#11　時の鳥の七彩の翼

Rajeepが行きたいお店だと
連れて行ってくれたのは鳥類専門店だった。

サイズや形、色もさまざまな羽根と
その羽根で作られた雑貨、
大小様々な鳥かごが雑多に置かれていた。

鳥籠は空のものが多い割には
妙に騒がしかった。
鳥たちも色とりどり・様々で、
なんだかめまぐるしかった。

Rajeepはなぜか空の鳥籠の１つを
難しい顔をして覗いていた。

どうしたの？

ここには、見えない鳥が鳥がいてね…
今日はそれを見に来たかったんだ。

見えない鳥を見に来た？
不思議なことをいうRajeepだったが
確かに鳥籠の中からは
甲高い泣き声が聞こえていた。

そういった見えないものも興味深いが
私は壁に飾られていた
ある小さな翼に目を奪われた。

その翼はとても色鮮やかで
少し頭を傾けるとガラッと色が変わった。

そこから目が離せなくなっていると
店主と思わしき男性が話しかけてきた。

それ、おもしろいでしょ。

えぇ。ほんとにそうですね。。。
これはどんな鳥の翼なんですか？

その鳥は世界に1羽しかいない鳥なんだ。
時を動かす鳥なんだが、
その姿は誰にも見えない。

でも、ずっと世界を飛び回ってるんだよ。
１周すると約24時間になる。
その鳥が止まると時も止まってしまうんだ。

そんな鳥がいるの！？
1周24時間って、
猛スピードで飛んでるってことですか？

うーん、その鳥自身には
時間の概念がないからどうだろうね。

ただ、暖かい島ではよくのんびしているって
ウワサだよ。
南国ではほら、
時間がゆっくり進んだりするでしょ？

時間そのものがその鳥の影響で動くなんて
とても理解が追いつかなかった。

その鳥の羽根は次々に生え変わり、
抜け落ちた羽根は地上に着くころには
とても小さくなって目に見えるようになる。

壁に飾ってあったのは
その拾い集めた羽根から作られた翼だった。

でも、どうして
こんなに色が変わるんですか？
少し見る角度を変えただけで
ガラッと違う色に…

姿を隠すためだよ。
抜け落ちるまでは光の波長を捉えて
変色して見えないようになっているんだ。

とても壁にあるのは小さな翼だが
この鳥はとてつもなく
大きな存在だと感じた。

根元には歯車が付いていたり、
様々に色が大きく変わる翼は
とても個性的だった。

これが時の鳥の七彩の翼を
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。

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