション(13)期待って

期待する
評価する

簡単な言葉ですし、よく使います。
それなのに、英語と日本語の間にずれがありまして、間違いやすいです。
そう言う言葉はいくらでもあります。

外国語学習では、最初に
expect=期待する
とか、
evaluate=評価する

と 対応的に、イコール関係で覚えてしまいがちです。

また、実際に英語なら英語のグラウンドで使いまくって、違和感を覚えて修正する、というような

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エッセイ224.おうちでロスト・イン・トランスレーション(12)とっさに出てこない問題

エッセイ224.おうちでロスト・イン・トランスレーション(12)とっさに出てこない問題

私が昨日、お風呂を掃除しようとして排水溝の蓋を取りますと、
なんとなく、動くものがありました。
顔を近づけてよく見てもよくわからなかったのですが、
少し溜まったゴミの近くを、結構高速でその、細長いものは動いています。
スマホの明かりで照らして見て、私は

ぎゃっ!

と、飛び退きました。

それは、10センチ以上はある、毒々しく、角を生やし、
艶もある「あれ」でした。
びっくりしすぎて、名前を忘れ

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エッセイ150.  おうちでロスト・イン・トランスレーション(10)語順違い地獄

エッセイ150. おうちでロスト・イン・トランスレーション(10)語順違い地獄

私はせっかちで、バタバタしていることが多く、夫は普通の人よりずっとのんびりです。

でもその夫に、「せっかちだなぁ」と言いたくなることがよくあります。

それは英語で喋っているときで、なぜかというと、私が話し始めると
夫がすぐに遮る、または、まだ質問していないのに、予測変換のようにして、
つんのめって返事をする、ということがあるからです。

極端な例ですが、

昨日のことなんだけど・・・

昨日が

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エッセイ142.  おうちでロスト・イン・トランスレーション(9)てにをは問題

エッセイ142. おうちでロスト・イン・トランスレーション(9)てにをは問題

我が家では日常会話のレベルが二層に分かれています。

下層は日本語の世界で、これは日常語です。
「暑いので窓を閉めてエアコンをかけよう」
「ご飯もおかずもまだたくさんあるよ」
「もう出かけたいので、急いでよ」

というように、プラクティカルで実用的で短文となります。

上層が英語の世界で、これはひとえに、私が短気だからです。

日本語でなるべく夫と話そう、
たくさん話すことで、夫が自然なカジュアル

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エッセイ135. おうちでロスト・イン・トランスレーション(8)ういろう

エッセイ135. おうちでロスト・イン・トランスレーション(8)ういろう

外国人同士だけれど、お互いの母語が100%わかるカップル。
外国人同士だけれど、片方が相手の言葉を100%わかるカップル。
そんな人はきっと、たくさんいるのでしょうね。

汝らに幸いあれ、天国は汝らのものである。

と、イエス様もおっしゃいました。
嘘です。

コロナウイルス感染者の濃厚接触者である私は、
あと三日、家にこもっていなければなりませんが、
オンラインヨガのお試しでヨガをしたり、
野菜

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エッセイその134.おうちでロスト・イン・トランスレーション(7)親戚といっしょ!

エッセイその134.おうちでロスト・イン・トランスレーション(7)親戚といっしょ!

NZに帰省した際のロスト・イン・トランスレーションです。
いい汗かいてます。

夫の親戚や友人と話す場合、それまでの歴史があるため、話が見えません。
これは、同じ国の人と一緒になっても同じでしょう。
自分のわからない話が 延々数時間続くのには、もう慣れました。
全然大丈夫です。眠くもなりません。リスニングの練習です。

けれど若くて自意識過剰で、溶け込まなくちゃと強く思っていた時代は、
しばらくか

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エッセイその133.   おうちでロスト・イン・トランスレーション(6)持ち駒の言葉が少ない場合

エッセイその133. おうちでロスト・イン・トランスレーション(6)持ち駒の言葉が少ない場合

だいぶ日本語でコミュニケーションが取れるようになってきた生徒が
しみじみと愚痴ることがあります。

「先生 日本人と話す時 1対1だと、
相手もゆっくり、わかるように喋ってくれて、なんとかなるけど、
妻の実家などでみんなで盛り上がっているときは、
全然会話に入れなくなってしまいます」

ーーほうほう・・。

「同時に話す人がいたらもう、全然聞き取れないし、
話はあっちこっち飛ぶし、知らない言葉だら

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エッセイ132.おうちでロスト・イン・トランスレーション(5)ト・トランポリ〜ン

エッセイ132.おうちでロスト・イン・トランスレーション(5)ト・トランポリ〜ン

昨日の続きです。

日本人に対する英会話学習法には、有名な聞き流しメソッドや、ヒアリングレンジを鍛える方法などいろいろありますが、私がちょっとそそられるのは、性格を改善して、ひるまないようになり、抵抗なく口から英語が出るようにすればいいというものです。
恥ずかしがっているからだめなんだ!
という、あれです。

その理由は、自分の極端な内弁慶気質により、

安心して間違えられる場所だと平気で話すのに

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