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Note 時事コラム 2016

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世の中の情勢を見つめながら、そこに潜む問題を取り上げていきます。
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2016年5月の記事一覧

「不謹慎狩り」はなぜ起こるのか

「不謹慎狩り」はなぜ起こるのか

熊本地震後にも起こった「不謹慎狩り」。

著名人が被災者に向けて寄付や勇気づけるコメントを発信したのにもかかわらず、批判が殺到したのはなぜなのか。

新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は、心の疲れが一因」と指摘する。

人間は、災害現場の現状を報道などで見続けると、被災者に共感しすぎて暗い気分になる。ひどくなると、他人が笑ったり普通にしていたりすることにも怒りを感じ始めるという。この心

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アイドル刺傷事件について考える

アイドル刺傷事件について考える

現役の女性アイドルが刺傷された事件が盛んに報じられる中、歌手や声優として活動する優月心菜さんの発言が注目を集めている。

「アイドルは、あなただけのものじゃない」 刺傷事件を受けたアイドルの投稿に反響

葉月さんはツイッターで「病んで女の子に嫌がらせを始めてる自分が居たらもう残念ながら、あなたはファンではないです。」などと訴えかけ、一部は4000件以上リツイートされるなど反響があったという。

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現代に蘇る江戸の絵師 伊藤若冲

現代に蘇る江戸の絵師 伊藤若冲

東京・上野公園の都美術館で開かれていた伊藤若冲の生誕300年を記念する回顧展が今月24日に閉幕した。

回顧展では、若冲の花鳥画や水墨画、版画、モザイク屏風など多彩な作品から主要な89点が展示され、44万以上の人が足を運んだという。

伊藤若冲は以前からそれほど高く評価されていたわけでなく、再評価され始めたのは辻惟雄が『奇想の系譜』(70年)で、奇想の画家の1人として取り上げて以来。

その後、京

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地方移住について考える

地方移住について考える

都市部に人口が集中する一方で、東京から離れて地方に暮らす人が増えている。

内閣府が実施した世論調査によると、2005年調査に比べ2014年調査では、30代の農山漁村への定住願望が17.0%から32.7%へ、40代では15.9%から35.0%へと伸びている。

積極的に住宅や子育て支援など優遇策をアピールする自治体が増えたことで、移住を本気で考える人も増えているようだ。

毎日新聞の記事によれば、

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好きを仕事にするまえに

好きを仕事にするまえに

「好きを仕事にする」ということが最近話題になっている。

現在活躍している有名人の中には自分の「趣味」や「遊び」を極めて成功した人も多く、雑誌やブログなどで大きく取り上げられている。

ホリエモン「遊びがビジネスになる時代だ」〜堀江貴文という生き方〜

しかし、言うまでもなく、安易に「趣味」や「遊び」を仕事にしようとするのは極めて危険な行為である。

では、なぜ「危険」であるのか?

今回はその理

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仕事がストレス解消の手段になってはならない

仕事がストレス解消の手段になってはならない

4月17日、覚醒剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手・清原和博被告の初公判が行われた。

清原被告が覚醒剤を使用し始めたのはプロ野球選手を引退した2008年以降からだったという。

公判の中で清原被告は「現役時代はストレスや不安を野球で解決できたが、引退後は解決方法をなくし、薬物に負けた」と述べた。

清原和博被告に懲役2年6カ月求刑 「薬物に負けた」

仕事でストレスを解消することの危険性清

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学生はホステスじゃない

学生はホステスじゃない

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)によるキャンペーン企画が猛烈な批判を受けて頓挫した。

問題になったのは東京大学の女子学生が飛行機の機内で隣に座って勉強を教えてくれるというキャンペーン。

子どもたちに宿題をやってもらうなど、家族連れで楽しんでもらえると考えて実施しようとしたものだった。

しかし、同社が11日午前11時にキャンペーンを発表すると、直後から「学生はホステスじゃない」などと

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熊本地震後に考えていたこと

熊本地震後に考えていたこと

熊本地震が起こってから約一ヶ月が経過した。

ここで地震発生後から注目したニュースや考えていたことを簡単にまとめておきたいと思う。

震災直後に取り組んだ人たち熊本地震が起こった後、すぐに支援活動を始めた大学生がいた。

その大学生は東日本大震災の後に支援団体を作り上げ、今回の被災に備えていたという。

震災が起こってから行動を起こすまでにかかった時間は約2分。

いち早く行動できたのは前回の被災

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