奏多
掌編小説を纏めました! サクッと読めるので、ちょっとした時間に(*´-`)
現在連載中の小説「忘れ者」です! 少年は遊ぼうと誘ってくる。 見つけたいのに、見失ってしまう。 信じたいのに、疑ってしまう。 思い出したいのに、忘れてしまう。 少年は遊びに誘う。 「あなたのいらないものと、僕の持っているあなたの欲しいもの。奪い合いをしますか?」 現代ファンタジーミステリーです。
音楽関連を纏めました♪ゆったりとちょっと一呼吸に♪
【写真で掌編小説】 「初めまして!」 僕は君の友達だ。 君が生まれて間もなく、君の隣で眠る。 ギュッと抱きしめて、話を聞いて、また一緒に眠る。 君が大きくなるに…
【写真で掌編小説】 「私はあなたが……」 私はあなたが嫌いだった。 あなたはいつも暗い顔で、悩み事や辛い事に苛まれているように見えるから。 言葉で繕うばかりで努…
【写真で掌編小説】 「空の色」 私はいつもピンクのポーチを持って歩いている。 子供の頃からずっと大好きなピンク色。 お財布も筆箱も、お気に入りのものは全部ピンク…
学校の帰り道は恵美と一緒だった。 「藍子は彼とは仲良くしてるの?」 「えー、そういうのは言いたくないなー」 恵美は私の脇腹を突いてくる。 「いいじゃん。聞か…
「あいつら見つけちゃったなー。久しぶりに負けちゃったや。あーらら」 けらけらと笑う。 「忘れて欲しいって思うくせに。矛盾ばっかだよなー。ま、そのおかげで暇なん…
鬼ごっこ警察署の近くには、防弾チョッキを求める人で溢れていた。 「このままだと、弘樹君が……」 『犯行声明』のアプリで見ると、弘樹君の花は残り一輪だけだった。…
まさか、本当に裏切り者がいるなんて……。 僕と藍子さんは鬼ごっこ警察署に向かった。 これは僕の提案だった。 藍子さんは事情がよくわからない、という表情を…
この世界はどんな世界なのだろう。 本物とか偽物とか、そういうのばかりでわからない。 弘樹君は目の前に立っている男性に怯えている。 やっぱりこの男性はあの…
どこにいてもダメ! 誰といても安心できない。 急いで逃げないと。 遠くへ。遠くへ逃げないと。 私の足は自然と街から遠ざかっていった。 細い路地の隙間…
残り三時間か……。 時間に余裕はない。 『犯行声明』のアプリが伝えてくるのは、焦りと疑いだ。僕たちから余裕という安心を奪っていく。 安心が奪われ続けると、…
このままだと私は七時間後に敗北者になる。 でも、それ以上に深刻なのは、恵美の方だった。 恵美は、あと四時間で敗北者になる。 私たちに与えられた情報では、…
なーんでこんなおいしくもない展開になっているんだか。 弘樹が俺の肩を壁に押し付けてくる。 「弘樹ー。痛ぇんだけど……」 言うと弘樹の力がさらに強くなった。…
学校で話していた時とはまるで違う。 ふざけながら、「私たち親友だよねー」とか言ってたのが嘘のようだった。 藍子も私も言葉や態度で取り繕う事も無く、これが本…
2019年11月23日 15:58
【写真で掌編小説】「初めまして!」僕は君の友達だ。君が生まれて間もなく、君の隣で眠る。ギュッと抱きしめて、話を聞いて、また一緒に眠る。君が大きくなるにつれて、抱きしめてくれる回数は減ったけど、その代わりにいっぱい話しかけてくれる。僕はその話が大好きなんだ。君の友達でいられる事が嬉しいんだ。そして、君は大人になっていく。恋人が出来て、家族が出来て、君は新しい宝もの
2019年11月22日 16:12
もっと優しいものを作りたいな!
2019年11月22日 14:05
【写真で掌編小説】「私はあなたが……」私はあなたが嫌いだった。あなたはいつも暗い顔で、悩み事や辛い事に苛まれているように見えるから。言葉で繕うばかりで努力もしない。そんなあなたはきっと誰にも好かれない。だから、私はあなたが嫌いだ。会社に向かう途中、新しくオープンした美容室が目に入る。宣伝なのか技術を磨くためなのか、店先でカットモデルを募集していた。若い美容師が声
2019年11月21日 23:04
【写真で掌編小説】「空の色」私はいつもピンクのポーチを持って歩いている。子供の頃からずっと大好きなピンク色。お財布も筆箱も、お気に入りのものは全部ピンク色をしている。今日もお気に入り色を持って学校へ行く。美術の授業は教室を移動する。お気に入りのポーチを持って教室を出る。入り口で君とぶつかった。私の落としたピンクのポーチを君は拾い上げる。君は苦そうに笑いながら
2019年11月21日 22:27
期間が空いてしまいましたが、また復帰したいと思います!まだまだチャレンジしたいことや、興味のあるものもあるので、これからもよろしくお願いします♪
2019年7月8日 00:03
マガジンとまとめが大変だった。「忘れ者」完結しました!→ https://note.mu/ashiya87249/n/n57a6028cca30よろしくお願いします!
2019年7月7日 23:33
学校の帰り道は恵美と一緒だった。「藍子は彼とは仲良くしてるの?」「えー、そういうのは言いたくないなー」 恵美は私の脇腹を突いてくる。「いいじゃん。聞かせなよー。私のおかげで付き合ってるんでしょー」「それはそうなんだけど……」「でしょー。和志の奴の浮気が見つからなきゃ付き合えなかったんだから。感謝しなさい」「でも和志君は浮気してないんでしょ?」「そう言い訳してるけど
2019年7月7日 23:32
「あいつら見つけちゃったなー。久しぶりに負けちゃったや。あーらら」 けらけらと笑う。「忘れて欲しいって思うくせに。矛盾ばっかだよなー。ま、そのおかげで暇なんだけどな」「またボール蹴りでもしてきたら?」 ばあちゃんが言う。「あれはボール蹴りじゃなくてサッカーって言うんだよ」「私には暇つぶしのように見えましたよ」「ま、それは正解なんだけどね」 少年は鏡を覗き込む。「
2019年7月7日 23:31
鬼ごっこ警察署の近くには、防弾チョッキを求める人で溢れていた。「このままだと、弘樹君が……」『犯行声明』のアプリで見ると、弘樹君の花は残り一輪だけだった。 もう時間もわずかしか残されていない。「大丈夫」 弘樹君はどこか確信を持ってそう言っているようだった。その確信がどこにあるのかはわからない。 弘樹君は人で溢れている鬼ごっこ警察署に向かい歩き出した。「弘樹君……! 見
2019年7月7日 23:30
まさか、本当に裏切り者がいるなんて……。 僕と藍子さんは鬼ごっこ警察署に向かった。 これは僕の提案だった。 藍子さんは事情がよくわからない、という表情をしている。 行けば、おそらくわかるだろう。 そんな直感的なものだった。「弘樹君は、本当に裏切り者がいるって思うの?」 藍子さんは不安そうに言う。「多分……」 僕は確定として言う事が出来なかった。藍子さんの気持ち
2019年7月7日 23:29
この世界はどんな世界なのだろう。 本物とか偽物とか、そういうのばかりでわからない。 弘樹君は目の前に立っている男性に怯えている。 やっぱりこの男性はあの男性なんだ。「いい加減にしろよ。俺は忙しいんだ」 男性は威圧的な態度を見せてきた。弘樹君は視線を斜め下に落としている。「あ、いえ、えっと、すみません。人違いでした」「んだよ……。だったら話しかけんな。ちっ」 男性は
2019年7月7日 23:28
どこにいてもダメ! 誰といても安心できない。 急いで逃げないと。 遠くへ。遠くへ逃げないと。 私の足は自然と街から遠ざかっていった。 細い路地の隙間を縫うように、街の中心を避けていく。 誰から逃げているのかも、なんで逃げているのかもわからない。 だけど、みんなが私を裏切り者だと思ってるし、この世界にいる人はみんな私を捕まえようとする。 そんなの逃げるしかないじゃな
2019年7月7日 23:27
残り三時間か……。 時間に余裕はない。『犯行声明』のアプリが伝えてくるのは、焦りと疑いだ。僕たちから余裕という安心を奪っていく。 安心が奪われ続けると、疑心暗鬼に駆られてしまう。それこそ、今のこの状況が当てはまっているのだと思う。「弘樹君。大丈夫?」 隣を走る藍子さんが心配そうな目をしている。「僕は大丈夫。ただ、恵美さんが……」「そうだよね……。なんでこんな風にばらば
2019年7月7日 23:26
このままだと私は七時間後に敗北者になる。 でも、それ以上に深刻なのは、恵美の方だった。 恵美は、あと四時間で敗北者になる。 私たちに与えられた情報では、敗北者になると何かいらないものを失い元の世界に戻る、というものだけだった。そのいらないものが、何なんのかは何もわからない。その事が、焦りだけを生み出していった。「どうしよう……。また一時間が経っちゃう……」 恵美が呟いた。赤い
2019年7月7日 23:25
なーんでこんなおいしくもない展開になっているんだか。 弘樹が俺の肩を壁に押し付けてくる。「弘樹ー。痛ぇんだけど……」 言うと弘樹の力がさらに強くなった。「なんで、お前がここにいるんだよ」「なんで、って言われても……。お前たちと同じように勝ち上がってきただけだろ?」「嘘を吐くな。僕まで騙せると思うなよ」「って事は、後の二人は騙せるって事かよ。それって酷くねぇ?」 け
2019年7月7日 23:24
学校で話していた時とはまるで違う。 ふざけながら、「私たち親友だよねー」とか言ってたのが嘘のようだった。 藍子も私も言葉や態度で取り繕う事も無く、これが本当の親友になれたような気がした。『親友』って言葉を使っていた時よりも、そんな括りを付けない今の方がよっぽど親友だと思える。あの頃に信じていたものが何もかも変わっていくようだ。 恵美の事も、和志の事も。 藍子はスマホを取り出し