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忙しいのは悲しいのと同じくらいキラい

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暇すぎて考えてしまうこと。半径0メートルの形而下学。見えるものしか見ません。
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#日記

国立博物館の常設展が果てしなく広いみたいに

5月18日は国際博物館の日、らしく全国の博物館・美術館が割引または無料で入館できる。という記事をサジェストしてくれるGoogleはしっかりパーソナライズされているなと感心。

科学博物館と東京博物館には子どものとき以来行っておらず、西洋美術館にも好きな絵がたくさんあるから朝から晩まで入り浸りたいところではあるけれども、昼間に見ておきたい映画があったから午後からにする。タダだからというより、お祭りに

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舗装された山手通りもTOCビルも心地が良いみたいに

ずっと工事してるせいで道幅が狭くなっていた山手通りの中目黒あたりを私は基本的に自転車で通る。もともとだだっ広いから狭まったとて走れなくなるほどではなく、邪魔でもなく終わってより良い道になることを待ち望むでもないただの工事と思って横を通り過ぎていた。今日、工事が終わった区間を走ったら、舗装が進んで路面がとても滑らかになっていた。もともとガタガタだった記憶がないので、もしかするとそのための工事ではなか

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古本屋街で老紳士が道を尋ねてきたみたいに

映画をみるときいつもなら直前に劇場に到着するのだが、今回は傑作と名高いもののなかなか上映されない映画かつその日がファーストデイだったので、混雑を恐れて30分の余裕を持って映画館に到着。整理番号を見るかぎり、ぎりぎりに行っても入れたみたい。ゆったり見られるのが嬉しい反面、好きな映画に集まる視線が少ないのが寂しい気持ちもある。したがって、ただ時間が少し余るだけに。

といいつつ本当はもっと早くついて半

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結局シフトを代わらなかった人に「お大事に!😢」って送るみたいに

体調が悪いので仕事を代わってもらえないかと連絡。結局別の人が行けることになったので出る幕はなく、自分は映画を見に行く予定を遂行できて安心したのだけれど、なにかひとこと言葉をかけてあげなければならない。「お大事に」のひとことだけではもの足りない。他人のことのわりにけっこう心配だったから、”心配している”というか、”あなたが体調悪くて私は悲しい”ことを伝えたい。だからといってうだうだ言ってもうっとうし

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図書館より公園のほうが語学の勉強がはかどるみたいに

映画を観に出かけるついでに、外で語学の勉強をしようと思い立つ。図書館にたどりついたが席が空いておらず、出てすぐにある公園のベンチに落ち着いた。陽射しも弱まったころで、気温もちょうど良く、心地よい場所を見つけることができた。いざ始めてみると、屋内ではできなかった発音の練習がここではできることに気づく。人通りもまばらの公園でひとりで外国語をつぶやきながらテキストとにらめっこ。もっともひらけた空間にいる

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ごみ箱を部屋の隅に移したみたいに

どこからでもゴミを捨てやすいように、部屋の真ん中あたりに蓋の無い状態でゴミ袋を置いていた。冬の間は気にならなかったのだが、このまえ長く家を空ける前にごみを捨て損ねると、帰ってきてからいままでのレイアウトのおかしさにやっと気がついた。そして蓋のあるごみ箱を買い、部屋の隅にしまった。

なるほどこうして、都市が中心と周縁に分かれていくのだなと納得した。現代ではごみ処理場が都市部に高い煙突をそびえている

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あの人のLINEの名前が苗字だけになっていたみたいに

誕生日の朝目覚めて確認できたお祝いLINEは母親と、ついこの間就職により一緒の職場を去っていった友達からの2件のみだった。ここに公式のものをいれるギャグをしたかったのだけど1つもなくて残念だ。個人情報の流出が最小限という意味ではよいことだが。

どちらも期待というか想定をしてたので大きく感情は動かなかったのだが、友達のアカウント名が少し変わっていたのが、自分にとっては大きい変化に感じられた。すべて

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私が映っためざましテレビを見ていた人の数に思いを馳せるみたいに

昨日服を買って店を出たら朝の情報番組の取材班に声を掛けられた。あまりまとまった話ができた自信はなかったけど、”正解”を知りたいのもあって早起きして確認した。すると上手くいかなかったと思っていた前半部分の受け答えが、華麗な編集で間を削って使われていた。

まず家族のグループLINEに動画を送った。みんな見ただろうけど、いつもどおり母親だけから返事がきた。向こうから何も言ってこなかったということはリア

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花をプレゼントしたりりんごをおやつにすれば安く済むみたいに

職場の人が誕生日を迎えたから、その人と会う昨日はプレゼントを探し回った。かたちが残るものをあげるほどの関係性でもないから、食べ物かお酒か。お菓子はバレンタインとかぶってしまうから(相手はもらう側ではないから余計な心配なのだが)避けよう。でも結局ちょうどいい値段のものがなくてケーキにした。”逆チョコ”とは違う渡し方をするために、一輪でもお花を添えて渡すことにした。お花が好きな人と知っていて、お花をあ

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固い椅子の上で向き合ったみたいに

今日知り合いとお茶をしたお店の椅子が固かった。固いだけでなく、座面が浅くてすぐ後ろが壁だったから、ものすごく窮屈だった。そこがれっきとしたカフェではなく、イートインスペースもあるチーズケーキ屋だったからしょうがない。だがそこで結局2時間半も話してしまった。座り心地の悪さが気にならないほど溶け合うような時間だったわけではない。斜めを向いて深く座っているように感じられないか、足を広げて前を向いてはどう

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誰かを待ちながらひとりで居酒屋に居るみたいに

ガチかどうかわからない先輩からの呑みの誘いが夜にあるだけの1日。昼頃確認してみたら本当にあった。8時以降に集まることは決まって、8時前に連絡したら「8時に集まろう」と。間に合うわけもなく8時20分すぎにお店に着くと「まだ家出られてない(汗)」。向こうが忙しいのはわかっていたので、路地裏の居酒屋で想定内の待ち時間。江國香織を携えていたのでばっちこい。さらに今度行く旅行のきっぷやら宿やらが決まったので

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車いすを押して歩くと段差に気づくみたいに

昨日仕事で車いすのお客さんを少し離れたところまで送っていくことになった。いつもは割と皆さん自力で行き帰りされるのだが、その方が前来た時、道が混んでいて人にぶつかりそうで怖かったという。たしかにうちはそこそこ急な坂の途中にあって、自重を手で支えて進む人には遠く感じる場所だったのだと、今回初めて思い知った。自分も自転車で来るときはその勾配を感じているが、きつかったら足をつけば楽にすすめることからその立

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恵方巻を口いっぱいに願い事をするみたいに

美術展の予約時間が迫っていたので急いで向かったので、起きてからまともにご飯が食べられないまま夕方になってしまった。美味しそうなごはん屋さんの横を通るたび今度行くリストに追加しながら家までの道を歩く。今日は恵方巻にかぶりつくのを楽しみにしていたからなんとしても寄り道してはいけない。最寄りのスーパーで高すぎず安すぎずのもの(海老とか穴子とか卵焼きとか)を選び、腹ペコで帰宅。食欲がMAXを迎えハァハァし

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藝大卒展で名刺を置かない人の作品のほうが心に残ったみたいに

東京藝術大学の卒業・修了展を見に行った。空飛ぶこたつがネットでバズってなかったら存在さえ知らなかった程度の興味だったが、暇だったしひょっとしたら仲間が見つかるかもしれないと思って上野公園まで足を運んだ。あの辺は足を踏み入れるだけで意味のある一日になった気がして良い。

彼らにとってそこは学生生活の集大成を披露する場でもあり、学友みんなで作る催しでもあるが、やはりひとつの「市場」なのだなという感想を

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