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仕事と商売を考える

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『こんな風に働きたい』『こんな考えで商売したい』をまとめます。わたしの目指す仕事のしかた。
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#エッセイ

「他者の目」を失ったなら、人の話を聞き入れる「耳」を養えばいい

「他者の目」を失ったなら、人の話を聞き入れる「耳」を養えばいい

「これおかしいんじゃないの?と思ったら言ってほしい」

私が旦那の店に立ちはじめた、その初日に言われた言葉だった。

彼はこれまで20年以上ものあいだ、今は亡き、先代の母とともに店を切り盛りしてきた。それなりにスタッフも雇ってはきたものの、やはり親子ゆえものの見方や価値観は似る。

それに加え、訳あってよそへの「修行」にはほとんど行けないまま、20代で3代目を継いでいる。

だから彼は昔から、他人

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「疲弊せずに続けられる小さな飲食店」をめざして

「疲弊せずに続けられる小さな飲食店」をめざして

旦那が3代目を務める小さな飲食店の女将になって、丸6年が経った。

はじめた当時の経営状況といったらもう最悪で。忙しいはずのディナータイムなのにやることといえば掃除ばかり。家賃は遅れ、時給制だった私の給料は2ヶ月待ったこともある。

ただ、この状況がかえって私にやる気を出させてくれたのも事実。「変えてやろう。必ず忙しい店にしてやろうじゃないか」と決意を固めることができた。

そうと決めたら一直線。

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「時間の借金王」と「時間の大富豪」

「時間の借金王」と「時間の大富豪」

 むかしむかしあるところに「時間の借金王」とよばれている男がいました。なぜ時間の借金王とよばれていたのか? それはその男に関わると、なぜだか時間が奪われてしまうからです。

 メールを送っても返事がなかなか返ってこないので、こちらはそわそわイライラして時間を奪われます。お仕事をお願いしても「もう少し、もう少し」と言われ、なかなか完成品が届きません。

 だから「あの人に関わると時間が奪われるよ」と

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