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エッセイ

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自身の記事の中から、エッセイをまとめています。
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#病

絵画

絵画

突然ふと、太陽が隠れたら
ふと、この道を行く意味を失って
そうして、ぴたっと足を止めたくなる
でもこの世界で足を止めることは
心臓を止めることに似ているから
力が抜けそうな体を
重怠い足を
とりあえず交互に出している

そんな瞬間がふとやってくる
脳が何かを拒んでいる
心が脱力している

この道を行くために
路傍の店で欲を満たす
けれど十分に満たせる程の
対価を持ち合わせていない
明日が遠くなる

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カフカ

カフカ

カフカの『審判』
ちびちびと読み始め。

『変身』は駆け抜ける様に読んだ。
読後、ただただ「なんという…。」と呟いて、
衝撃が残った。

だけど、『変身』にしてもこの『審判』を読んでいても、冒頭からずっと奇妙さや違和感、まさしく不条理の渦に包まれているのに、妙に読んでいて居心地が良い。

「水を得た魚」と言っては用法が違うけれど、
自分が昔から息をし続けていた、不条理という海の中に帰してもらった感

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予感

予感

暇だ。とは言えこの世の中、「暇」なんて今やあるのだろうか。本を読む、テレビを観るなどに加え、今はSNSやサブスクなど多様な情報やエンターテイメントがあるのだから。
なんて、今や当たり前の話をしているけれど、でもそれってリッチな話だよなぁと思う。これらはすべて、お金で手に入るものなのだから。「貧乏暇なし」とは言うけれど、ある意味で「裕福暇なし」である。うーん。違うか。この言葉にするにはそもそも、「暇

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