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2024年4月の記事一覧

ふれることば

ふれることば

おもい、つたえたいことば
はっしたものの
おもいのすべて

うけとったがわの
かいしゃくのことなり

こたばであるがために
りかいしようとする
ほんのうてきなよみとり

しょうじてしまう
てざわりのちがい

ことなりはひつぜん

ひとつのえをみて
かんじかたがちがうように

いちまいのしゃしんから
つむがれるうたがちがうように

ことばですらみんな
りかいはことなるもの

ことばのかたちがちがうか

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気づき傷つき解るまで

気づき傷つき解るまで

気づかないものに
大事なものはあって
気づけないことに
後で悔やむ思い

たしかなものを
はっきりとした形にして
周りを見渡す余裕を
感じ取れる心の余白

真実という偽りなき主観
事実という悲しき客観

気づきに含まれる毒を
毒と分かって飲み込めるか
そんな勇気が試されている

生きる術を手に入れる
一生忘れない気づきを
事実と分かって飲み込む

のたうち回りながら
時の重み、時のあり方を
知って

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今のうちに

今のうちに

今のうちに
会っておかないと
さよならは
突然訪れるから

今のうちに
伝えないと
本当の気持ち
分かり合えないから

今のうちに
抱き締めないと
あなたの温もり
わかれないままだから

みんなの1日は
同じじゃないから
今のうちに
出来ることを

この時の大切さ

まだ大丈夫
抱える不安を
ほんのちょっと
勇気に変えてみて

夜纏言葉/大和言葉

夜纏言葉/大和言葉

どうにもならない思い
夜に溶かし言葉を探す
たおやかな心映えをと
しののめの明るみへと
手を延ばしたまゆらに
月冴える空に霞が立つ
夜を纏いて浮舟の思い
まとまらぬつたい歩き
まだ朝は早いと陽炎へ
空蝉に浮かぶ言葉の光
#造語お題

掌編小説 | わたしの石

掌編小説 | わたしの石

 小さな船の冷たい床に寝転がり、空に浮かぶ男の人を見ていた。
 わたしは船に乗せている大きな石が、片方の足を潰してしまっていることも忘れて、スーツを着ているその人を目で追っていた。彼はサラリーマンなのかな、なんてのんきに思っていた。わたしの目に映るのは、青い空、白い雲、そしてサラリーマンだった。

いつだったか、わたしはこの船に乗り込んだ。着の身着のまま、後先を考えずに、この小船に身を隠す

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まいせるふ

まいせるふ

何も決められない自分が好きで
何も決めない自分も好きで
何も決めないのに生きてる自分が好きで
何も決めないのに何もしてないわけじゃない
そんな自分が好き
嫌い、嫌いは好きの裏返し
やるせなさと許せなさは
相反して同居している
多少のギスギスは想定内
そうやって明日も穏やかになんて
ちょっと余裕をかましてみる
いろんな思いが
洗濯機の中のようにグルグルしてる
それでも考えて考えて考えたら
結局、自分

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掌編小説 | 儀礼

掌編小説 | 儀礼

※暴力的な表現を含みます。

 平日の昼間だ。早朝から江の島観光をした帰り、新宿までの普通電車の車内は空いていた。座席のシート一列を二、三人で分け合い、それぞれが他人の空間に立ち入らない配慮をして座っている。

 わたしには晶の右側を半歩下がって歩く癖がある。彼の前に立とうと思ったことはない。それはわたしが彼と保つ、絶妙な角度と距離であって、彼の方でもおそらくそう感じている。そのことについて二人で

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桜の咲く頃に

桜の咲く頃に

明るい人を見ると俯くことが多くて
美しい景色を見ると走り出したくなった
言葉と心の寄せ方が違うのが顔でわかる
それを理解するのにだいぶ時間を要した
何となく素朴に引き寄せられる生き方
誰もいないところで空気のように
無機質になることで力を抜けられた
前髪は不規則なほうが好き
自撮りをしない人生を良しとしている
たぶん独特な考え方なのだろう
どうやれば笑えるのかを知らない
というより笑いたくないのに

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