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言霊

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#日本

日本という、このすばらしい国 その1

日本という、このすばらしい国 その1

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

かつて日本は、中国大陸と陸続きであった富山県が作成した環日本海諸国図(通称:逆さ地図)があります。日本列島を中国大陸側から見た地図です。この地図を眺めてみると、改めて日本列島は、はじめから島国ではなく、中国大陸と陸続きであったことが容易に想像できます。また、日本海は内海として、あたかも湖のように中国大陸と日本列島との間に存在していたことも容易に想像できます。

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日本という、このすばらしい国 その2

日本という、このすばらしい国 その2

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

自然の恵みに満ちている国、日本日本は特殊な国です。特別な国といってもいいかもしれません。日本人のことではありません。日本という国が位置する場所が特殊であり、特別なのです。言葉を言い換えれば「日本は、恵まれすぎるほど恵まれている風土の中に位置している」といえます。四方八方を海に囲まれています。しかも北からは2つの寒流(親潮、リマン海流)が、南からは2つの暖流(黒

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日本という、このすばらしい国 その3

日本という、このすばらしい国 その3

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

様々な民族が漂着する、日本太平洋を中心とする世界地図を眺め、その世界地図に海流の流れを重ね合わせてみると、日本列島を北上する黒潮は、広大な太平洋をぐるりと循環する「海のハイウェイ」の役割を担っていることが分かります。1967年に、堀江謙一氏が全長6m足らずのヨット(マーマイド号)で、世界で初めての太平洋単独横断を成功させたときに利用したのが、黒潮でした。房総半

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日本という、このすばらしい国 その4

日本という、このすばらしい国 その4

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

縄文人は、単一の民族ではない地理学的に見れば、かつて日本列島は中国大陸の沿岸部に位置していたわけです。中国大陸と陸続きであった頃に、現代人のミトコンドリアDNAをもった一人の女性を祖先とする人類の一部、つまりモンゴロイドに属する様々な人種が、北は北海道から南は沖縄までの日本列島の各地に分散して棲みついたというのが自然な摂理であると、私は考えています。特定の地域

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日本という、このすばらしい国 その5

日本という、このすばらしい国 その5

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

縄文社会が過飽和して相転移した1万年以上も、争いごとのない平和で穏やかな時代が続いた縄文時代も、晩期(紀元前2,900年~)には、波乱の時代を迎えます。人口減少と中国大陸からの大量難民(渡来人)の発生です。ちなみに縄文時代の人口推移は、国立民族学博物館の小山修三教授のシミュレーションデータや、鬼頭宏氏の(「明治以前の地域人口」上智経済論集第41巻1/2号)によ

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日本という、このすばらしい国 その7

日本という、このすばらしい国 その7

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

日本列島に漂着した難民を、縄文社会が受け入れた弥生時代は紀元前1,000年~500年ぐらいから始まり、紀元後300年の古墳時代を迎えるまでの800年~1,300年間続いたといわれています。弥生時代は、縄文時代に比べれば1/10のぐらいの歴史にすぎません。その1/10ぐらいの歴史しか持たない弥生時代に発生した事柄は、縄文時代に発生した事柄の比ではなかったようです

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日本という、このすばらしい国 その9

日本という、このすばらしい国 その9

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

古墳時代に書き記された資料が現存していない古事記や日本書紀が編纂されたのは西暦712年~西暦720年の間、奈良時代に入ってからです。編纂を命じたのは天武天皇です。原本は現存していませんが、写本が数多く存在します。また、古事記や日本書紀の資料となった帝紀(ていき)や旧辞(くじ)が編纂されたのが西暦681年頃です。こちらに関しては、残念ながら原本はもちろん、写本も

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日本という、このすばらしい国 その11

日本という、このすばらしい国 その11

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

我が国古来の、<話し言葉>の不思議現在、私たちが喋っている日本語の祖語(原言語)は、まったくもって不明(系統未詳言語:国立民族学博物館教授先崎山理教授)なのですが、言語学的に分類すると膠着語にあたります。単語と単語の間に切れ目がなく、テニオハ等の助詞でいくつでも単語をつなげて言葉をつくることができる<話し言葉>です。

トルコ語、朝鮮語、モンゴル語、フィンラン

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日本という、このすばらしい国 その12

日本という、このすばらしい国 その12

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

さて、前回からの続きを。

1万年以上も前から日本列島に棲んでいたといわれる縄文人が膠着語を喋っていたのは間違いないのですが、同じ種類の膠着語を喋っていたのではなく、それぞれの地域ごとに異なる膠着語を喋っていたのではないでしょうか。

南北に3,600kmもの長大な距離的な隔たりを考えれば、いわゆる方言というようなレベルの違いではなく、日本語とトルコ語とフィン

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日本という、このすばらしい国 その13

日本という、このすばらしい国 その13

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

日本は単一民族国家でも、単一言語国家でもないそもそも、日本という国名が最初に歴史に登場したのは西暦701年に制定・施行された「大宝律令」の時代であり、天武天皇によって定められたとされています。そしてこの事実を裏付ける歴史書として、唐の成立(西暦618年)から、滅亡まで(西暦907年)について書かれた「旧唐書」に、国名の変更について質問を受けた我が国の遣唐使たち

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日本という、このすばらしい国 その15

日本という、このすばらしい国 その15

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

お天道様が見ているという国、日本。私のかつての知り合いの顧客企業の一つに、セキュリティシステムを開発している会社がありした。認証技術という分野のセキュリティシステムです。その企業の開発者と話をしていたときに、最終的に人間と人間が顔を合わせてコミュニケーションをとっていく現実的な社会に限って言えば、セキュリティシステムの基本的なコンセプトは「人間性善説」で機能す

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日本という、このすばらしい国 その16

日本という、このすばらしい国 その16

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

日本人は、本当に「模倣民族」か。国際特許の話ですが、国際特許を申請すると、最終的に、その特許申請した技術を考えついた時に参考にした資料(文献等)を自己申告(先行技術文献開示義務)する手続きがあります。もっとも、この自己申告の前に特許庁から「あなたが特許申請した技術と同じような内容を記述した文献が、これこれあります、従って、あなたがこの技術を特許申請しても特許を

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日本という、このすばらしい国 その17【最終回】

日本という、このすばらしい国 その17【最終回】

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

”オリジナル”を生み出すことに長けた、日本前回の話の続きになりますが、特許を取得するときに一番大切なことは“特許申請した技術を考えついたときに参考にした資料(文献等)を自己申告する手続き”です。この自己申告は論文を発表するときにも不可欠な手続きになります。論文の場合には引用文献の開示といいます。

私が尊敬する公文俊平先生が書かれた本は、至る所に引用文献の名称

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