逆噴射高梨蒼

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ノート

【蒼雑記】逆噴射小説大賞2019振り返り会【2次選考を受けて】

12月4日20時、ついに発表されましたね。逆噴射小説大賞2019、1次・2次選考結果がね。

発表&講評、読もう!

単刀直入に言いまして、僕の応募作からは「俺と元俺の国喰いのススメ」が通過しました!ヤッタゼ!!

というわけで、自己分析会です。
通過本数が1/5である以上、どうしても反省っぽくなってやや厳しい話になるけど、お付き合いくださいな。
欠点、ミス、力不足、そういう部分を掘り返した先にあ

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ごちそうさまです!
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逆噴射小説大賞2019ライナーノーツ!-プロト!ポイント!ペイン・アンド・パワー!-

逆噴射小説大賞2019、お疲れ様でした。
800字の5本限定って発表があったときは衝撃ではあったけど、意外と何とかなったみたいですね(ぼんやり)

実際凄い。400×1900本よりは楽かもしれないが結局審査チームには必死になってもらうほかないようだ。
800×640は400×1900より少ない。がんばれ。

なんで「なったみたい」なんて伝聞調かっていうと、僕ほかの人の作品全然読めてないんですよね。

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ごちそうさまです!
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いつか僕たちが、この革命劇に名前を付けよう。

「ね、貴方は大きくなったら何になりたい?」
「いきなり何です」

赤と黒が入り混じる空を見つつ、女性は言った。感慨深げに目を細める女性と対称的に、少年は目を見開いている。時折ゴーグルを調整している姿には緊張感があるが、会話をする程度には余裕もあるらしい。

十人程度による簡素な山中のキャンプは暗い。いくつかの控えめな灯りも、すぐに消灯できるように全員が備えている。
彼の視界には、依然変わらない山の

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ごちそうさまです!
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Bet everything But no-life

誰もが怯え、しかし騒然とすることさえできないホールで笑っていたのは、銃口を二つ突き付けられていた男本人だけだった。
不自然なほどのチップの塔の前に座る彼は、ラフに着崩したスーツスタイルだ。白いジャケットから覗く黒いシャツには皴がない。ホールドアップした手首に光るアクセサリーも厭らしくない。整った身形の中で、今は卓に置かれている黒いパナマハットだけがくたびれていたのが印象的だった。

「ベック、少し

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あたり もう一本
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銀と金と千奇万講

黒い服に銀の髪のお兄さんと、黒いドレスに金の髪のお姉さん。
山の中で迷子になって、古いお社で怯えてたら、「いつまでも帰ってこないから、街で騒ぎになってましたよ」って迎えに来てくれました。
真っ暗な夜の真っ黒な二人なのに、不思議と明るく見えました。

(少年、とある二人組について)

前、うちのキャラバンで二人連れを送ったことがある。ナリから振舞いからご立派な、俺らなんぞに頼らなくても優雅に砂漠越え

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毎度ありがとうございます。
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ニューマンライツ、カメラ、アクション!

そして、雄大な地球を背負ったスタッフロールが終わった。「国際連環」「国際人類和平機構」の堂々たるロゴがスクリーン中央で止まる。

――止まって一分、何も起きなかった。

君の周囲が、演出でなく事故か、とざわついて数秒。背景の地球が高速逆回転を始めた。同じく昇りの数倍速で、スタッフロールも下へ流れていく。

「『和平伝』をご覧頂き、有難うございます」

逆流する名前たちを隠さぬよう、向かって右隅。三

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ウィーピピー!(よろこびのかけごえ)
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俺と元俺の国喰いのススメ



「ひったくりだね」
「……捕まえろって?」
「勿論」

俺の隣の小さな影は長い髪を波立たせ、軽く頷いた。
俺は、背を押す風めいた銀色を視界の端に見て、両手の暗器グローブをぎちりと嵌め直す。黒い革が指を締め付け、瞬間、血が巡る感触が強くなる。

「焼き肉屋の路地。突き当りの右、質屋の裏口への階段前」

つま先で地面を叩く。重く硬く、仕込んだ金属はいつも通り頼もしい。

「一発殴ったら、懐から銃

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ウィーピピー!(よろこびのかけごえ)
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大天空大相撲取組帖 発機良揚―ハッキヨイ―【初日・一番目・夕羽 対 猛雲】

天高く力士肥ゆる秋。
令和元年九州場所初日の空は、十五日間の健闘を祝うに相応しい快晴だった。

大天空大相撲の会場である九州国際体育塔から響き渡る櫓太鼓は、福岡市の秋の風物詩。世界最大の自立型相撲塔である両国国技塔に高さでは劣るものの、街の熱気は負けていない。

市街にかかる九体塔の影も短くなった。
地上十階、満員の観衆が見守る中、夕羽関と猛雲関が睨み合う。

両者は各々のルーティンを執り行う。そ

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ヤッタゼ!
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【逆噴射高梨蒼】逆噴射小説大賞を振り返り、おれはおれを知る

おれだ。高梨蒼だ。

おまえは逆噴射小説大賞という熱い熱いMEXICOをサヴァイヴし、息て11月を迎えた。銃撃戦で危機にさらされ、きけんなパルプ成分弾丸で頬を切り、額に穴をあけたおまえは、死んで生き返ったのだ。マサルやリーゼは「自分は一度死んだのだから怯えるのはおかしいことだ」と笑ってのけたが、おまえも…少なくともパルプの荒野では…すでに何度も死んだ。あとは笑って前に進め。

おれはパルピックさの

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ウィーピピー!(よろこびのかけごえ)
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アカシック・カフェ ―全知と珈琲の番人―

「もうアカっちゃいなよー!」
「でも、あたし的にはエージ信じたいし」

常連の女子高生のいつもの恋バナ。しかし、どうも雲行きが怪しい。シュウカがアカシックレコードを提案したのだ。一方ハヅホは曖昧な返事。そりゃそうだ。『世界の真実』によって浮気が確定したら目も当てられない。

十数年前、人類はついにアカシックレコードに接続した。が、蒸気機関やインターネットのように社会が激変することはなかった。一般市

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