記事一覧
穏やかなる日常(短い小説)
19歳、少年と呼ぶのか青年と呼ぶのか微妙な年齢。法律的には成人してるので青年なのか、しかし見る人の感覚によっては簡単に少年にも転がる。
「まぁまぁ童顔って言われるしな…」
童顔寄りの男が平日の昼間っから駅前の噴水付近をウロついてるのを周りの人々はどう見るのだろうか、どうだっていいが多少考える。思い悩む程ではないが何となく適当に気を配る素振りをする、見栄えというのは多分そういうものだ。
「…あ、ヤ
現代勇者(短い小説)
世界を邪悪な闇によって支配した大魔王グライオスによって人々の豊かな生活は絶望へと変わった。このままでは人類は滅亡してしまう。人々はやがて救いを求めるようになり、天に祈りを捧げるようになっていく。
誰か、誰か助けてくれ…世界の平和を取り戻してくれ
叫びに呼応するように天界から一振りの刃が降り注ぐ。とある村の青年カラフはそれを引き抜くと勇者と崇められ、人々の期待を背に魔王へと立ちはだかるのだった…
無いようなもんだろ(短い小説)
神がなんらかの気まぐれを起こした。
全世界の人々達は突如降り注いだ大いなる光を浴び、能力に目覚めた。今まで普通に過ごしていた友達も団欒の幸せそうな家族もその辺の犬ですらも特殊な能力を得てしまった。
『空から降ってきた光の柱は、浴びた者の潜在的意識を引き出し解放させる効力があったようです』
画面に映る報道アナが、原稿を宙に浮かせながらそう教えている。能力は人によって様々だが、殆どの連中がポジティ
御世話になられるこっち側の感じ
よく「お世話になってるので」という理由で様々なところに顔を出す奴がいると思う。
「いつもお世話になってるので来ました」
役者の人だったら舞台や何か表現の場に、店をやってる人だったらわざわざ食べに来たり商品を買っていったりとか。
だけどどこまでいっても「お世話になってる」
というだけなのでおそらく内容を一切気に留めていないと思う。
舞台とかなら面白いっぽい感じて見てるだろうし
飯屋だったら「美味