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人間が生きることを肯定したい

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あなたは、この世に産み落とされた、幸せ。 そう言いたい。 その一心で、色々な角度から「人間が生きる」ということを考察しています。 ※20代の頃に発信したメールマガジンですが、記…
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#幸せ

人間が生きることを肯定したい・24「明かき心①」

人間が生きることを肯定したい・24「明かき心①」

『あらゆる時代を支配している、
その時代特有の無意識の価値観、
それを神話と呼ぶ』

「アニミズムという希望
講演録・琉球大学の五日間」
山尾三省著 野草社より

最近とみに、日本人であることに誇りを覚えるようになった。
機会あって古事記や日本書紀にふれ、
各地の神社を訪ね、
日本の神道というものを意識するようになってからである。

人間はそもそも、
「明かき、清き、直き、正しき心」を持っている。

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人間が生きることを肯定したい・17「生きる力」

人間が生きることを肯定したい・17「生きる力」

『ねえ宮司さま、この世は、
思ったことが象(かたち)になって現れる世界、
「現象界」だってことだけど、
じゃあここに花が咲いているのはどうして?
ここに木が生えているのはどうして?
あそこに山があるのはどうしてなの?
誰が象(かたち)に現したの?』

『ははは。
いいところに気がついたな、美輪子。
”誰”だと思う?
ここにきれいな花があればいいな
大きな木があればいいな
あそこに山があればいいな

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人間が生きることを肯定したい・16「愛は私の胸の中」

人間が生きることを肯定したい・16「愛は私の胸の中」

『愛を探して あの船に乗った
愛が欲しくて あの汽車に揺られた
道に迷って あの風に聞いた
涙ながれて あの海に抱かれた
   
どこかに答えがあると信じてた
優しさを人に求めつづけた

探しまわっても見つかりはしないんだ
愛は私の胸の中
   
愛が欲しくて 嘘もついた
夢を求めて 罪も重ねた
道にたおれて あの川にすがった
涙ながれて あの雲に抱かれた
   
どこかに答えがあると信じてた

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人間が生きることを肯定したい・15「こどもの時間」

人間が生きることを肯定したい・15「こどもの時間」

『いたぞオーッ!
おい、いたよ、いたぜ、まったく参ったなあ、
アハハハハ、良かったなあ、生きてたよ』

~映画「こどもの時間」を観た
坂田明(ミュージシャン)が、
この映画は、
「絶滅していると思っていた
ニッポンカワウソを見つけたときのような、
しまいには涙声になる歓び」だと語った~      

屋久島へ一人旅をしてきた。
ほのかに杉の香りのする濃密な空気、
何千年も歳を重ねた樹木、太古の森。

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人間が生きることを肯定したい・14「人であることの意味」

人間が生きることを肯定したい・14「人であることの意味」

『人間の義務はね、
万物の霊長として
すべての生き物のために
祈ることなんだよ。
それが、天と地の間に垂直に立つことのできる
人間の役目だ。
祈り、すべての生命の魂を天に送ることが
人間の義務なんだ。
神はそのために人間を守ってくれるんだよ』

アイヌのシャーマン
アシリ・レラさんの言葉

私たちが、わざわざ人間として生を受けたのはどうしてだろう。
幾度も姿を変えて転生を繰り返すも、
今回、私

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人間が生きることを肯定したい・13「佐藤初女さんの生き方・2」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その⑤~

人間が生きることを肯定したい・13「佐藤初女さんの生き方・2」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その⑤~

『耐えがたきを耐え、
忍びがたきを忍び、
許さざるを許し、
それが愛。愛とは母の心』

佐藤初女著「おむすびの祈り」より

(前回の続き)
その本はさくらももこさんの可愛らしい挿絵で、
けっこう分厚い三部作だった。
子供向けに易しい言葉で書かれていて、
ユーモアと茶目っ気が全編を漂うものの、
実は炎のような信念と使命感で書かれたであろう。
アミという小さくて可愛い男の子の宇宙人が、
ペドゥリートと

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人間が生きることを肯定したい・12「佐藤初女さんの生き方・1」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その④~

人間が生きることを肯定したい・12「佐藤初女さんの生き方・1」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その④~

『あるとき神父様から、
あなたにとって祈りとは何ですかって聞かれたときに、
私はとっさに「生活です」って答えたんです。』
森のイスキア主宰・佐藤初女

佐藤初女さんの在り方に強く心打たれ、
次は絶対に初女さんのことを書くんだ、
ということは決めていたのに、
私はなかなか書き出すことができなかった。
それが何故なのかということに、
今日私はふと気がついた。
自分の中に「わからない」という疑問符がくす

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人間が生きることを肯定したい・11「知りたい、という願い」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その③~

人間が生きることを肯定したい・11「知りたい、という願い」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その③~

『スピリット(霊性)・マインド(知性)・ボディー(肉体)
 の調和こそ、人間本来の姿である。』
 登山家・ラインホルト・メスナー
                      

この人からただただまっすぐに受け取るのは、
「知りたい」という思いである。

何故そうまでして・・・と、昔の私なら疑問でしかなかっただろう。
「死の地帯」で初めて見えるもの。感じられるもの。
ラインホルトが自らの体を通して

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人間が生きることを肯定したい・10「象の生き方・死に方に学ぶ」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その②~

人間が生きることを肯定したい・10「象の生き方・死に方に学ぶ」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その②~

『エレナは全てを知っています。
それでもなお人間を愛してくれているのです。』
動物保護活動家 ダフニー・シェルドリック

「エレナ!エレナ!」
ダフニーの声が草原に響く。
しばらくの静寂。気配はない。          
・・・(本当にいるのだろうか?)
不意にブッシュが揺れる。
木の向こうに巨大な姿。
・・・(来た!)
巨大な体に反して、その存在の静かさ、落ち着き。
ゆっくりとした足取り。

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人間が生きることを肯定したい・9「なぜトマトは育ったか?」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その①~

人間が生きることを肯定したい・9「なぜトマトは育ったか?」~映画・地球交響曲(ガイアシンフォニー)より・その①~

『神とは、高度な自然のメカニズムの実体のことである』
植物学者 野澤重雄
       

「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」という映画を見た。
インタビューによって成り立っている映画で、
龍村仁という監督のライフワークである。

前回、あとがきの部分で、
「じゃあどのように変革するのか」
「そもそも”至高体験””運命の一瞬”において気づくことは”何”なのか」
「今、必要とされる”あるひとつの価

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人間が生きることを肯定したい・8「限界の向こう側」

人間が生きることを肯定したい・8「限界の向こう側」

『でも、なぜだろう。
私は世界が変ることを漠然と夢見ている。
小魚の群れがびゅんっと方向を変えるみたいに、
ある瞬間に同時多発的に
くるんと世界が変ってしまうような、
そんなことが絶対にあると確信している』
「田口ランディのコラムマガジン」2001.3.12号より         

こんな「法則」の話を聞いたことがあるだろうか。
猿がたくさん生息する島があった。
猿たちの主食はイモだった。

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人間が生きることを肯定したい・7「臨死体験」

人間が生きることを肯定したい・7「臨死体験」

『同じ世界の中で
それぞれの命を生きている 
人も鳥も木も
やがて土に帰る日が来れば
すべてがひとつだったことに
気付くのだ
今ある命は
人として生きた木かもしれないし
木として生きた人かもしれない』
神岡学・神岡衣絵作「森呼吸」より 
(流木で造った作品の写真と詩の本)

”真実”というものが存在するなら、
科学も宗教も実は同じことなのではないか・・・、
という漠然とした思いが私にはある。
実際

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人間が生きることを肯定したい・6「センサー」

人間が生きることを肯定したい・6「センサー」

『そもそも希望は、いつも、「・・・にもかかわらず」心にいだかれるものだ。「・・・だから」希望がいだかれるわけじゃない。』
_____「オリーブの森で語り合う」(ミヒャエル・エンデ全集15)より

前回「リズム」という文章を発表したところ、
読んでくださっている方から、とても共感できるメールが届いた。
了解をいただいたので、少し引用させていただく。

『これはキリスト教の「罪」、という言葉についての

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人間が生きることを肯定したい・5「リズム」

人間が生きることを肯定したい・5「リズム」

ニュース番組で、
8歳の男の子が両親にロープで縛られ、
ベランダにまる2日置き去りにされ死亡するという事件を見た。
この類の事件には、どうしようもなく心が騒ぐ。
「いやだよ、いやだ・・・」と頭をかかえ、
世の中のすべてから目をそむけたくなる。

私にとってこの世で最も忌むべきもの、
それは親による子供の虐待だ。
幼い子供にとって、
親は最も愛されたい相手、最も愛している相手、
世界観の全てだ。

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