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毎日の暮らしの中で

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毎日の暮らしの中で感じたことを綴ります。人やモノ、どんなに小さなことでも幸せを感じられたらいいなと思います☺︎
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2020年6月の記事一覧

君と歩く

君と歩く

日中の風がだんだんと体がうだるような暑さを纏い、夜の風がほんの少しだけひんやりと心地よく感じる季節になった。2人で歩きながら眺める景色はあと2ヶ月程もすれば2周目に突入する。四季や天候、こころの状況が変わっても歩くときの手元は君に包まれたまま変わらない。たまに私はいつまでこうして君と歩けるのかなと想う。

手を繋ぐ行為は独占欲の現れとなんとも強い言葉で言われている。愛情がとても強い・パートナーを守

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香りの森

香りの森

香りや匂いにはさまざまものがある。人や食べ物が放つもの、花や生き物、海や土から立ち込めてくるもの、まだまだ他にもあるから書き連ねていたらきりがない。そして、香りや匂いは時として人の記憶を蘇らせる。それは幸福な記憶から抹消したい記憶の全てまでに至る。

私は部屋に立ち込めたどんよりと重たい、むっとするような空気が纏ったカビ臭く泥臭い匂いが苦手だ。誰でもそんな匂いは嫌いだと思うかもしれない。だが私は人

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『ジムノペディ』に酔いしれて

『ジムノペディ』に酔いしれて

クラッシック音楽に酔いしれる日がたまにはあっても良いと思う。そんな日に聴きたいのはピアノで演奏されるジムノペディ第1番だ。LINEMUSICで流れるたった3分33秒に私は長い長い間、こころが研ぎ澄まされる感覚を覚える。3/4拍子でゆっくりとしっとりとした曲調は独特の哀愁を感じさせている。

『ジムノペディ』 (Gymnopédies) は、エリック・サティが1888年に作曲したピアノ独奏曲である。

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手のひらの孤独

手のひらの孤独

電車に乗れば目の前の座席1列に座っている人の全員が視線を下に落としている。視線の先には手のひらに握られた目に見えない電波を放つ四角く細長い機器、つまりスマホだ。こんな光景がいつから当たり前になったのだろうか。慣れというのは恐ろしいものである。

私は大学生になるまで自分の携帯を持っていなかった。中学生の頃にはみんな持っているのが当たり前だという風潮があったが私は自分の携帯を持つことはできなかった。

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ジブリのなみだ

ジブリのなみだ

つい最近、人気のジブリ作品である『風の谷のナウシカ』『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『ゲド戦記』の4つが映画館で上映されることが決まり、多くの人が待ち遠しくしているのではないだろうか。今日はジブリのヒロイン達に焦点をあてたいと思う。

芯のある強い逞しさと自分というはっきりとした個性を兼ね備えて置かれた境遇や環境で生きる彼女たちの姿に魅力を感じる人は多いのではないだろうか。これらに加えて私はジブ

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女ともだち

女ともだち

私は大学で7人の彼女たちと出会った。不安しかなかった登校初日に全員同じテーブルで、ぎこちないはじめましての自己紹介祭りだった。大学受験の苦すぎる思い出をまだ胸に抱えたまま乗り気のしない登校は彼女たちのおかげで少し和らいだことを今でも覚えている。そして彼女たちのおかげで私は大学生活を謳歌することができている。本当に感謝の言葉しかないし、これからも大切にしたい存在だと思っている。

さて、今日の本題”

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すずらんの想い

すずらんの想い

「純潔・甘美」
これはすずらんの花言葉である。
すずらんはキリスト教では聖なる花とされている。あの白く小さな花がうつむいている様子はお祈りをしているように見える。甘く清潔な香りがふんわりと漂う中で包まれたいと願ってしまう。

私の誕生花はすずらんである。だからすずらんはとても大切な花だ。私の彼氏さんは毎年すずらんの花にちなんだ贈り物をくれる。とても素敵でこころが満たされる。疲れた時に贈り物でくれた

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コミュニケーションの3要素

コミュニケーションの3要素

最近、ドラッグストアでアルバイトをしていて気づいたこと。

レジに買い物カゴを持ってくるお客様が私の
「いらっしゃいませ。お預かりいたします。」に続いて
「お願いします。」と丁寧に言ってくださる方やお会計が終わったあとに
「ありがとう。」「助かるわ、ありがとうね。」と声をかけてくださる方がとても多いなぁと感じた。
他の社員さんやアルバイトスタッフに話してみたところ「きっとすずらんちゃんの対応が優し

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幻のお姉ちゃん

幻のお姉ちゃん

私には幼い頃から女の子が見える。いつから見えているのかはあんまりはっきり覚えていない。でもあの子は私以外には見えない特別な存在だ。あの子は絶対に悪さをしないし、いつも真っ白なワンピースを着てそっと立っているのだ。

つい最近、私の妹がこっそり母親との内緒話を教えてくれた。それは驚くべきことだった。
「実はね、ママはお姉ちゃんが生まれる前に一度流産してるんだって。だからお姉ちゃんに見えているあの女の

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雨は私のお友達

雨は私のお友達

「あ〜めあめ〜ふ〜れふれ〜もっとふれ〜🎶」

私は雨が降ってくるとついルンルンな気持ちでこの歌を心の中でこっそり歌っている。しかも歌うとかなりの確率でしっかり降り出してくるから面白い。

私は昔から雨女と言われ続けてきた。私のここ一番という時(例えば入学式&卒業式、修学旅行、面接試験日など)には必ずと言っていいほど雨が降っていた。特にオーストラリアの修学旅行でも降らせた私の雨の力はすごいと自負し

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月を眺めて

月を眺めて

私はひどく疲れていた。何に疲れていたのだろうか。バイト、恋愛、家族、勉強、就活…まだまだたくさんあったかもしれない。

バイトの帰り道に気づいたら絶対に買わないお酒を手にしていた。私は喘息の持病を持っているため、薬の効果を阻害するアルコール類は口にしないことにしているのだ。そのまま近所の公園をぐるりと散歩した。今年は短かった春の桜の木々が夜風に吹かれていて少し怖かった。家まであと少しの階段で座りこ

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紫陽花(あじさい)は万華鏡

紫陽花(あじさい)は万華鏡

「移り気・高慢・冷たい美しさ」

これは紫陽花の花言葉である。
紫陽花は6月に入って梅雨の季節となれば一緒に連想される花の代表格ではないだろうか。紫陽花は植っている土壌によって花の色が変わる。咲き始めと咲き終わりでも微妙に花の色が変わる。だからこんな花言葉がついたのかもしれない。

紫陽花を見ると憂鬱になりがちなこの季節をぱっと明るくしてくれて心待ち気分も明るくなる気がする。紫陽花は大ぶりでたっぷ

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男ともだち

男ともだち

私には大切にしている”男ともだち”が1人だけいる。きっとこれから先でも、男ともだちと呼べるのは唯一無二の彼だけだと思う。

彼とは高校二年生の時に出会った。共学の学校ではあったが昔は女子校だったこともあり私のコースは比較的女子が多かった。少ない男子の中で彼が私と話すようになったきっかけは何だったのだろうか。はっきりとは覚えていないが思い当たることと言えば勉強とアイドルだ。日本史のテストの点数や毎学

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こころの桃源郷

こころの桃源郷

私の母方の祖母の家は昔大地主だったらしい。祖母は1人で大きな屋敷と庭に住んでいた。私は特に祖母の管理する広大な庭が大好きだった。この庭への入り口はなく電信柱の高さまではある大きなツタのような植物の壁をかき分けて入るのだった。着ている服に虫やらツタがくっつくなんて考えもせずに無心でかき分けて進むのだった。通り抜けるとさまざまな季節の花々や、祖母が飼っていた大家族のうさぎたちが迎え入れてくれた。1番奥

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