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#エッセイ

no title

no title

だからなんだって言うんだ?
それが、そのことが、そのひとを語るのに欠かせないことなの?

だれもが、あまり人には知られなくないことや
聞かれなければわざわざ話さないことってあると思う。

だけども、世の中には誰かのそういう部分をわざわざ話題にしたがる人がいる。勿論本人不在が前提で、有名無名に関わらず。

それは例えば、朝の登校見守り時。
登校して行った近所の子どもについて
『○○ちゃんは△キロにも

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ハズキルーペの向こう側

ハズキルーペの向こう側

長男に苦手なCM・好きなCMを尋ねられた。

苦手なほうは『アレクサ、キッチンペーパー頼んで』が胸を掻き乱して仕方がないamazon echoのケーキバージョン。

好きなほうはハズキルーペと答えた。

なんてたって、ハズキルーペのCMは進化が止まらない。ポケモンで例えようと思ったけれど、出世魚のほうがnoteには何となく相応しいので……

石坂浩二ver.がワカシ
舘ひろしver.がイナダ
そし

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はじまりは今。

はじまりは今。

4月1日、日曜日。夕刻。
京都駅の新幹線のホームで、そのひとはさめざめと涙を流していた。



東京行きの新幹線が、新大阪から京都へあっという間に滑り込む。

旅の狂騒の名残りを抱えつつ、見るとはなしにぼんやりとホームを眺めていたら、携帯電話を握り締め、泣き腫らして少し先の窓のなかを見つめる女性がいた。私より少し歳上だろうか。

ある種の確信を持ちつつ視線を車内に戻すと、やはり、何列か前の座席脇

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last train home

last train home

気絶するほど、遠くまで来た気がする。
だけど今、振り返ってみると
瞬きのようにあっという間だった。

次男が卒園して
我が家の幼稚園生活が終わった。

息子たちは同じ幼稚園に通って、通算6年。
次男が生まれてからずっと同じ日常を繰り返してきたけれど、ふっつりと、もう幼稚園に行くことはない。

特にこの2年間は、クラス役員と謝恩会役員を務めた為、日々は光の矢のように飛んで行ってしまった。

子育ての

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君はシュープリーム。

君はシュープリーム。

夢は、しみじみと驚くようなことを連れてくる。眠る私を時間旅行に誘うように。

夢の中。デート中。
私は峯田和伸と池袋にいた。ご飯を食べ、お酒を飲み、西口側の駅構内を愉しい心地で彷徨していた。このあいだ、彼が住んでいる高円寺で飲んだ時は、アパートにお邪魔してもちゃんと終電で帰宅できたのに、今日は帰りたくないし、帰らせたくなかった。

人生初の『このまま流れでお泊まり』っていうのを敢行する為に、箱入り

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forgood.

forgood.

車を買い替えることになり、納車を来週に控えた今、何とも言い難い寂寥感に見舞われている。

彼女(もうあえてそう呼んでしまおう!)は11年目を迎え、走行距離は10万キロを超えている。半年ごとにディーラーで定期点検してもらってメンテナンスしている為、まだまだ健在。

たまに私以外の人が運転すると『運転席のシートがwackeychicksのお尻の型になっているみたいで、座りにくい』と言われる。HDDナビ

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マルコポーロはどんな時も美味しい。

マルコポーロはどんな時も美味しい。

羽が生えていた心が、一気にドシャッと底無し沼に沈められるような気持ちになることがあり、著しく消耗してしまったので、大事に取っておいたマリアージュフレールのマルコポーロをとうとう開封した。

感情のままに振る舞えたらいいけど、多種多様のブレーキを搭載している為、燻るのみの泥塗れの心。

どうやったら明日に差し障りないように、少しでもリカバリーできるか、考えて考えて。

そして威力を発揮したマルコポー

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電話越しの縁

電話越しの縁

間違い電話を掛けてきた見知らぬ人と会ってみたことはあるだろうか。

およそ300km離れた街に住むその人から、たまたま間違い電話が掛かってきたのは、確か今から彼此20年ちょっと前の深夜だったと思う。

ポケベルから携帯電話に移行した頃で、今ほど個人情報が売り買いされてもおらず(少なくとも私の周りでは)、携帯電話に掛けてくる人といえば、大体友人知人だった。

幾度か表示される知らない携帯番号に、大方

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靴ジプシーになる。

靴ジプシーになる。

その日の気分で服を選び、それに合うアクセサリー・帽子・靴下を決めて、最後の仕上げが靴。

うちの玄関には全身鏡がないので、ブーツ以外の場合はその場で履いてみてから、ボトムとのバランスや足の甲の露出加減をみて選べば間違いない。

今日は帽子がポイントで、辛口のマニッシュな服装にしたので、足もとはある程度甲が露出した女性らしいものがいいかと考えていた。

目星をつけておいた靴を履き、いざ出発!
と思い

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ギンギラギンにさりげなく。

ギンギラギンにさりげなく。

スマートフォン以前の携帯電話の頃、私は二つ折れタイプが苦手であった。

電話をかける為に、カチャッと開く。
メールを打つ為に、カチャッと開く。
何かをする為には、カチャッと開かなくてはならない。あの「カチャッと開く」という動作に違和感があった。

「(これから電話しますよ)カチャッ」「(これからメールしますよ)カチャッ」・・・。

「()カチャッ」には「これから私は携帯電話を使います」という宣言め

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後悔、それ非公開。

後悔、それ非公開。

近頃、ユニコーンの「HELLO」をよく聴いている。

タイムマシーンが歌詞に登場する曲で

「到着、5'02"前」針は君を指してる

と始まる。

何事も始まる前・到着前、そこに至るまでが一番楽しくて幸せだと、私は思っている。勿論、その只中にあっても楽しくて幸せなのだが、始まってしまったら終わってしまうのだ。

私がタイムマシーンに乗って、どこを目指したいか。それはもうずっと変わらなくて。

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君の名は

君の名は

私には息子がふたりいる。上が7歳、下が4歳。かあちゃんとしては、まだまだひよっこで日々右往左往している。
ひよっこかあちゃんの私にも、目標とする母親像がある。

ジャイアンのかあちゃんだ。ドラえもんの。

剛田商店を切り盛りしながら、地域活動にも励み、何より無敵と思われるあの息子が恐れている数少ない人物なのだ。それでいて、あったかい雰囲気。
友達の間では暴君で知られる息子も、かあちゃんの為なら、野

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愛の才能

愛の才能

ファッションのこととか、電話嫌いの話とか。

色々書きたいことはあるけれど、書き始めるとしっくりこなくて消す、ということを繰り返していた。

みなさんのコラムやエッセイなどを拝読するほうが楽しく、読めば読むほどに私の脆弱な文章力を痛感し、綴りたかった言葉もいつの間にかしまいこまれてゆく。

そんなこんなで少し久しぶりの更新です。

今朝、台所で忙しなく動き回っている私に4歳になったばかりの次男

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