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#スキしてみて
#23 薬屋のLily(リリー)
Oliviaと私は
Jackの家のすぐそばにある
薬屋さんに向かった。
Olivia、肘、大丈夫?
痛むの?
Oliviaの肘は少し赤く
少し腫れている程度だが
直径4,5㎝ほどの大きさがあった。
う~ん
触ると少しピリピリするくらい。
Jackさんに言われるまで
気付かなかったくらいだから大丈夫よ。
Oliviaが
ここよ、と入っていったのは
私たちの知る薬屋さんのイメージとは
随分かけ
#22 Jackの見解
で、聞きたいことって何だね?
Jackが話を元に戻した。
あ、えっと、
私の世界とこの世界の
行き来の仕方を教えてほしくて。
では、君は一体どうやって来たんだ?
その問いかけは間違ってはいなかった。
自分でもわからなかった。
考え込んだ私を見てJackはこう続けた。
実は、明確な方法は
まだ解明されていないんだ。
人それぞれ方法が違うようでね。
共通しているのは、
この世界を信じてい
#16 魔女の奥様Eve(イヴ)
ここがEveのお家よ。
あ、ねぇ。あれ、見てて。
Oliviaの視線の先に目をやると
垣根の隙間から
1人の婦人が3人の小さい子供たちと
楽しそうに話しているのが見えた。
婦人は一輪の薔薇のようなものを
指揮みたいに振りながら
1,2,3…と言うと、
なんと、すぐ近くの薔薇が次々と咲いた。
子供たちは喜びの声をあげ、
婦人は満足そうに笑っていた。
余談だが、実は、
ギャラリーの名前の「3
#14 あちらの世界に帰った日。
どれくらいの日が経っただろう。
日常生活を送りながらも
あちらの世界を思い出していた。
一体どうやったら
またあちらの世界に戻れるのか。
あのアンティークな扉が現れたときの状況を
自分なりに再現してみたりもした。
街を歩いている時も
おしゃれなカフェやお店の
アンティークっぽい扉を見ると
自然と目が行っていた。
不思議なのは、見てすぐに
この扉は違う。
と感じることだった。
アンティー
#13 夢が覚めた…?
勘の良い方は、もうお気づきだろう。
包み込むような光が引くと
見えてきたのは自分の部屋。
クローゼットに
背を向けるようにして立っていた。
そう、私はあちらの世界へ行く前の
自分の部屋に戻ってしまったのだ。
え!?
と一歩踏み出した時、
自分の部屋に土足で居ることに気付き
慌てて靴を脱いだ。
こんな混乱する状況なのに
土足がこんなに気になるなんて
なんだか可笑しいものだが。
玄関に靴を
#12 光に包まれて
すごい綺麗な翼の飾り、買ったんだね!
店主からあの幻想的な
時の鳥の七彩の翼を受け取った時、
Rajeepが後ろから声をかけてきた。
Rajeepはいつの間にか
見えない鳥を見るのをやめていた。
うん、買っちゃった!
Rajeepはさっき見てた鳥、
飼ったりしないの?
う~ん
少しでも見えたら飼おうかなと思ったけど
やっぱり無理だった…
なるほど、と思った。
だからRajeepは難しい顔
#11 時の鳥の七彩の翼
Rajeepが行きたいお店だと
連れて行ってくれたのは鳥類専門店だった。
サイズや形、色もさまざまな羽根と
その羽根で作られた雑貨、
大小様々な鳥かごが雑多に置かれていた。
鳥籠は空のものが多い割には
妙に騒がしかった。
鳥たちも色とりどり・様々で、
なんだかめまぐるしかった。
Rajeepはなぜか空の鳥籠の1つを
難しい顔をして覗いていた。
どうしたの?
ここには、見えない鳥が鳥がいて
#10 インド人Rajeep(ラジープ)
Oliviaが手を振る先から
1人の男性が小走りで
こちらへ向かってきた。
どうやらOliviaの知り合いのようだ。
そのまま一緒に店内に入ってきた彼を
Oliviaは私に紹介してくれた。
彼はRajeep(ラジープ)。
3か月くらい前にここに来たのよ。
Rajeepは中肉中背という感じで
くせ毛っぽい黒い髪は短く整えていた。
Oliviaの4つ上、つまり27歳らしいが
年相応、気持ち少し
#9 そういえば、これも魔法?
色々と話している内にカフェに着いた。
街を案内してもらって
そのまま帰るわけにもいかないので
私もカウンター席に着いた。
Oliviaは仕事をしながらも
私のことを気にかけてくれた。
そういえば、あなたの鍵はどんなの?
急に鍵の話をされて驚く私を見て
フフッと笑いながらこう続けた。
みんな鍵を持って来るのよ。
私はあの鍵を見せた。
歯車いっぱい!面白いわね~
トカゲ、好きなの?
実
#8 オーロラ色のランタン
そろそろカフェに戻らなきゃ!
私達はOliviaの紹介してくれた雑貨屋を
あとにした。
カフェに戻る道中、
明るい昼間だというのに
手に持ったとても小さなランタンを
見つめながら歩いている女性がいた。
私は声を潜めながらOliviaに尋ねた。
ねぇ、Olivia。
こんな明るい中でランタン見つめて、
あの人って何してるの?
あぁ、あれね。
あれは普通に光るんじゃなくて
オーロラ色に光るラ
#5 自由と成功へ導くペガサスの光
あちらの不思議な世界で
カフェの看板娘のOlivia(オリヴィア)が
最初に案内してくれたお店には
こちらでいう
スピリチュアル的なアイテムを取り扱う
雑貨屋のような印象を受けた。
ただし、あちらの世界のこのお店では
精神的なものではなく
実際に魔力を持つものを扱っているようだ。
こちらの世界からあちらの世界へ来る人に
積極的に街を案内しているOliviaが言うには
あちらの世界のお土産のよ
#4 ここは…魔法の世界なの…?
好奇心と冒険心に導かれ
不思議なあちらの世界に踏み出した。
声をかけてくれた
Olivia(オリヴィア)の
勢いに飲まれるように
街を案内をしてもらうことになったが
ここがどんなところなのか
さっぱりわからないままであることに
気が付いた。
ねぇ、ココって…
えっと…魔法…の世界なの?
正直、どう聞くのが正解なのか
よくわからなかった。
あの鍵や扉には魔法らしさを感じるが
街は想像よりシ
#3 魔女のカフェ店員Olivia(オリヴィア)
扉の先の道路をまっすぐ歩いていくと
小さな広場のようなところに出た。
人はまばらだが
みんなそれぞれゆっくり過ごしている
といった印象。
興奮気味に
挙動不審な動きをしているのは私くらいだろう。
来てはみたものの、どうしようかな…
と戸惑っていると
後ろから綺麗な女性が話しかけてきた。
彼女の名前はOlivia(オリヴィア)。
ダークブラウンの軽くウェーブした髪と
すらりとした長身は、まる