#12　光に包まれて

すごい綺麗な翼の飾り、買ったんだね！

店主からあの幻想的な
時の鳥の七彩の翼を受け取った時、
Rajeepが後ろから声をかけてきた。

Rajeepはいつの間にか
見えない鳥を見るのをやめていた。

うん、買っちゃった！
Rajeepはさっき見てた鳥、
飼ったりしないの？

う～ん
少しでも見えたら飼おうかなと思ったけど
やっぱり無理だった…

なるほど、と思った。
だからRajeepは難しい顔で
空に見える鳥籠を真剣に覗いていたのだった。

目に見えない鳥、と言われるのだから
やはり、見えはしないようだ。

このあと、鉱石店に行こうと思ってるんだけど
そこも一緒にどう？

もちろん行く！

そうやってまた2人で街を歩き出した。

ねぇ、Rajeepは
3か月前からこっちに来てるんでしょ？
何回も来てるってこと？？

そうだよ。
もう5回目かな。

へぇ～
他にも同じようにこの世界に
来た人と出会った？

うん、君の他に3人。
Oliviaのカフェに行くと
結構集まってたりするんだ。

そうなんだ！
私ももっと会ってみたいなぁ…

鍵仲間の集いっていうのが
あるみたいだよ。
月1回定期的に開催してるけど
僕はまだ行けたことなくて…
あ！鉱石店に着いたよ。

目の前には
あちこちにキラキラと輝く
宝石や金らしいものが埋め込まれている
どっしりとした建物があった。

わぁ、すごい建物だね…
ところで鉱石店って、宝石店とは違うの…？

と言いながら
お店の敷居を跨いだその時、
強い光に包まれたような
不思議な感覚に陥り、

目の前が一瞬真っ白になった。

これが光に包まれた時のおはなし。
続きはまた次回に。

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