ショーアップ・ヒーロー

カグライ・ライジング!―英雄なき俺達の夜明け―

鋭い風が異様な気配を乗せて吹き抜ける。今の季節は街の誰もが刃から身を隠すように厚着をするのだが、防刃防神コートを着ている俺達の前では生温い。 「コグロ、今まで有難う」 「今更クソ真面目に何言ってんだ」 「礼節。お前に教わったこと」 相棒は殊勝に笑った。噂では、王都の協会はこのアホを儚い男前として売り出したいらしい。無理な目論見と気づくには雨季までかからないだろう。 「礼節弁えるんなら、王都行きやめろや」 「そういうわけにはいかん」 「へいへい」 装備の励起音を塗りつぶ

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