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いいとしのエリー

アラサーでもむじゃきにon my mind

今日も千代田線に揺られながら、大好きな懐メロの1つでもあるサザンオールスターズ大先生の「いとしのエリー」を聴く。「あなたがもしもどこかの遠くへ行きうせても、今までしてくれたことを忘れずにいたいよ。もどかしさもあなたにゃ程よくいいね。」という歌詞が物凄く今の私の心を揺さぶるのだ。愛しさと感謝の気持ちで満たしてくれる、とても素敵な曲だ。

そして、足立区女子の私は御年29歳を迎える。いわゆる、良い歳頃なのだ。仕事に恋愛に友情に日々勤しんでいるが、感情のtraffic jamが半端ない。あっちに走ったと思ったらこっちに戻り、またあっちに走る情景が思い浮かぶくらい、感情が忙しないのだ。そんな感情の巨大交差点で立ち往生した時には、全ての感情が崩れて涙が止まらなくなってしまう。深夜2時のそれが1番危ない。連絡先にいる、まだ起きているであろう友人に片っ端から電話をかけてしまうのだ。それは、アラサー独身女特有の何かの発作なのであろうか。

アラサーになると、20代前半の頃よりも色々な局面でキャパシティが増え、見える景色が変わってくる。出逢い・仕事・趣味の幅を超え、人生観に大きな影響を及ぼす時期でもあるのだ。しかし、何事にも慎重になりすぎるが故に、重大な選択をする際、これでもかと言う程に立ち往生をしてしまう時がある。これぞ、感情のtraffic jamだ。特に恋愛。それまでノリや見た目の好みだけで付き合えていたのが、そんな単純な理由だけでは選べなくなる。結婚を前提とした交際を考えると、そう一筋縄ではいかないのだ。「恋人」から「パートナー」という視点に変わると、取捨選択の方法やタイミングも、まるで変わってくるからであろう。

でも、本当はまだまだ青春を謳歌したい。青春をひきずりたい。でも、結婚もしたい。またも、別の感情の巨大交差点にハマってしまう。いつか、必ず終わりが来るであろう青春の時間を少しでも伸ばしたい気持ちと、現実を見なければいけない気持ちとの鬩ぎ合いなのだ。まだまだ、ディズニーランドにキラキラなミニーちゃんのカチューシャを付けて行きたいし、友達や好きな人とリンクコーデだってしたい。30歳間近は、もうおばさんだって誰か決めたのだ。アラサーでもむじゃきにon my mindしたい!!!インスタグラムのフィード投稿に「#おばさんとは」のハッシュタグを、上限が許される分だけ埋め尽くしたい気持ちでいっぱいだ。おばさんの定義なんて人それぞれだが、そのファーストターンがくるのがアラサーなのである。HOT PEPPER Beautyなどでよくある、「U-25」もそれに当たる。あんなのは、日常的に彗星の如く現れる無責な烙印みたいなものだ。予期していない当たり屋事故のようなそれが、1番心臓に悪い。そして、19歳から20歳を迎えた瞬間、20代は全員おばさんだと豪語していた自分を心底憾みたい気持ちでいっぱいだ。

御年29歳を迎える「いいとし」の私でも、いつまでも無邪気でいることを許してくれるパートナーが現れるのだろうか。そう考えながら、エンドレスで聞いていた件の曲のラストスパートの辺りで目的地に着く。歌詞に込められている普遍的でも不変的でもある恋愛の切なさの意図を感じ取るのも、so sweetな時間なのだ。

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